更新日:2023-07-28 10:39
投稿日:2023-07-21 06:00
再会は運命だったと確信
私はさも驚いたように、目をしばたたかせました。同時に、『彼との再会は、やはり運命だ』との思いが強まりましたね。
――僕に当たり散らされるのはいいんだ。だけど、こないだは『風呂に入りたくない』と拒むユリを、無理やり風呂場に引きずり込んで頭からシャワーをかけたんだよ。さすがに怒鳴ってさ……。
すると『あなたは男だから、妊婦の気持ちなんてわからないのよ』って、泣き出して……。ユリも母親につられてギャン泣きするし、正直、家にいるのが苦痛なんだ。
うつむくユウキは、心底まいっているようでした。私は内心、大笑いです。
(私を選んでいれば、こんな目に遭わなかったのにね)
でも、そんな心情はおくびにも出しません。
――何かあったらいつでもLINEして。うちの主人は出張がちだし、育児には母や妹も協力してくれるから、私でよければ力になるわ。
ちょっと涙ぐむ演技をして、彼への心配をアピールしたんです。すると、
――ありがとう。今になって、俺……後悔してる。バカだったな。
――えっ、後悔って?
元恋人が語った衝撃の事実
私は彼の顔を覗き込みました。
――いや……言ったところで、何が変わるわけでもないし……。
――聞かせて。
少し間をおいて、ユウキがため息交じりに話し出したんです。
――気を悪くしないでくれよ。音大に進んだアミが頑張っているのは理解していた。でも、やはり以前のように気軽に会えないし、環境も変わって、自分でも周囲に置いていかれないように必死だった。
そんな時、ヨウコから連絡があって、『アミが音大の指揮科の男性と銀座で食事してるのを見た』と言われたんだ。指揮科と言えばエリートだろう? とても太刀打ちできなくて……。
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