更新日:2024-08-22 17:28
投稿日:2022-10-28 06:00
ピンヒールをじっと見つめていて
——続けてください。
「その日の私のファッションは、体にフィットした黒のロングワンピースに黒いショートブーツを履いていました。スリットが太ももまであるセクシーなデザインです。
結婚してからはラフな格好が多いのですが、ホステス時代の仲間と会う時はちょっとオシャレして……。
他の女性陣もそうでしたね。ヘアメイクやファッションに気合いが入っているのが分かりました。
で、化粧室に立とうとした私に、Tクンから『ちょっと待ってください』と、待ったがかかったんです。
振り向くと、彼、私のショートブーツのピンヒールをじっと見ているんです。そのあとの会話は以下のようなものだったでしょうか。
大人の女性への憧れ
――そのブーツ、カッコいいですね。P子さんの美脚を際立たせているし、ピンヒールにドキドキします。
――えっ、もしかして、ヒールに踏まれたいとか? ふふっ。
――はい、マジでドキドキしています。
――リップサービスでも嬉しいわ。
――いえいえ、昔からクールで黒の似合う大人の女性に憧れているんですよ。ピンヒールで踏まれたら瞬殺かも。
――ご希望だったら、いつでも踏んであげるわよ。
私はホステス時代に培った話術で、彼の話を盛りあげたんです。
耳もとで囁いた言葉とは
その後、化粧室から戻ると、Tクンは私を待っていたかのように、耳もとで囁いてきて……。
――さっきの話、本気にしてもいいですか?
――さっきの話って……ピンヒールで踏まれるってこと?
――はい……。
私の耳元に接近した彼からは、爽やかな柑橘系の香水の香りが漂ってきました」
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