こうなって良かった
ドピュッ、ドピュッ!
濃厚なザーメンが私の乳房をめがけて、勢いよく噴射したんです。
――ああ……リク……嬉しい。
アクメを迎えて朦朧とする中、私は目をつむって心からの言葉を囁くと、リクは呼吸を整えながら、私にそっと口づけしてくれたんです。
その後、胸元に放出したザーメンをティッシュで拭ってくれ、私たちは抱き合いました。
――今、すごく幸せ……。『起きていることはすべて正しい』という言葉があるけど、私、こうなって良かった。これからもこうして時々リクに抱かれたい。
彼の腕の中で言うと、
――ありがとう。正直、今日で終わりかと思っていたけれど、ユイに救われた……。
彼もポツリと呟きました。
それから、再び私たちは愛し合い、2度目のエクスタシーを迎えたんです」
嘘から始まったけれど
――最後は幸せなお2人になって、聞いている私も救われました。リクさんとはその後、どうなっているのですか?
「彼、マッチングアプリはきっぱりやめると約束してくれました。そして、正式……と言っていいのかな……。お付き合いするようになったんです」
――それは良かったですね。
「はい、彼の居住地は北関東と言っていましたが、わりと都内に近い茨城県内に住んでいて、月に3回ほどデートをしているんですよ。
マッチングアプリのプロフィールにあったように、彼はドライブが趣味なので、星空や海を見たり、自然と触れ合うようなドライブデートが多いでしょうか。
そして、彼と同じ香水……名前は秘密ですが、ユニセックスの爽やかな香りをまとっています。
嘘から始まった恋ですが、今はとても幸せです。
彼のつらい過去は変えられませんが、過去との向き合い方ひとつで、人生は明るいものになる。彼が明るい未来を歩めるよう見守るつもりです」
――本当に良かったですね。
「ありがとうございます。自分がヨガ講師であることも幸いしました。
普段から深い呼吸を意識することで、精神のバランスをとったり、ニュートラルでいられるよう、さりげなく伝えています。
レズビアンに憧れた私でしたが、信じられない出会いってあるのですね。もちろん、今後は山あり谷ありでしょうが、それを乗り越えていきたいと思います」
――すべてを話してくれたA子さんの表情は晴れやかだ。
「起きていることはすべて正しい」と言い切ったA子さん。
その強く温かな瞳がいっそう輝きを増すよう、2人の幸せを深く願いたい。
(了)
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