更新日:2022-09-10 13:02
投稿日:2022-09-10 06:00
亡くなった親友の夫と「秘密」を共有する女性に芽生えたのは…
「彼は秘密の女ともだち」
2014年製作/フランス(原題:Une nouvelle amie)
こちらは舞台が現代なので「リリーのすべて」ほど主人公に悲壮感はなく、フランソワ・オゾン監督ならではの鮮やかな色使いもあって、全体の雰囲気は明るい。ただ、その人間関係はさらに複雑だ。
妻のローラを亡くした夫のダヴィッド(ロマン・デュリス)。ローラの親友のクレール(アナイス・ドゥムースティエ)と、その夫のジル。生まれたばかりのダヴィッドの娘・リュシー。クレールは赤ん坊の名付け親でもある。
ローラとクレールは7歳からの親友で、その関係は相当に深い……というか重い!
思春期にはナイフで傷付けた手を握り合ったり、木の幹にハートと自分たちの名前を彫り込んだりしている。はっきりとは明言されないが、単なる少女同士の友情というには親密すぎる関係性だ。
そんな親友・ローラの葬式でスピーチしたクレールは、「これからもダヴィッドとリュシーを見守り続ける」と誓う。ところが、ある日、リュシーの様子を見ようとダヴィッドの家を訪ねると、ウィッグをかぶってメイクを施し、ローラの服を着て娘をあやすダヴィッドと鉢合わせてしまう。
ダヴィッドによると、自分は以前からそのような欲求があり、ローラはそれを受け入れた上で結婚してくれたという。女性の恰好をしたダヴィッドは「ヴィルジニア」と名乗るようになる。
そんなダヴィッドの様子を、妻を亡くした夫の一時の気の迷いと思い込もうとするクレールだが、女友達として付き合ううちに、いつしか“彼女”に惹かれる自分に気付く……。
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