4. しつこい肩こりには漢方もおすすめ
肩こりには、漢方薬で内側からアプローチをするのも効果的です。
漢方薬は、こりの緩和と根本原因の改善の両方に働きかけるので、しつこい肩こりでお悩みの方にはとくにおすすめといえるでしょう。
肩こりの原因としては、冷えや血行不良、過労、ストレス、水分代謝の乱れなどが考えられます。改善するには、肩こりの痛みに対しての鎮痛作用に加えて、
・血流をよくして肩の筋肉をほぐす
・からだを温めて筋肉をゆるめる
・肩の筋肉に栄養や酸素を届けて疲労を軽減する
・自律神経のバランスを整え、ストレスが原因の肩のこりを軽減する
・水分の循環をよくして老廃物や疲労物質を排出する
といった働きをもつ漢方薬を選び、根本改善を目指します。
バランスのとれた食事や運動などを毎日続けるのは苦手という方も、症状や体質に合った漢方薬を毎日飲むだけなので、継続しやすいのもメリットです。
ここからは、肩こりでお悩みの方におすすめの漢方薬をご紹介します。
<肩こりでお悩みの方におすすめの漢方薬>
4-1. 大柴胡湯(だいさいことう)
気(エネルギー)の流れを整えることで、気の滞りによる肩こりや頭痛に働きかけます。比較的体力があり、便秘がちで上腹部が張って苦しい方におすすめです。
4-2. 二朮湯(にじゅつとう)
水分の循環をよくして肩にたまった余分な水分を排出することで、肩の痛みを和らげます。肩や上腕が重く、だるい方におすすめです。
4-3. 葛根湯(かっこんとう)
筋肉に潤いを与え、引きつりや痙攣を和らげるため、肩や首のこりに用いられます。比較的体力のある方におすすめです。
漢方薬を選ぶ際には、自分の体質に合ったものを選ぶことが大切です。体質に合っていない場合、効果が出ないだけでなく副作用が起きることもあります。購入時には、できる限り漢方に精通した医師、薬剤師にご相談ください。
最近では、スマホで気軽に専門家に相談できるオンライン個別相談も話題です。相談から購入までスマホで完結できるので、対面では話しづらいことも気軽に相談できます。
また、漢方薬はお手頃価格で自宅まで届くので、不調を改善したい方は医薬品の漢方をチェックしてみましょう。
5. しつこい肩こりはからだの内側からケアしよう
「しつこい肩こりは、そもそもの原因をケアするほうがいいんですね。勉強になりました!」
えりのボスの話を、うなずきながら聞く一美さん。
「よかったわ。まずは肩こり対策ができる生活習慣を意識してみて。ほかにも、専門家に相談して漢方薬での体質改善もおすすめよ」
「もう肩こりにはうんざりなので、さっそく生活習慣の改善と漢方薬をはじめようと思います」
そう言って、一美さんはサロンを後にしました。
「ええ、また気になることがあったら、いつでもサロンへいらっしゃい」
一美さんの肩こりが1日でも早く改善されることを願う、えりのボスでした。
★サロン「コクハク」のオーナー えりの
顔と口調は若いものの、年齢不詳。タヌキか妖怪の噂も囁かれる謎めいた主人だが、ココロやカラダ、健康に関する知識はズバ抜けており、何気にハイスペック。ムスメ時代に苦労してるため、自分より“後輩”の女にはしあわせになって欲しいと願っている。愛称は、えりのボス。
(漫画/腹肉ツヤ子)
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<この記事の監修者>
あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 碇 純子(いかり・すみこ)
薬剤師・漢方薬生薬認定薬剤師/薬学修士/博士(理学) 。神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。
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