ツッコミどころてんこ盛り過ぎた「恋マジ」
今月20日、広瀬アリス(27)主演のドラマ「恋なんて、本気でやってどうするの?(以下、恋マジ)」(フジテレビ系)の最終回が放送され、世帯視聴率は5.8%であった(ビデオリサーチ調べ、関東地区=以下同)。初回で7.0%を記録して以降、5~6%台を推移し、最終回も数字上は特に盛り上がりを見せることなくフェードアウトした格好だ。
ただ、主人公・桜沢純演じる広瀬の他、イケメンギャルソン・長峰柊磨役にSixTONESの松村北斗(27)、親友の響子役に元乃木坂46の西野七瀬(28)、アリサ役に飯豊まりえ(24)といった今旬俳優をキャスティングしていたことと、ツッコミどころてんこ盛り過ぎるストーリーで、ドラマ全話を通してSNSでの反響は大きかった。
毒親、依存症、ヤングケアラー…深刻な社会問題をボヤっと描く
メインのラブストーリーでも無理矢理な展開が多かったが、視聴者を困惑させたのはそれだけではない。毒親、依存症、ヤングケアラー、パパ活、モラハラ、不倫、詐欺など、主人公とその周りの人物がやたらと深刻な社会問題にさいなまれつつ、そうした問題は上辺だけ触れられてボヤっと解決したりしなかったりして回を重ねてきた。
特に最終回はトンデモ展開の凝縮と揶揄された。純は、一途で誠実な同級生・大津(戸塚純貴、29)の心のこもったプロポーズを、さんざん思わせぶりな態度をとってきたにもかかわらず自分勝手にこっぴどく断り、柊磨のもとへ駆けつける。
純×柊磨の恋はまるっとハッピーエンド
そして柊磨の手を強引に引っ張り行きついた公園で、わざわざ遠く離れたところから、「好きって言って!」「私、今まで柊磨に一回も言ってもらったことないんだよ!」と大声で叫ぶ。柊磨も「好きだー! 大好きだー!」と叫び返し、純の恋はまるっとハッピーエンドとなった。
最終回“アセクシャルの告白”は雑さの極み!
さらに、その後日談として、ドラマ最終回の残り数分に描かれた“突然のカミングアウト”が雑さの極みだった。純に振られたバーで飲んだくれていた大津に、おそらく偶然隣に居合わせた女性が「失恋に乾杯」と声をかける。彼女はネイルサロンを経営している中川(香椎由宇、35)だった。
中川は「恋して泣けるなんて幸せじゃん」と言い、大津に「恋してないんですか?」と問われると、唐突に「アセクシャルって知ってるか?」「世の中には生まれつき恋ができない人間がいる、私はそれかも」と打ち明ける。
大津が疑うように「本当に人を好きになったことがないんですか?」と尋ねると、中川は「一度だけあるのかな……」と答え、かつて会社の後輩だった純のことを思い浮かべながら、彼女への恋に似たような気持ちを語った。
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