竜星涼「スタンドUPスタート」敗因と中年期・反町隆史の宿命

ボルドー太田 イケメンソムリエ
更新日:2023-03-20 10:47
投稿日:2023-03-19 06:00

どうした!?「スタンドUPスタート」

 冬ドラマのなかで、ひそかに期待していたものの、残念な結果に終わってしまいそうなのが、「スタンドUPスタート」(フジテレビ系)です。主演の竜星涼(29)を筆頭に、反町隆史(49)、小泉孝太郎(44)、吉野北人(26)、水沢林太郎(20)といった新旧王道イケメンに加えて、小手伸也(49)、戸次重幸(49)、鈴木浩介(48)、高橋克実(61)、塚地武雅(51)とマニアックにはたまらない個性派イケメンを取り揃え、今期イチのイケメン結集ドラマとして、注目度大だったのです。始まる前までは。

 それが、どうしたことでしょう。初回平均世帯視聴率は第1話の4.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区・以下同)に始まり、3.8%、3.7%、3.2%、3.4%、3.3%、2.5%、3.0%、そして、最新の第9話が2.9%と、驚くような低さ。いくらドラマがリアルタイムで見られなくなったといっても、深夜ドラマよりも低いのですから、もはやお手上げ状態です。

「ちむどんどん」のニーニーのイメージが…

 それにしても竜星涼です。あの忌まわしき(!?)NHK朝ドラ「ちむどんどん」のニーニー以来、なんだかついていませんね。先日、ヒロインの黒島結菜(26)と夫役の宮沢氷魚(28)の“お泊り愛”が報じられていましたが、妹はちゃっかり彼氏をゲット、しかも、来年の大河ドラマ「光る君へ」への出演内定も決まって、公私ともにイケイケ状態。

民放に出演するちむどんどんメンバーたち

 もうひとりの妹、川口春奈(28)もご存じ、「silent」(フジ系)で大ブレイク。女優としてのランクがアップした感もあります。末妹を演じていた上白石萌歌(23)は今期ドラマ「警視庁アウトサイダー」(テレビ朝日系)に出演。西島秀俊(51)、濱田岳(34)という人気俳優2人の中に入って新人刑事として奮闘していましたが、こちらも凡ヒットの感は否めません。

 完全に「ちむどんどん」の呪縛から逃れられないニーニーと歌子(萌歌の役名)が心配でなりません。竜星さんにはぜひパワースポット巡りか、厄除け参りをオススメします。

よくできた人情ドラマだったが…

 話を「スタンドUPスタート」に戻します。竜星演じる「人間投資家」の三星大陽が、過去の栄光にすがる中年、就業経験のない専業主婦、就活に挫折した学生など、人生、うまくいかない人たちに投資し、起業のお手伝いをする物語です。

 大陽は大胆不敵で男気があり、人間が好きというキャラクターで、本来なら愛される主人公のはずなのですが、その明るさが「ちむどんどん」のニーニーとカブってしまっていて、番宣を見ただけで敬遠した視聴者も多かったのではないでしょうか。

 実際のドラマはよくできた人情ドラマなのですが、最初の段階で、「見ない」と選択されてしまったようです。

 兄(小泉孝太郎)との不仲、叔父(反町隆史)の裏切りなど、父親の会社をめぐる不穏な動きなど、いろいろ詰め込んでいるのですが、エンタメとして昇華できないところももったいなく……。

草彅剛主演「罠の戦争」のほうが明快だった

 嘘や裏切りのドラマは今期、草彅剛主演「罠の戦争」(フジ系)があり、あちらのほうがわかりやすくて、そのぶん楽しめます。

 それにしても、「GTO」で正義のヒーロー、鬼塚英吉をやっていた反町隆史が、悪を演じる日が来ようとは。これもイケメンの宿命でしょうか。というのも、イケメンの40代50代は大変なのです。

イケメンの中年期は難しい

 子役の声変わり時期と同様、イケメンの中年期は、王道の恋愛ドラマでは使われず、父親役か上司役でお茶を濁すか、映画でアウトローな役に挑むか。イケメンだけで仕事をとるのはそれほど難しいことなのです。

 でも、そこを乗り越えれば、いい俳優になれること間違いなし。三浦友和(71)がそのいい例でしょう。

 アイドル山口百恵(64)の相手役として俳優デビューし、画に描いたような好青年を演じていましたが、いつまでもその路線でやるのは難しく、石原軍団の刑事ドラマや2時間ドラマで活躍しながら、映画「松ヶ根乱射事件」や「葛城事件」などで問題ある父親を演じ、振り切った演技が話題に。

汚れ役からのイメージ脱却

 あの三浦友和がこんな汚れ役を、と“百恵友和”ドラマで育った世代は仰天したものですが、おかげで三浦友和はイケメンなのに芝居もうまい俳優として知られる存在になりました。反町隆史もそうなることを期待しております。

 ドラマはあと2回を残すのみ。同時間帯の日本テレビ系ドラマ「リバーサルオーケストラ」もめでたく終了したことですし、有終の美を飾っていただきたく、最後まで見守りましょう。

ボルドー太田
記事一覧
イケメンソムリエ
毎クールすべてのテレビドラマをチェックする最強のドラマウォッチャー。が、その目的がイケメンにあることは誰も知らない。

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


「あんぱん」石橋蓮司の“なりきりアンパンマン”が見れるとは! 登美子(松嶋菜々子)は毒親返上か
 のぶ(今田美桜)が撮ったミュージカルの写真を見ていた嵩(北村匠海)は、こっそり来ていた登美子(松嶋菜々子)が写った写真...
桧山珠美 2025-09-22 16:22 エンタメ
「あんぱん」嵩とヤムさんの再会にグッときた。でも顔をよく見たら…気になった“余計な”こと
 客席はたくさんの子どもたちで埋まり、その様子をカメラに収めるのぶ(今田美桜)。ミュージカルが終了すると、会場は大きな拍...
桧山珠美 2025-09-20 11:47 エンタメ
「あんぱん」のぶの“お手柄”総決算の回。ヤムさん(阿部サダヲ)と蘭子(河合優実)の繋がりは“前世”からの縁なのか?
 のぶ(今田美桜)は草吉(阿部サダヲ)にあんぱんを焼いてほしいと頭を下げるが、断られてしまう。蘭子(河合優実)からこのま...
桧山珠美 2025-09-18 17:16 エンタメ
加藤清史郎の“奇跡の成長”を「放送局占拠」で見た。寺田心ら子役出身者がイケメンになっている件
 加藤清史郎くんのイケメンぶりには目を見張るものがあります。現在、櫻井翔主演「放送局占拠」(日本テレビ)に出演しています...
『あんぱん』担当編集者の“セリフ”にモヤッ…。そしてメイコはまた歌うのだろうか
 ようやく世に出た絵本『あんぱんまん』は売れないままだった。それでものぶ(今田美桜)は、子どもたちに読み聞かせを続ける。...
桧山珠美 2025-10-06 16:33 エンタメ
Snow Manの1人勝ちに歯止めをかけるか?timeleszとSixTONES、激化する“2番手争い”の行方
 嵐の活動休止以降、長らくSTARTO ENTERTAINMENT(旧ジャニーズ事務所/以下SE社)は様々な指標でSno...
こじらぶ 2025-09-15 11:45 エンタメ
横浜流星が“レア動画”に降臨!でも…あれっ? 大河ドラマで「国民的俳優」となった代償か
 今年の大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』に主演し、興行収入120億円を突破して歴代実写邦画2位となった映画『国宝...
堺屋大地 2025-09-14 11:45 エンタメ
『あんぱん』津田健次郎に演技賞を差し上げたい。東海林の“最後”が完璧だった。ひとつだけ残念だったこと
 東海林(津田健次郎)の訪問からほどなくして、琴子(鳴海唯)から手紙が届く。そこには東海林が上京した本当の理由が書かれて...
桧山珠美 2025-09-13 11:30 エンタメ
『有吉の壁』ブーム期待も…人気キャラの“展開”に冷めた視線。番組の過剰な介入で萎えるファンの複雑心理
 日本テレビ・水曜7時からの人気番組『有吉の壁』(日本テレビ系)。なんとこの10月でレギュラー放送開始から5年半を越える...
『あんぱん』お色気や国民的アニメの時代、のぶの行為に子供は喜べるのだろうか
 のぶ(今田美桜)は八木(妻夫木聡)の会社で子どもたちに『あんぱんまん』の読み聞かせをすることに。だが、子どもたちは興味...
桧山珠美 2025-09-13 11:30 エンタメ
『あんぱん』あれっ、今“あんぱんまん”って言った? 開始2分で誕生。嵩の創作の苦悩が見たい
 嵩(北村匠海)は再び“おじさんあんぱんまん”の絵を描き始め、物語はほぼ完成する。原画を見つめながら、嵩の話に耳を傾ける...
桧山珠美 2025-09-13 11:35 エンタメ
【芸能クイズ】伊東市長で話題の東洋大学、フワちゃんは卒業済み。では同大学出身“ではない”有名人は?
 テレビやネットでふと耳にした、あのひとこと。記憶の片隅に残る発言の背景には、ちょっとした物語があるのかも?  ネ...
中島裕翔がJUMP電撃卒業。退社か残留か…山下智久、赤西仁、中島健人らの活動から“今後”を考察する
 8月28日、STARTO ENTERTAINMENT(旧ジャニーズ事務所/以下、SE社)は、Hey! Say! JUM...
こじらぶ 2025-09-07 11:45 エンタメ
『あんぱん』手嶋治虫をも魅了するのぶ、魔性の女では? ヤムおんちゃん「老けたな」が届かない若々しい美貌
 蘭子(河合優実)が柳井家に草吉(阿部サダヲ)を連れてくる。久々の再会に大喜びののぶ(今田美桜)たち。そのころ、手嶌(眞...
桧山珠美 2025-09-06 12:30 エンタメ
これぞロック! YOSHIKIのパクリ騒動、文句を言って何が悪い? “寛容”を強制する世間への反撃
 人気アニメ『ダンダダン』の劇中歌に対して、《何これ、XJAPANに聞こえない?》と自身のX(旧Twitter)に投稿し...
堺屋大地 2025-09-06 11:45 エンタメ
芸人の結婚で“ガチ恋”離れが加速中。非モテ「マユリカ」中谷は救世主となるか
 芸人の結婚ラッシュがやってきている。メイプル超合金・カズレーザーと二階堂ふみの結婚をはじめ、令和ロマン・松井ケムリやは...
帽子田 2025-09-04 11:45 エンタメ