未婚40代に送る「モダンラブ・東京」3話。大人の恋は楽しい

ミクニシオリ フリーライター
更新日:2022-11-15 06:00
投稿日:2022-11-15 06:00

「モダンラブ・東京」第3話のテーマは「シニア恋活・婚活」

 Amazonのプライム会員向け動画配信サービス「Prime Video」にて配信されている、Amazon Originalドラマ『モダンラブ・東京~さまざまな愛の形~』の第3話(エピソード3)。独身女性、そして離婚歴のあるアラフォー、アラフィフ女性にぜひ見てほしい内容だ。

(編注:以下、記事内にはドラマに関する多少のネタバレを含みます)

 テーマは、シニア恋活。シニア恋活・婚活に関するドラマ作品は、ここ数年で数が増えているように感じるが、どこかリアリティに欠けた作品も多い。

 3組に1組が離婚する日本では、バツはついていても独り身のまま、晩年を過ごしていく女性も多い。そんな女性もきっと、前を向いてみたくなる素敵な作品だ。

大人になると、変化が怖い

 伊藤蘭演じる主人公・倉田奈津子はバツイチ独身の60代。仕事は充実しており、友人もいる。仕事終わりには女友達と飲みに出かけるのも楽しいし、離婚していても手の離れた娘はいる。

 なんとなく充実しているように見える奈津子の日常だけど、どこか寂しそうにも見える。そんな時に友人から勧められたのが、マッチングアプリだった。

 今の50代、60代は、昔のシニアとは違う。若い人とそこまで遜色なくスマホを使いこなすし、女性としても自由に過ごせる人が増えた。でも、好きを仕事にして働き続ける自由な女性である奈津子ですらも、新しく恋活を始めることには抵抗があった。

 大人になると、どんどん変化が怖くなる。今の日常よりつらいこと、いつもと違う面倒なことを自然と避けようとしてしまうのは、傷つくのが怖いからだ。

繊細で傷つきやすい内面を持ち合わせている

 40代以降の独身女性は、人として強くなっていく部分もあるのだけれど、それは「女の身で、1人でも生きていけるように」と踏ん張っている強さだ。

 実は心の中は柔らかく、とても繊細で傷つきやすい。本当はそんな自分を肯定してくれる人がほしいけど、その前に否定されたら? そう思うと、恋愛に消極的になる女性も多い。

大人には、若い頃とは違う魅力がある

 奈津子は、友人に背中を押されるままに1人の男性と食事に行くことになる。最初は会話も続かず、面倒そうな表情を見せていた奈津子。ふと隣を見てみると、マッチングアプリを通じて初めてのデートにやってきた、若い男女の会話が聞こえる。

 男性はかなりマウントっぽく自分の話をしまくっていて、うんざりした表情の女性。

 若い時はバイタリティがあって、恋や出会いには前向きになれるが、経験値は足りない。良かれと思って話すことも、相手にとってはそうでもないこともある。

 大人になって経験値がつけばつくほど、正しい行動が取れるようになってくる部分もある。若い頃は持っていた我の強さも、大人になると不必要になり、丸くなって削ぎ落とされていく。

 奈津子のデートの相手は落ち着きのある中年男性・速水耕介(石橋凌)。奈津子の話も穏やかに聞いてくれる素敵な男性だが、大人の男性にも若かった過去はある。速水だって、大人になったからこそ丸く柔軟なコミュニケーションを取ることができるのかもしれない。

年を重ねるにつれ、研ぎ澄まされる大人の魅力

 そこから感じるのは、大人には、大人の魅力があるということ。

 40代、50代、60代と人生の経験値は重なり、その魅力は研ぎ澄まされていく。それは、自分自身もそうだ。20代、30代とは違う大人の魅力は、たしかに自分の身に積もっていく。そして、40代以降出会う異性の中にも、若い男性とは違う包容力や穏やかさを持つ男性もいる。

 大人が持つ魅力と、若さが持つ魅力は違う。2組の食事中の会話を聞いていると、そう感じざるを得ない。

ミクニシオリ
記事一覧
フリーライター
フリーランスの取材ライター・コラムニスト。ファッション誌や週刊誌、WEBSITEメディアなどで幅広く活動。女性向けのインタビュー取材や、等身大なコラム執筆を積極的に行う。いくつになってもキュンとしたい、恋愛ドラマと恋バナ大好き人間。
XInstagram

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


NHK大河「べらぼう」に最後まで東洲斎写楽が登場しないナゼ?
 NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」もあと数話、撮影も終了しているというのに、あの絵師がまだ登場していない。...
2025-11-09 17:03 エンタメ
若手俳優の登竜門“スーパー戦隊もの”が消滅する衝撃…芸能界には大きな損失
【桧山珠美 あれもこれも言わせて】  先日、衝撃のニュースが飛び込んできた。テレビ朝日が、放送中の「ナンバーワン戦隊ゴ...
2025-11-09 17:03 エンタメ
一人になったからこそ…蛍原徹は”自由″に「アメトーーク!」の看板を守り続ける
【今週グサッときた名言珍言】 「僕は『罪滅ぼし芸人』です」  (蛍原徹/テレビ朝日系「アメトーーク!」10月30日放送...
2025-11-09 17:03 エンタメ
坂口健太郎に“待った”をかけた永野芽郁の破壊力 主演映画低調で「三角関係報道」の後遺症が鮮明に
 渡辺謙(66)との初共演や、主題歌をサザンオールスターズが担当することで映画「国宝」の対抗馬になると目されていた坂口健...
2025-11-09 17:03 エンタメ
ああ、日曜は悩ましい。神尾楓珠の胸キュンか、及川光博のほっこりか…どっちのドラマをリアタイすべき?
 日曜の夜が悩まし過ぎて困っています。  というのも、「すべての恋が終わるとしても」(テレビ朝日系)と「ぼくたちん...
荒牧慶彦&植田圭輔、気心の知れた相手だから、自然でいられる。W主演で見えた“素のふたり”の関係性
 舞台『刀剣乱舞』シリーズなどで知られる荒牧慶彦さんと植田圭輔さんがW主演を務めた映画『プロジェクト・カグヤ』が公開中で...
望月ふみ 2025-11-09 11:45 エンタメ
【モンテ・クリスト伯】少年時代の興奮が蘇る復讐劇の大作
【孤独のキネマ】  モンテ・クリスト伯   ◇  ◇  ◇  子供のころ学校の図書館で「巌窟王」を読み、胸をわくわ...
2025-11-08 17:03 エンタメ
高市早苗さんが落選中、公開録画ゲスト審査員で来たときの“おもろい”エピソード
【お笑い界 偉人・奇人・変人伝】#265  高市早苗さん   ◇  ◇  ◇  憲政史上初めて女性の内閣総理大臣に...
2025-11-08 17:03 エンタメ
固定ファンがいるのに…“お金の事情”で時代劇は減る一方
【城下尊之 芸能界ぶっちゃけトーク】  前回のコラムで、昨今の映画やドラマ界は良い作品や人気シリーズを作りにくい環境で...
2025-11-08 17:03 エンタメ
佐野勇斗「ESCAPE」視聴率低迷でも評価上昇のワケ…テレビコラムニストが深掘り
 秋ドラマは中盤から後半へ。三谷幸喜脚本&菅田将暉(32)主演で前評判の高かった「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあ...
2025-11-08 17:03 エンタメ
光GENJIは全盛期でも年収3000万円なのに…同時期にジャニー&メリーが3億円超稼げていたワケ
 芸能界では経営陣とタレントで、なぜかくも収入に大きな差が出るのか。10月16日放送の「あの金どこいった?~逆転人生にか...
2025-11-08 17:03 エンタメ
名古屋主婦殺害事件は発生から26年で犯人逮捕…未解決事件を扱う番組が減ったのはなぜですか?
【テレビ局に代わり勝手に「情報開示」】  本当に、名古屋主婦殺害事件の容疑者逮捕には驚きました。いやー、まさにご遺族の...
2025-11-08 17:03 エンタメ
「ばけばけ」“女中”が意味するのはどっち? おトキ(髙石あかり)のうらめしい世の中は続く…
 ヘブン(トミー・バストウ)は錦織(吉沢亮)と一緒に借家へ引っ越しをしていた。新居に満足気なヘブンだったが、いまだ女中が...
桧山珠美 2025-11-08 12:45 エンタメ
“松本人志ファン”として言わせてください。『DOWNTOWN+』は天才的だった。だが「松本、動きました」はダサかった
 2024年1月から芸能活動を休止していたお笑いコンビ・ダウンタウンの松本人志(62歳)が、約1年10カ月ぶりに活動再開...
堺屋大地 2025-11-08 11:45 エンタメ
夏帆&竹内涼真「じゃあ、あんたが」ダントツ人気の“勝男”の脇で輝く「楽駆」がブレーク寸前!
 勢いが止まらない。夏帆(34)と竹内涼真(32=写真)がダブル主演のTBS系火曜ドラマ「じゃあ、あんたが作ってみろよ」...
2025-11-07 17:03 エンタメ
長女Cocomiに熱愛発覚…父キムタクがさらに抱える2つの「ちょ、待てよ」リスク
木村拓哉(52)と工藤静香(55)の長女でフルート奏者のCocomi(24)と、バレーボール日本代表の小川智大(29...
2025-11-07 17:03 エンタメ