悪いのはダマすホスト?
私はホストクラブに行くのが趣味です。なぜ趣味と書いてしまうかというと、あちこちのホストクラブを巡り、人間観察をする私のような遊びかたをする女は、どうやら少数派のようだから。ほとんどの女性がホストクラブにハマる理由は「好きなホストができたから」なのです。
「ホストを好きになるなんて、ダマされてる! あっちはお金が目当てで愛情なんかないのに!」と、そこで、多くの人が反応することでしょう。もちろんそういう悪徳ホストもいるとは思います。うまいこと言って惚れさせて、普通の女性をフーゾク嬢にさせ、骨の髄まで搾り取ろうとするのような、そんなヒドい男がひとりもいないとは言えません。けれど、私が見聞きする限り、貢ぎの実態は「ダマされているから」だけではなさそうなんです。
ホス狂いを自称する女性たち
ホストにハマり、貢ぐ女性たち。自分のことを「ホス狂い」と自嘲気味にそう言う人もいます。彼女たちは、まさに身を削って日夜働いています。限界まで働き、その稼ぎのほとんどを持って、ホストクラブにやってくるのです。その理由は「指名ホストをナンバーワンにするため」というのももちろんありますが、それだけではここまで頑張れません。
ホストクラブの中にはエース争いというものがあります。指名ホストがナンバーワンになるために争っているのと同様に、そのホストの客同士はエース(最も貢いだ女性のこと)争いをしているのです。ホストクラブの中では払ったお金こそが愛の証。なので「私が一番愛しているのよ!」と無理してしまうんです。でも、エース争いも理由にはなりません。
消費欲求というもの
ホストたちに聞くと「お客さんが自分からお金を使い始めた」というパターンが結構多いことに気づかされます。特にお願いしていないのに、みずから「使わせてほしい」と高いボトルを入れるようになるのだとか。やがてはカードを限度額まで使い、支払いに行き詰まるようになるのだとか。これは買い物依存とほとんど変わらない現象です。買い物依存もストレスでお金を使いまくり、やがては支払いに行き詰まるわけですから。
買い物依存とホスト依存は、支払いがモノかホストかだけの違いで、どちらも消費に依存していることは変わりないと私は思っています。根っこにはお金を使ってしまいたい、という強い衝動がどちらにもあるのです。違うのは、買い物だと部屋に買ったモノが残りますが、ホストの場合、お酒になってしまうので何も残らないというところ。
ギリギリが生きている実感
私はホストに膨大な額を支払い続けている彼女たちと話をすることもあります。そのなかのひとりが「必死に働いている時、生きているんだなって感じる」と、印象的なことを言っていました。以前、リストカットを経験した女性に話を聞いた時も「傷の痛みを感じた時、生きていると感じた」というようなことを言っていました。
ギリギリに追い詰められた時、人はなにかアドレナリンのようなものを出すのかもしれません。支払い依存の人はそれが病みつきとなり、日々支払いに追われるというギリギリの暮らしを続けているのかもしれないのです。支払い依存気味の人にとってホストクラブはお金をいっぱい使うことができる貴重な場所なので、みずからせっせと使い始めるのでしょう。なのでホストに貢いでいる女性がいたとしても、それが100%ホストにダマされているわけではない、ということは、多くの人に知っていただきたいなと思っています。
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