法律婚をしてくれれば…
結婚への気持ちが盛り上がっているときに、華絵さんが法律婚に同意をしてくれれば「こうはならなかったと思う」と話すタカノリさん。
「理屈では、法律婚も事実婚もさほど変わらないということは理解しています。だけど僕は古い価値観の人間なのかもしれなくて、やっぱり結婚の重みみたいなものが全然違うって思ってしまうんですよ。
法律婚をしていれば、もし華絵ちゃんと多少ギクシャクしようが、華絵ちゃんのことを嫌だなと思うことがあろうが、離婚の重みのほうが強いから、すぐに別れようとは思わなかったでしょうね。
だけどかたくなに事実婚を選んだのも、華絵ちゃんですから。そこは僕が責任を軽くしたくて事実婚を選んだわけではないです。
戸籍が傷つかなくてラッキー
事実婚にしてくれたことで、別れても戸籍が傷つかないのはむしろラッキーだよなって今の僕は思ってしまっていますね。
決定的な出来事があって別れようと思っているわけではなく、やっぱり僕らは合わないって結論に達したというだけなので、別れを急いでいるわけではありません。だけどぼちぼち話し合いを進めないと、別れるタイミングもどんどん遅れそうだなとは思っています。
事実婚という形をとったことで、結果的に“法律婚へのお試し期間”みたいな時間を過ごせたことは、かえってよかったのかもしれないですね。
え? 今、華絵ちゃんから“法律婚”を提案されたらどうするかって? うーん、申し訳ないけれどもう結婚欲みたいな感情がとっくの昔に消えてしまったし、結婚するなら華絵ちゃんじゃない人がいいな」
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恋人同士であれ、夫婦であれ、100%同じ価値観を有する男女は稀です。ましてや交際前の男女となれば、なおのことです。少しのすれ違いが、大きな溝に発展することも少なくないのが異性間における現実でしょう。
まさにこれこそが、男女関係における醍醐味にもなれば致命傷にもなる“冷酷と激情”のはざまなのかもしれません。
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