愛すべき俳優・渡辺徹さん “ぜい肉ポワンポワン”をもう一度

ボルドー太田 イケメンソムリエ
更新日:2022-12-04 11:03
投稿日:2022-12-04 06:00

人柄が伝わる“40年前の色紙”エピソード

広く愛される役者さん(C)日刊ゲンダイ
広く愛される役者さん (C)日刊ゲンダイ

 渡辺徹さんの訃報に驚きを隠せません。9月には文学座の先輩である中村雅俊と仲良く「徹子の部屋」(テレビ朝日系)に出演し、いつものユーモアあふれるトークで徹子さんを笑わせていたのに……たった3カ月でこんなことになるなんて。享年61、人生100年時代というのに。あまりにも早すぎます。

 たしかに、あの時、ちょっと痩せたな、とは思いましたが、そのぶん、まえよりもスッキリし、ダイエットでもしたのかな、と軽く思っていました。それぐらいいつもの明るく面白い渡辺徹さんだったものですから。

 デビュー前、中村雅俊に書いてもらった色紙に、「いつまでもあると思うな仕事と人気」とあり、これからっていう後輩にそんなことを書きますか、なんて言いながらも、その色紙を40年経った今も大事に持っているところに、お人柄の良さが伝わりました。

「文学座」所属で舞台に出演し続けた

 文学座といえば、その中村雅俊や松田優作、内野聖陽、長谷川博己などなど、一流どころの俳優を輩出しているのですが、みなさん、売れると辞めてしまうんですよね(言い方!)。そんななか、渡辺さんは退団することなく、生涯、文学座の座員として舞台にも立ち続けた、そこが凄いところです。いずれ、江守徹や角野卓造のような文学座の看板を背負う幹部になると期待していたので、本当に残念でなりません。

 訃報を受けて、テレビが渡辺さんの人生をコンパクトにまとめていましたが、それを見て驚いていた若者が多数。そうなんです、ケメン俳優だったことが案外知られていないようなので、ここは断じて言わせていただきます。

 渡辺徹さんをタダのおデブタレントと思っているアナタ、認識を改めてください。若い頃の彼は誰もが認めるさわやかイケメンだったのですから。

「太陽にほえろ!」出演当時は大谷翔平似

爽やかさん(C)日刊ゲンダイ
爽やかさん (C)日刊ゲンダイ

 デビューは1981年。伝説の刑事ドラマ「太陽にほえろ!」(日本テレビ系)でした。ショーケンこと萩原健一がマカロニ、松田優作がジーパン、以下、テキサス(勝野洋)、ボン(宮内淳)、スコッチ(沖雅也)、ロッキー(木之元亮)、スニーカー(山下真司)、ドック(神田正輝)と歴代新人刑事が出てきては殉職するのが名物(神田正輝は最終話までいましたが)で、ここに颯爽と登場したのが、ラガーこと竹本淳二刑事役の渡辺さんだったのですから。

 さきほど、その時の映像を見ましたが、誰かに似ていると思ったら、大谷翔平選手です。そりゃ爽やかなはずですよね。

 当時、アイドル並みな人気で、ファンからの差し入れを食べ過ぎて太った、というのはウィキ情報ですが、その真偽はともかく、徐々に太っていったのはたしかです。後年、当時のことを渡辺さんは太ったのではなく、もともと太っていたのをデビューするために頑張って痩せて元に戻った、というようなことを言っていましたが、いずれにせよ、どんどん太り出し、刑事ドラマなのに走れなくなってきたとか。

「太陽にほえろ!」殉職シーンは一見の価値あり

 歴代新人刑事は自分でどんなふうに殉職したいかと死に方を選べるのですが、ラガーは狙撃手とビルの屋上で闘い終え、帰ろうとしてエレベーターに乗り込んだところで力尽き倒れてしまい、お腹あたりがちょうどドアに挟まれ、何度も何度も開け閉めされるたびにお腹のぜい肉がポワンポワン揺れていたのが悲しいやらおかしいやら……。

 渡辺さんのイケメンぶりを堪能したい方は、「太陽にほえろ!」をお勧めします。できれば最初のほうを。

ボルドー太田
記事一覧
イケメンソムリエ
毎クールすべてのテレビドラマをチェックする最強のドラマウォッチャー。が、その目的がイケメンにあることは誰も知らない。

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


ゴンベエ(宇野祥平)の素性が明らかに…上方新喜劇ばりの人情劇がグー
 ツヤ(水川あさみ)が亡くなり、スズ子(趣里)は梅吉(柳葉敏郎)と今後のはな湯をどのようにしていくか相談する。  ...
桧山珠美 2023-11-24 16:11 エンタメ
母ツヤ(水川あさみ)笑顔の最期、「ナレ死」に救われた
 大阪に戻ってきたスズ子(趣里)は病床のツヤ(水川あさみ)と再会する。ツヤの病状のことを受け止めきれないスズ子は、梅吉(...
桧山珠美 2023-11-23 16:05 エンタメ
六郎役・黒崎煌代の将来性、母ツヤとやり取りに泣けて泣けて笑える
 六郎(黒崎煌代)の出征の日がせまり、六郎は頭を丸め恥ずかしそうにしている。相変わらず体調が悪いツヤ(水川あさみ)は専門...
桧山珠美 2023-11-21 17:30 エンタメ
「下剋上球児」で“令和のキムタク”になりそうなイケメン俳優は?
 2019年のドラマ、「3年A組-今から皆さんは、人質です」(日本テレビ系)を覚えていますか?  菅田将暉が教師役...
「らんまん」のデジャヴ? ヤバ藤化するダンサーの中山、秋山逃げて~
 内緒の話があると松永(新納慎也)から呼び出されたスズ子(趣里)は、梅丸のライバルである日宝に一緒に移籍しないかと誘われ...
桧山珠美 2023-11-14 16:15 エンタメ
木下優樹菜から迸るガチヤンキー魂!前言撤回、TV再登場するタチの悪さ
木下優樹菜様(元タレント・35歳)  やっぱりユッキーナ(木下優樹菜)様のヤンキー魂には惚れ惚れしてしまいます。 ...
堺屋大地 2023-11-14 06:00 エンタメ
市川染五郎は眉毛、堅あげポテト、ラ・マンチャの男なくしては語れない
 先日、歌舞伎で「ルパン三世」をやることが報じられました。題して、新作歌舞伎「流白浪燦星(ルパン三世)」。  ルパ...
上原多香子は不倫を繰り返す“恋愛単発ドラマ”の女王!続編不要体質の業
上原多香子様(女優、美容家・40歳)  元SPEEDの上原多香子様は、あまり役者業のイメージはないと思いますが、す...
堺屋大地 2023-11-14 16:23 エンタメ
スズ子覚醒!茨田りつ子(菊地凛子)と渋谷のり子の表情がオーバラップ
 歌うコツを掴んだスズ子(趣里)は、羽鳥善一(草彅剛)とのレッスンを続け、その歌声はぐんと熱を帯びてきていた。  ...
桧山珠美 2023-11-10 14:30 エンタメ
“おぼこ娘2人”の初々しい恋バナ! つよぽん演じる羽鳥は「まさに笑う鬼」
 スズ子(趣里)と羽鳥善一(草彅剛)の厳しいレッスンは相変わらず続いている。しかし、羽鳥はスズ子の歌に相変わらず満足しな...
桧山珠美 2023-11-09 15:46 エンタメ
BLACKPINKの再契約なるか?「7年目のジンクス」結末に4つのシナリオ
 世界的なK‐POPブームの昨今。「コクハク」読者の中にも、K-POPにハマっている方も多いのではないでしょうか? ...
2023-11-09 06:00 エンタメ
「マイホームヒーロー」を嗜む!なにわ男子高橋“俳優武者修業”に高好感度
 すっかり忘れていました。佐々木蔵之介(55)の存在を。最後の独身大物俳優などと言われ、過去には、小野真弓や丸山桂里奈な...
大和玲子(蒼井優)の戒名に「礼」と「優」、位牌の細部にまで抜かりなし
 スズ子(趣里)たちは、大和礼子(蒼井優)が出産後に病院で亡くなったと知らされる。スズ子はお別れの会で、大和が梅丸少女歌...
桧山珠美 2023-11-03 14:30 エンタメ
スズ子のナレ出世、股野のナレ求婚…感動のシーンを描いて欲しかった!
 昭和12年、スズ子(趣里)が香川から戻ってきて3年。梅丸少女歌劇団は、秋山(伊原六花)のタップダンスとスズ子の歌を二本...
桧山珠美 2023-11-01 15:37 エンタメ
SMILE-UP.(旧ジャニ)俳優部の演技&将来性、飛躍の片鱗見せたの誰?
 嵐の二宮和也(40)がSMILE-UP.(旧ジャニーズ)からの独立を発表しました。  中丸雄一、山田涼介、菊池風...
平手友梨奈に平野紫耀ら事務所移籍組が躍動!俳優と歌手の二刀流はあるか
 平手友梨奈(22)が出演するドラマ「うちの弁護士は手がかかる」(フジテレビ系)が好評を博している。  平均世帯視...
こじらぶ 2023-10-28 06:00 エンタメ