「モダンラブ・東京」第3話のテーマは「シニア恋活・婚活」
Amazonのプライム会員向け動画配信サービス「Prime Video」にて配信されている、Amazon Originalドラマ『モダンラブ・東京~さまざまな愛の形~』の第3話(エピソード3)。独身女性、そして離婚歴のあるアラフォー、アラフィフ女性にぜひ見てほしい内容だ。
(編注:以下、記事内にはドラマに関する多少のネタバレを含みます)
テーマは、シニア恋活。シニア恋活・婚活に関するドラマ作品は、ここ数年で数が増えているように感じるが、どこかリアリティに欠けた作品も多い。
3組に1組が離婚する日本では、バツはついていても独り身のまま、晩年を過ごしていく女性も多い。そんな女性もきっと、前を向いてみたくなる素敵な作品だ。
大人になると、変化が怖い
伊藤蘭演じる主人公・倉田奈津子はバツイチ独身の60代。仕事は充実しており、友人もいる。仕事終わりには女友達と飲みに出かけるのも楽しいし、離婚していても手の離れた娘はいる。
なんとなく充実しているように見える奈津子の日常だけど、どこか寂しそうにも見える。そんな時に友人から勧められたのが、マッチングアプリだった。
今の50代、60代は、昔のシニアとは違う。若い人とそこまで遜色なくスマホを使いこなすし、女性としても自由に過ごせる人が増えた。でも、好きを仕事にして働き続ける自由な女性である奈津子ですらも、新しく恋活を始めることには抵抗があった。
大人になると、どんどん変化が怖くなる。今の日常よりつらいこと、いつもと違う面倒なことを自然と避けようとしてしまうのは、傷つくのが怖いからだ。
繊細で傷つきやすい内面を持ち合わせている
40代以降の独身女性は、人として強くなっていく部分もあるのだけれど、それは「女の身で、1人でも生きていけるように」と踏ん張っている強さだ。
実は心の中は柔らかく、とても繊細で傷つきやすい。本当はそんな自分を肯定してくれる人がほしいけど、その前に否定されたら? そう思うと、恋愛に消極的になる女性も多い。
大人には、若い頃とは違う魅力がある
奈津子は、友人に背中を押されるままに1人の男性と食事に行くことになる。最初は会話も続かず、面倒そうな表情を見せていた奈津子。ふと隣を見てみると、マッチングアプリを通じて初めてのデートにやってきた、若い男女の会話が聞こえる。
男性はかなりマウントっぽく自分の話をしまくっていて、うんざりした表情の女性。
若い時はバイタリティがあって、恋や出会いには前向きになれるが、経験値は足りない。良かれと思って話すことも、相手にとってはそうでもないこともある。
大人になって経験値がつけばつくほど、正しい行動が取れるようになってくる部分もある。若い頃は持っていた我の強さも、大人になると不必要になり、丸くなって削ぎ落とされていく。
奈津子のデートの相手は落ち着きのある中年男性・速水耕介(石橋凌)。奈津子の話も穏やかに聞いてくれる素敵な男性だが、大人の男性にも若かった過去はある。速水だって、大人になったからこそ丸く柔軟なコミュニケーションを取ることができるのかもしれない。
年を重ねるにつれ、研ぎ澄まされる大人の魅力
そこから感じるのは、大人には、大人の魅力があるということ。
40代、50代、60代と人生の経験値は重なり、その魅力は研ぎ澄まされていく。それは、自分自身もそうだ。20代、30代とは違う大人の魅力は、たしかに自分の身に積もっていく。そして、40代以降出会う異性の中にも、若い男性とは違う包容力や穏やかさを持つ男性もいる。
大人が持つ魅力と、若さが持つ魅力は違う。2組の食事中の会話を聞いていると、そう感じざるを得ない。
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