女子トークしながら意中の彼を探すと…
ーースタートから嬉しい再会ですね。続けてください。
「25年も経つと皆、変わりますね。モテモテだった美女が普通のおばさんになっていたり、逆にぽっちゃり女子が美容関連の女社長になっていたり……男子もメタボなおじさんになっていたり、髪も薄くなっていたり……(笑)。いろんな意味で『時間の経過って残酷』と感じました。
で、女子トークに花を咲かせながらも、私は意中のK君を探したんです。
長身に水色のシャツにズボンというシンプルなファッションの彼を見つけるなり、『あ、いた!』と、胸が高鳴りました。
さりげなく観察すると、日焼けした肌と筋肉質なスタイルは変わっていなくてーー。
ただ、私は彼の左手薬指に光る結婚指輪を見逃しませんでした。もちろん、結婚しているのは想定内でしたが、いざ現実を突きつけられると、自分も既婚者なのにショックを受けますね」
25年ぶり! 2人きりのトークタイム
ーーなるほど、3年間も憧れ続けた彼ですものね。
「はい……周囲の女子の話によると、K君は札幌の大学に進んだのち実家に戻り、家業の農家を継いでいるようです。
皆としばらく思い出話をしていると、『もしかして、E子さん?』と後ろから声をかけられ、振り向くと、K君が立っていました。
『ひ、久しぶり……』と、私は笑顔を向けました。心中はドキドキでしたが、悟られないよう必死に冷静を装って……。
そんな女心など知るはずもなく、K君は『見違えたよ。キレイになったね』って褒めてくれて、2人でドリンク片手に会場の端の椅子に腰かけたんです。
以下はこのような会話だったと記憶しています。
ーー本当にキレイで驚いた。東京でお医者さんと結婚したって聞いたよ。
ーーええ、薬品メーカーに就職して、その流れで……。K君もご結婚してるのよね?
ーーああ、農協の知り合いの紹介でね。今は実家の農家を継いでるんだ。10歳の息子はやんちゃ盛りだよ。そう言えば、E子さんは読書家だったよね。なんて難しい本を読むんだって、いつも感心していたんだ。
ーー覚えていてくれたの……?
ーーもちろん、聡明な子なんだといつも思っていた。
ーーK君はサッカーと生徒会長や図書委員もやって文武両道だったわね。
ーーははっ、文武両道か。遠い昔だな……それにしても図書室でいつもE子さんが熱心に本を選ぶ姿は今でも覚えているよ。君は本当に読書が好きなんだなって。
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