スマスマ「月10」枠で解散後初の民放主演!
草彅剛(48)主演の「罠の戦争」(カンテレ・フジテレビ)が絶好調だ。草彅はSMAP解散後としては初めて民放で主演を務める。同ドラマ第1話は平均世帯視聴率9.3%、第2話では9.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と着実に数字をあげてきた。第1話放送終了後には、ハッシュタグ「#罠の戦争」がTwitter上で世界トレンド1位にもなっている。
SMAP時代に主演した「銭の戦争」「嘘の戦争」に続く「戦争シリーズ」第3弾を、事務所退所後に、それもフジ系の「SMAP×SMAP」(以下、スマスマ)放送枠だった「月10」で復活させたのも異例だ。初回放送日には今作のPRのため同局系の情報番組にハシゴ出演したことも話題となった。
香取慎吾、稲垣吾郎も“ジョイン”
今作のテーマ曲には同じく元SMAPで新しい地図のメンバーである香取慎吾(45)が韓流グループ・SEVENTEENとのコラボ曲「BETTING」で参加。各種配信チャートで1位を獲得し、10冠を達成している。
またドラマ放送中には、香取、そしてもう1人の新しい地図メンバーである稲垣吾郎(49)のCMも放送された。
16年にSMAPが解散し、17年にジャニーズ事務所を退所して以来、新しい地図の3人は人気・実力とは無関係の、圧力あるいは忖度によって、「テレビから干された」とたびたび報じられてきた。19年には、公正取引委員会がジャニーズ事務所に対し、「退所したSMAP元メンバー3人の番組起用を妨げるような働きかけがあった場合」は独占禁止法違反につながる恐れがあるとして「注意」している。
しかし3人は、自分たちの努力と実力で、本来いるべき場所に本格的にカムバックしようとしている。
「演技派・草彅剛」でも乏しい露出度
特に草彅は、ジャニーズ退所後、21年に主演映画「ミッドナイトスワン」で第44回日本アカデミー賞にて自身初となる最優秀主演男優賞を獲得。また、同年のNHK大河ドラマ「青天を衝け」でも徳川慶喜役での熱演が話題となり、「演技派・草彅剛ここにあり」を見せつけ、同時に、なぜそんな彼が「普通に」、テレビ、特に民放で見かけることがほとんどないのか、多くの視聴者に疑問を抱かせた。
そうした世間のざわめきが影響したのか、草彅が満を持して、民放ドラマに、それもジャニーズ時代からのシリーズものに復帰した。
草彅の怪演際立つ復讐劇
今作は「弱者による強き権力者への復讐劇」。勧善懲悪ものの今作では、やはり草彅の怪演が際立っている。草彅は命をかけて尽くしてきた政治家に裏切られた議員秘書・鷲津亨を演じる。
衆議院議員・犬飼孝介(本田博太郎・71)の敏腕秘書として堅実に仕事をこなしながらも、妻と息子を思いやる心温かい一面が多く描かれている。
そんな中、息子を政治的な思惑で歩道橋から突き落とされ、意識不明の重体に貶(おとし)められながら、事件ではなく事故ということにしてくれと懇願する犬飼への怒りで、鷲津は次第に人柄を変えていく。犬飼やその取り巻き達を罠にはめて復讐を仕掛けていくのだ。
見ている視聴者は、憎き犬飼らが鷲津によって次々とピンチに陥ったり、その地位から陥落していく様を胸がスカッとするように痛快に受け止めることができる。しかし、鷲津は、正義のヒーローとは言い難い。たとえ息子がどんな卑劣な手段で危害を加えられようとも、正々堂々とそのことを訴え闘うのではなく、あくまでも側近で味方のフリをしながら犬飼らに復讐をしかけていくのだ。
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