屈指の“顔面偏差値”を誇ったキンプリ
「まだサヨナラ言うには 全然早すぎるのに」
King & Prince(以下、キンプリ)が5年歌い紡いできたデビュー曲「シンデレラガール」の一節。この5年で幾度となく見聴きされてきたが、昨年11月にグループから3人の脱退が発表されて以降、ファンにとって痛切に胸を刺すフレーズとなった。
5月22日をもってキンプリから平野紫耀(26)、岸優太(27)、神宮寺勇太(25)が脱退。平野と神宮寺は同日付で、個人仕事を残す岸は9月30日付けでジャニーズ事務所から退所し、キンプリは永瀬廉(24)と髙橋海人(24)の2人ユニットとして存続することになった。
18年に岩橋玄樹(26)を含めた6人でCDデビューを飾ったキンプリ。ジャニーズ史上でも屈指の“顔面偏差値”の高さで、華のある人気ジャニーズJr.オールスター選抜だった。
センターの平野出演ドラマ主題歌「シンデレラガール」で非の打ち所がないデビューを飾ったキンプリは、きっとSMAPや嵐のような、あるいはそれ以上の国民的人気グループになれるのではと期待された。
デビュー後すぐに岩橋が体調不良により活動休止となり、のちに脱退・退所となったのは痛かったが、それでもまだまだ全員人気者選抜だった。
平野紫耀の連ドラ主演は3本だけ
しかし、キンプリは人気や実力とは別の何か違う力が働いたかのように、露出はやや控えめになっていった。平野がデビュー以降出演した連続ドラマは、脱退が放送期間中に報じられた22年の「クロサギ」(TBS系)を含め3本しかない。
他に映画出演などがあるにしても、近年、各種“好きなジャニーズランキング”で木村拓哉(50)や嵐のメンバーを押さえ1位に君臨することが多かった平野にしては明らかに少ない。
また後発デビュー組が次々と先に冠番組を持つ中で、キンプリはデビューから3年半かかって22年1月からようやく「King & Princeる。」(日本テレビ系)のレギュラー放送が開始された。
全員カッコ良くて全員面白いキンプリのことだから、始まりさえすればさらに全員の個性が発揮され、一般認知度も高まるだろう、と思っていたら同年中に3人の脱退発表があった。結局同番組は今月、わずか1年半で終了してしまった。
キラキラアイドルから本格派アーティスト路線へ
これだけでも「まだサヨナラ言うには 全然早すぎるのに」と思わされるが、その思いを最も強くさせるのが彼らの本業である楽曲パフォーマンスだ。
デビュー当初こそ王道キラキラアイドル路線だったが、近年は世界進出を本気で目指していたキンプリらしく、楽曲制作に世界的プロデューサーや振付師を迎えるなど、本格派アーティスト路線へと傾倒していった。
平野、髙橋を中心に高いダンススキルでこれまでのジャニーズアイドルのイメージを刷新。5人がさらなる鍛錬を積めば世界進出も夢ではない、と思わせてくれた。多くの人に、まだまだこれからを見続けたいと思わせる存在だった。
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