酒が抜けた朝に後悔
「朝起きて酒が抜けたときに、横に夏奈子がいるのを見て『あーあ』って思うんです。『またこのパターンか、早く帰ってほしいな。もう今日こそ最後にしなきゃな』って思うんですよ。
つまり、俺自身は夏奈子に対して恋愛感情はないと、自分で分析しているんです。だって、シラフのときに、夏奈子とどこかに遊びに行きたいとか、夏奈子と何かを一緒にしたいとか思わないですから。
だから、本当に酒のせい。酒がなければ、夏奈子との縁はとっくに切れていたはず。でも、酒が好きすぎてやめられないから、そうなると夏奈子との関係も切ることができない。これはマズイなってわかっているのに、なんだかんだでもう4年ですからね」
酒を断たない限り、関係も終わりにできない?
ため息をつきながら、こう話すカズノリさん。夏奈子さんと別れていた間に、夏奈子さん以外の女性と交際をしたこともあるそうですが、長続きはしなかったとのこと……。
「夏奈子よりも結婚に向いている女性とも、付き合いましたよ。でも、酒のせいでダメになりました。はっきりと言われたことはないけれど、俺が酒を飲むと深夜まで飲み続けるし、見境がなくなっちゃうところにみんな愛想を尽かしたんでしょうね。
夏奈子とセフレみたいな関係で、復縁したり別れたりを繰り返していることに嫌悪感を示した恋人もいましたね。
だから、俺もそろそろいい年だし、ちゃんと結婚もしたいし、そうなると夏奈子との関係は終わらせたほうが絶対にいいんです。
でも、酒のせいで……。これはもう酒を絶たないと夏奈子との関係も終わりにできないんじゃないかって思うと、ちょっとゾッとします」
◇ ◇ ◇
恋人同士であれ、夫婦であれ、100%同じ価値観を有する男女は稀です。ましてや交際前の男女となれば、なおのことです。少しのすれ違いが、大きな溝に発展することも少なくないのが異性間における現実でしょう。
まさにこれこそが、男女関係における醍醐味にもなれば致命傷にもなる“冷酷と激情”のはざまなのかもしれません。
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