上手い下手ではなく、コミュニケーションの有無が満足度を決める
「私は相手の身体や心を傷つけたくないから、その点をすごく気をつけているけど、ストレートの友人はあまり気にしていない人も多いと感じるんだよね。
結婚した友人のセックスレスのお悩みを耳にしたりするけど、全然セックスについて話し合わないんだって。私からしてみたら、それじゃあうまくいくわけがないよって思う。
性的嗜好に限らず、その時どうしたいかって時々で変わるじゃない。長年一緒にいたとしても、折に触れて確認し合うべきでしょ?」
彼は大人になるまで周りに自身の性を隠してきた人で、周りの変化や人の気持ちによく気がつく人でもある。
「本当にセックスが上手い人って、こういう人なんだろうなあ」とつぶやいたら、彼は笑って返した。
「そもそも、私はセックスに上手い下手なんてないと思ってるよ。だって、サイズは大きいのが好きな人もいるし、そうじゃない人もいる。
どんなふうにセックスしたいかだって、それぞれでしょ。私はセックスが上手いんじゃないくて、ただコミュニケーションをサボりたくないだけ」
HOWTO本より目の前の大切な人の気持ちが真実
ネットの海には「セックスが上手い男性の特徴◯選」とか「上手な前戯のやり方」がまとめられた記事が転がっているけれど、それを読んでも、相手にフィットしなければ刺さらない。
友人はそういったHOWTOを記事で学べなかったからこそ、相手との交流で正解を導き出していた。
ネットで検索すれば、なんでもまとめが出てくるのも困りものかもしれない。そんなものがあるから、目の前の人に意見を聞くのではなく、自分とネットとの意見だけで問題が解決された気になってしまう。
何をされたら嫌か、何をされたら嬉しいかは人ぞれぞれ。それなのに、なんとなく本人には聞きづらくて、曖昧にして終わりにしてしまう。
だから、セックスレスは深刻化していく。
正解は当事者同士で見つけていくもの
「私は聞きづらいって思ったこと、ないんだよね。だって、相手の気持ちを知れるのって、お互いにとって嬉しいはずだから。
ゲイ向けの性教材があったらって思うことはあるけど、正解は結局、2人で見つけていくものだから。自分の中にタブー意識があるから、人にも言いづらいのかもよ」
友人はそうアドバイスしてくれた。パートナーとの暮らしや性生活には、コミュニケーションが不可欠。分かっているようで忘れてしまいそうなことを、思い出させてもらった素敵な夜になった。
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