私、性格悪い?「シャーデンフロイデ」に気づいた時の処方箋

おくげちゃん 漫画家・イラストレーター
更新日:2022-07-22 06:00
投稿日:2022-07-22 06:00
 みなさんは、シャーデンフロイデ(独:Schadenfreude)という言葉を聞いたことがありますか? 日本語に直訳すると「残念な喜び」。そして、日本にある言葉に直すと「他人の不幸は蜜の味」。
 自分にそんな感情はないと信じたいですが、胸に手を当てて、よーく考えればハッキリ「ない」とは言い切れないのでは? でも、それでいいんです。

 

 

 

人には「ドロドロした感情がある」のが大前提

 自分が好ましいと思わない人に不幸があった時、心のどこかで「ふっ……」とほくそ笑んでしまった経験、ないですか?

 これが、シャーデンフロイデです。こうやって文字にして見ると、ものすごく嫌な感じがしますよね……。胸の中に、ドロリとした黒い感情が湧いてくる気がするし、あまり気分の良いものではないのは確かです。

 だけど、そうした感情が自分の中に存在しているのも確かな事実。実際に脳科学の分野でも研究が進んでおり、シャーデンフロイデは「社会を維持するために必要な脳の働きである」という説もあるそうです。

 自分とか、相手とか関係なく、人間の体に組み込まれたひとつのシステムなんです。だから、それ自体は悪いものでもなんでもありません。

感情と行動を切り分ければ◎

 なので、私たちがやるべきなのは「自分にそんな感情はない」と潔白を主張するのではなく、「人間にはそういう感情がある」と知っておくこと。悪いのはシステムではなく、その感情を無闇に人にぶつける行動です。

 きっと誰だって、苦手な人に「〇〇になっちゃえばいいのに」と思うことくらいあります。だけど、実際に相手にそれをぶつける人は少ないはず。

 その感情と行動の切り分けこそが、品性になっていくのではないでしょうか? 他人の不幸に蜜の味を感じても、その味をそのまま言葉にはしない。人間の感情システムを知った上で、理性的に行動できる大人でありたいですね。

登場人物紹介

モジョ子:自信がほしい主人公。自分の欠点や未熟さばかりに目がいくタイプ。心のモヤモヤを持つこと自体に、罪の意識があるみたい。

コミ:モジョ子の先輩。明るく豪快な姉御肌。いろんな話に首を突っ込むのが好き。ママを怒らせたら天下一。

ママ:どろんぱのママ。我が道をゆく性格なので、細かいことは気にしない。が、受けた恩はどんなに小さくても忘れない。女の子たちの会話には、いつも聞き耳を立てている。

おくげちゃん
記事一覧
漫画家・イラストレーター
酒呑みまんが家。ふしぎで妖しい話を描いています。就活が嫌すぎて3年間ドイツに逃亡するなど放浪癖あり。京都市出身、東京在住。水商売歴10年。XInstagramでは毎日漫画を更新中。実績などはこちら

ライフスタイル 新着一覧


手のぬくもりとともに
 自然と手を合わせるときの気持ちって、  みんな、おんなじだよね。
実りの秋! 澄みわたる青空の下“たまたま”狩りに出かけませんか?
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
女と水がいっぱいだ…『娑婆』は何て読む? ヒント:「娑婆はいいな」
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
ほっこり癒し漫画/第83回「迷いインコ歌をうたう 前編」
【連載第83回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場! 「しっぽのお...
中目黒「ダコー」はまだ大混雑? 代官山「無印良品」新店はオサレな店員さんだらけだった!【秋の東京散歩】
 8月のオープン時には話題を呼び、大行列をなしていた中目黒のパン屋「ダコー(dacō)」。あれから2カ月が経ち、やっぱり...
下世話な仕事がバレた? 夫や息子の「意外な反応」で主婦が気づいたこと
 大崎の高層マンションに暮らす華は、テレビ局に勤める夫・大輔と二人の子供に囲まれ悠々自適な専業主婦生活を送っている。毎日...
地味な女に負けた? 夢を諦めた“こたつライター”の「プライド」が砕かれるまで
 大崎の高層マンションに暮らす華は、テレビ局に勤める夫・大輔と二人の子供に囲まれ悠々自適な専業主婦生活を送っている。毎日...
私の「仕事」は夫に内緒。専業主婦が下世話なゴシップにのめり込むワケ
 夫を仕事に、ふたりの息子を小学校に送り出してからが、自分の時間だ。  長時間かけて丁寧に淹れたブルーマウンテンを...
プロ作家・村上龍先生をリスペクト。64歳のプロ童貞が語る「自己啓発本を好きなこれだけの理由」
 コミックや書籍など数々の表紙デザインを手がけてきた元・装丁デザイナーの山口明さん(64)。多忙な現役時代を経て、56歳...
「#男児ママ」トレンド入り 小学校低学年の息子が大浴場で誰かに触れて問題になったら?【弁護士解説】
 9月末、X(旧ツイッター)で「男児ママ」がトレンド入り。これは男児を銭湯や温泉、または女子トイレに連れてくる男児の母親...
え、これだけで? 爆速で人と仲良くなれる「超簡単」なテクニック
 みなさんは距離を縮めたい人にはどんな風に接していますか? 私はミリ単位でジリジリ近づくことが多いのですが、スナックでの...
ボサ髪にギョッ! 100均ヘアグッズで「ちゃんとした女」に変身できる?
 写真や動画を見返した時、自分の髪がボサボサすぎてギョッとしました。「いい加減ヘアセットくらいしようよ」と出かける前の自...
最近の小学校で教わる「ふわふわ言葉」って何? 大人こそ大切にしたい心地よい言葉6選
 皆さんは「ふわふわ言葉」を知っていますか? 最近の小学校の教育現場で教材になっている、子供だけでなく大人こそ改めて大切...
プー太郎君の「ほよよ顔」に癒される~♡ 猫カフェで至福のひと時
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
「リンドウ(竜胆)は仏花」と決めつけるのはもったいない! “花が咲くリンドウ”を楽しんで
 日中は冷房、夜は毛布をかけて寝る不思議な時期です。これを秋と呼んでいいのかは迷いますが、季節の移ろいを感じる今日この頃...
「あー家が狭い!」4つのイライラ解消法。プチ優雅な暮らしを諦めない
 家が狭いとイライラしてストレスが溜まりますよね。物にあふれた部屋を見るだけで、どっと疲れが押し寄せてきます…。でも、ち...