「高藤(伊礼彼方)赤っ恥」の巻! 画面を飾ったユウガオ姫の純白ドレス

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2023-06-18 15:39
投稿日:2023-06-17 06:00

NHK朝ドラ「らんまん」~第11週「ユウガオ」#55

 万太郎(神木隆之介)から預かった釣書を一刻も早く持っていきたい大畑(奥田瑛二)だったが、仏滅では縁起が悪いと妻イチ(鶴田真由)に止められ、大安の翌日早朝に白梅堂へ向かい、菓子職人の文太(池内万作)に釣書と完成したばかりの学会誌を手渡した。

 この日は、舞踏練習会の発足式。来賓の前で高藤(伊礼彼方)とダンスを披露した寿恵子(浜辺美波)だが、その後、高藤の申し出をきっぱり断り、屋敷を後にする……。

【本日のツボ】

「みっともない!」(高藤の妻・弥江の台詞)

 舞踏会で自分の思惑通り、寿恵子とのダンスを見せつけた高藤。すっかり高揚し、得意満面に、「どうです。これが鹿鳴館の日本人の姿です」とアピール。「我が国を認めさせ、屈辱の不平等条約を撤廃し、今度は我が国こそが他国に出ていくのです! 西洋諸国がそうしてきたように」と。

 これを聞いたクララ先生(アナンダ・ジェイコブズ)、「そのためにダンスを教えたわけじゃない」と訴えると、「何が違う。あなた方と同じことをするだけですよ」と詰め寄り、聞く耳を持たず。

「この場にいる私たちこそが民草を導いてゆくのです!」と寿恵子の手を取ります。

 その手を払った寿恵子に「恐れずとも大丈夫ですよ。あなたは生まれ変わる」と言うも、寿恵子にまで反旗を翻される始末。「高藤様、失礼します」と部屋を出ていく寿恵子に、「待ちなさい、戻りなさい、寿恵子。お前と私は……」と未練がましい高藤に、「みっともない!」と妻・弥江(梅舟惟永)がビシッと。

「男と女が対等と仰るけれど、あなたはすぐそばにいる女さえ目に入っていない。この国の行く末を描くのに、女の考えは聞こうともしない。どうぞお好きなだけお仲間と踊ってらしたら」と啖呵を切って、クララ先生に「行きましょう」と声を掛ける。

 弥江の後を追に続く女性たち。そして、男だけが残ります。

高藤雅修、赤っ恥の巻

 高藤、赤っ恥の巻。寿恵子だけでなく、妻にまで公衆の面前で恥をかかされ、プライドがズタボロに。高藤のメンタルが心配です。

 それにしても、これまで能面のように無表情だった高藤の妻・弥江が寿恵子の「心のまま」の言葉に呼応し、表情にだんだんと色がついて、時には笑顔を見せ、最後に夫を叱りつけたのはお見事! 高藤家は妻に任せたほうがよさそうです。

 いつも馬車で通っていた高藤家から走って万太郎の長屋にやってきた寿恵子。どんだけ健脚なんだ、というのは別にして、ユウガオのお姫様の純白のドレスはウエディングドレスだったのか、と。

 めでたしめでたし。

桧山珠美
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TVコラムニスト
大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

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