姉弟で結婚!? 「家政婦は見た!」ばりに聞き耳たてる竹雄(志尊淳)

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2023-04-25 18:58
投稿日:2023-04-25 16:20

NHK朝ドラ「らんまん」~第4週「ササユリ」#17

「植物学は嫌いになりました」と本心を偽ってタキ(松坂慶子)に告げた万太郎(神木隆之介)。植物学への想いを封印し、当主として家業に励もうとするが、そんな万太郎の姿に耐えきれなくなった竹雄(志尊淳)が東京で自分が「植物学か峰屋か」と迫ったことをタキに打ち明ける――。

【本日のツボ】

「おまんらふたり、夫婦(めおと)になれ」(タキの台詞)

 竹雄の話を聞き、万太郎の植物学への情熱に改めて思い知った祖母タキ。何を言い出すかと思いきや、綾(佐久間由衣)と万太郎を結婚させる仰天プランを打ち出した。いくらなんでもそれはなしでしょ、と視聴者の誰もが驚いた瞬間、「おまんらは姉弟じゃないき。本当はいとこ同士じゃ」とタキの口から告げられました。

「本家を絶やさず峰屋を盛り立てる。それがわしらの役目じゃ」と毅然と言い放つタキに、「ばあちゃん、無理じゃ。ねえちゃんはねえちゃんじゃ。わし、ねえちゃんとは夫婦になれん」と万太郎、綾も「わたしらにも心がありますき」と訴えるも貸す耳をもたないタキ。

 植物学が忘れられない万太郎と家業に熱心な綾に対して、「おまんらはいびつなんじゃ。綾やったら誰よりもおまんのことをわかって峰屋を盛り立てていける、峰屋にとってこれ以上ないおなごじゃ。万太郎と添い遂げるんやったらお前はずっとこの家におってええ。ふたりとも聞き分けろ。これはわしの願いじゃ。峰屋に育てて貰うた恩を忘れな」と。

おっとり口調のほんわかムード

 祝言は夏の間に終わらせると強引過ぎるタキ。余談ですが、本来ならこの手の強引ばあさんは炎上しそうですが、演じる松坂慶子がおっとり口調のほんわかムードなもので、あまり嫌な感じがしないのは令和の朝ドラならではでしょう。

「おしん」の姑を演じた高森和子は、「おしんをいじめるな」と随分、抗議が殺到したとか。今なら炎上必至です。

 そんなタキに「それでもこれだけは言わせて。万太郎は弟じゃ、弟に添うがは無理じゃき。私にも好きな相手ぐらいおったがよ」と家を飛び出してしまう綾。廊下で、「家政婦は見た!」の市原悦子ばりに聞き耳をたてていた竹雄を一瞥しそのまま去ってしまいました。

 綾の想い人が竹雄ではないことを確信する回でもありました。果たして、竹雄が東京土産にと綾のために買ったかんざしを渡せる日はくるのでしょうか。

桧山珠美
記事一覧
TVコラムニスト
大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。読売新聞「アンテナ」、放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


地殻変動!下剋上球児、うちの弁護士…視聴率では見えないバズり作品は
 シリーズものを除いた主要民放プライム帯ドラマ全12作の全話平均視聴率が5.9%(ビデオリサーチ調べ・関東地区・世帯=以...
こじらぶ 2023-11-25 06:00 エンタメ
ゴンベエ(宇野祥平)の素性が明らかに…上方新喜劇ばりの人情劇がグー
 ツヤ(水川あさみ)が亡くなり、スズ子(趣里)は梅吉(柳葉敏郎)と今後のはな湯をどのようにしていくか相談する。  ...
桧山珠美 2023-11-24 16:11 エンタメ
母ツヤ(水川あさみ)笑顔の最期、「ナレ死」に救われた
 大阪に戻ってきたスズ子(趣里)は病床のツヤ(水川あさみ)と再会する。ツヤの病状のことを受け止めきれないスズ子は、梅吉(...
桧山珠美 2023-11-23 16:05 エンタメ
六郎役・黒崎煌代の将来性、母ツヤとやり取りに泣けて泣けて笑える
 六郎(黒崎煌代)の出征の日がせまり、六郎は頭を丸め恥ずかしそうにしている。相変わらず体調が悪いツヤ(水川あさみ)は専門...
桧山珠美 2023-11-21 17:30 エンタメ
「下剋上球児」で“令和のキムタク”になりそうなイケメン俳優は?
 2019年のドラマ、「3年A組-今から皆さんは、人質です」(日本テレビ系)を覚えていますか?  菅田将暉が教師役...
「らんまん」のデジャヴ? ヤバ藤化するダンサーの中山、秋山逃げて~
 内緒の話があると松永(新納慎也)から呼び出されたスズ子(趣里)は、梅丸のライバルである日宝に一緒に移籍しないかと誘われ...
桧山珠美 2023-11-14 16:15 エンタメ
木下優樹菜から迸るガチヤンキー魂!前言撤回、TV再登場するタチの悪さ
木下優樹菜様(元タレント・35歳)  やっぱりユッキーナ(木下優樹菜)様のヤンキー魂には惚れ惚れしてしまいます。 ...
堺屋大地 2023-11-14 06:00 エンタメ
市川染五郎は眉毛、堅あげポテト、ラ・マンチャの男なくしては語れない
 先日、歌舞伎で「ルパン三世」をやることが報じられました。題して、新作歌舞伎「流白浪燦星(ルパン三世)」。  ルパ...
上原多香子は不倫を繰り返す“恋愛単発ドラマ”の女王!続編不要体質の業
上原多香子様(女優、美容家・40歳)  元SPEEDの上原多香子様は、あまり役者業のイメージはないと思いますが、す...
堺屋大地 2023-11-14 16:23 エンタメ
スズ子覚醒!茨田りつ子(菊地凛子)と渋谷のり子の表情がオーバラップ
 歌うコツを掴んだスズ子(趣里)は、羽鳥善一(草彅剛)とのレッスンを続け、その歌声はぐんと熱を帯びてきていた。  ...
桧山珠美 2023-11-10 14:30 エンタメ
“おぼこ娘2人”の初々しい恋バナ! つよぽん演じる羽鳥は「まさに笑う鬼」
 スズ子(趣里)と羽鳥善一(草彅剛)の厳しいレッスンは相変わらず続いている。しかし、羽鳥はスズ子の歌に相変わらず満足しな...
桧山珠美 2023-11-09 15:46 エンタメ
BLACKPINKの再契約なるか?「7年目のジンクス」結末に4つのシナリオ
 世界的なK‐POPブームの昨今。「コクハク」読者の中にも、K-POPにハマっている方も多いのではないでしょうか? ...
2023-11-09 06:00 エンタメ
「マイホームヒーロー」を嗜む!なにわ男子高橋“俳優武者修業”に高好感度
 すっかり忘れていました。佐々木蔵之介(55)の存在を。最後の独身大物俳優などと言われ、過去には、小野真弓や丸山桂里奈な...
大和玲子(蒼井優)の戒名に「礼」と「優」、位牌の細部にまで抜かりなし
 スズ子(趣里)たちは、大和礼子(蒼井優)が出産後に病院で亡くなったと知らされる。スズ子はお別れの会で、大和が梅丸少女歌...
桧山珠美 2023-11-03 14:30 エンタメ
スズ子のナレ出世、股野のナレ求婚…感動のシーンを描いて欲しかった!
 昭和12年、スズ子(趣里)が香川から戻ってきて3年。梅丸少女歌劇団は、秋山(伊原六花)のタップダンスとスズ子の歌を二本...
桧山珠美 2023-11-01 15:37 エンタメ
SMILE-UP.(旧ジャニ)俳優部の演技&将来性、飛躍の片鱗見せたの誰?
 嵐の二宮和也(40)がSMILE-UP.(旧ジャニーズ)からの独立を発表しました。  中丸雄一、山田涼介、菊池風...