離婚したいけど、夫が路頭に迷うのは…
「だけど、そんな夫に対して愛情が継続できたかと聞かれれば話は別。結婚3年目にはすでに夫への愛情はゼロに近かったですし、とにかく入籍をしている責任感だけでやってきました。
だからユウスケと出会ったときには一目惚れに近い形で恋に落ちたし、好きなのは夫ではなくユウスケです」
こう断言する菜摘さんは、本音では離婚をしたいものの、離婚をしてその後の夫が路頭に迷うことが不安で行動に移せないと言います。
不倫から結婚しても幸せになれない?
「友だちからは、“そんなの関係ない、夫婦と言っても他人なんだし、菜摘ばかりが旦那さんに配慮する必要なんてないよ”って言ってもらっているんですけど、不倫をしてそんな夫を捨てて再婚しても、幸せになれないんじゃないかという不安があって。
ほら、世間では不倫から結婚しても絶対に幸せになれないっていう話が定説じゃないですか。バチが当たるというか、悪いことをしても幸せには絶対になれないよっていうアレです。
だから、本当は今すぐ夫を捨ててユウスケと家庭をつくりたいのですが、どうしても行動に移せなくて臆病になってしまっているんです。夫が人並みで、私が離婚してもちゃんと生きていけるという雰囲気ならば、こんなふうに思わないで済んだかもしれないのに……」
子作りにチャレンジする最後のチャンス
年齢的に、再婚をして子作りにチャレンジする最後のチャンスかもしれないという焦りもあると話す菜摘さん。自分の気持ちに正直になるべきか、モラルを優先するべきかという葛藤を1年近く続けていて、メンタルも疲弊してきているとため息をつきます。
「でもユウスケを待たせているのは事実だし、今の関係をズルズルと続けていくのもダメだってわかっています。
多分、私は性格が臆病なんですよ。“なるようになれ”って思えない。だけどユウスケが私のもとを去るのは怖いし、夫じゃなくユウスケと一緒に生活していきたいです。
私みたいなタイプは、夫と同居しながら離婚話を進められそうにないから、どこかで勢いをつけて、まずは家出をしないとダメなのかなっていうところまでは考えているのですが……、そう考えたのはもう半年も前なのに、いまだに行動に移せていないからやっぱりダメなのかもしれないです」
◇ ◇ ◇
恋人同士であれ、夫婦であれ、100%同じ価値観を有する男女は稀です。ましてや交際前の男女となれば、なおのことです。少しのすれ違いが、大きな溝に発展することも少なくないのが異性間における現実でしょう。
まさにこれこそが、男女関係における醍醐味にもなれば致命傷にもなる“冷酷と激情”のはざまなのかもしれません。
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