「倉木さん、大好きじゃ」万太郎の別れの挨拶、チョイスが絶妙!

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2023-08-14 15:55
投稿日:2023-08-14 15:55

NHK朝ドラ「らんまん」~第20週「キレンゲショウマ」#96

 万太郎(神木隆之介)のもとに、土佐の小学校教師たちから植物についてたずねる手紙と標本が届くようになる。

 それから3年が経ち、寿恵子(浜辺美波)は、幼い子ども2人を育てながら、お腹には新しい命を授かっていた。万太郎は全国の植物愛好家たちと手紙のやりとりをするようになっていた。

 十徳長屋の人たちもそれぞれ新天地へ。残ったのは師匠(住田隆)と万太郎一家。一家は空いた部屋を借りて仕事場に。

 ある日、波多野(前原滉)と藤丸(前原瑞樹)がやってきて、東大版「大日本植物図解」と「植物学会誌」の新しい号を持ってきた。植物の話で盛り上がっているところへ、借金取り(六平直政)がやってくる。

【本日のツボ】

「倉木さん、大好きじゃ」(万太郎)

 ※※以下、ネタバレあります※※

 講師の仕事が決まり、妻を迎えて部屋を出て行く丈之助(山脇辰哉)。置き土産にと万太郎に「草花の名前教え申す」と書いた文面を渡して、新聞広告を出すようにとアイデアをくれました。

 小春(山本花帆)は女中奉公に出ることになり、宇久時(池田鉄洋)とゆう(山谷花純)は夫婦となって、新居へ移り、倉木(大東駿介)は運送の仕事が決まり、鉄道近くの社員寮へ。

 万太郎はこれまでのお礼を述べ、倉木を手招きし、「倉木さん、大好きじゃ」と。これに「うるせぇよ」と倉木。ふたりの最初の出会いが、置き引き(倉木)と被害者(万太郎)だったなんて、すっかり忘れてしまうほどの親密ぶり。

 にしても、お別れに「大好きじゃ」をチョイスする万太郎の人たらしぶりはさすが。こういう茶目っ気が愛される秘訣なのでしょうか。

 十徳長屋に残ったのは、差支配人のりん(安藤玉恵)と、落語家師匠、そして万太郎一家のみとなって、一気に寂しくなりました。

今度はなすびが登場!

 もっとも万太郎にとっては好都合のようで、空いた部屋をもう一部屋借りて、全国から届く植物の標本置き場を確保した模様です。

 郵便局員のジョイマン高木に続き、今度は配達員のなすびが登場。そういえば、大畑印刷所の絵師・岩下登場の際、ネット界隈で「なすび?」と盛り上がりました。

 これを踏まえての「なすび」起用だとしたら、なんという遊び心! これから先もまだまだ油断はなりません。

桧山珠美
記事一覧
TVコラムニスト
大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


Number_iとキンプリ、年末特番での共演はあるか? 山下智久&赤西仁に見る“脱退グループ”との関係性
 2025年も年末が近づき、音楽特番への出演者発表でそれぞれのアーティストのファンが盛り上がりを見せている。そんな中、注...
こじらぶ 2025-11-13 11:45 エンタメ
【芸能クイズ】難易度高い!? 藤岡弘、の「直筆メッセージ入りマグカップ」に書かれている四字熟語は?
 テレビやネットでふと耳にした、あのひとこと。記憶の片隅に残る発言の背景には、ちょっとした物語があるのかも?  ネ...
坂口健太郎の“二股報道”に僕が驚かなかった理由。炎上覚悟で女性に伝えたい2つのこと
 9月に「週刊文春」で、俳優・永野芽郁と年上ヘアメイク恋人の二股スキャンダルを報じられた坂口健太郎(34歳)。坂口には“...
堺屋大地 2025-11-11 11:45 エンタメ
「ばけばけ」トキ(髙石あかり)の“腕が太い”は伏線があったのか! 以前の台詞が活きていた
 ヘブン(トミー・バストウ)の女中になる決意をした、トキ(髙石あかり)。錦織(吉沢亮)の立ち会いのもと、トキはヘブンに女...
桧山珠美 2025-11-10 17:19 エンタメ
ああ、日曜は悩ましい。神尾楓珠の胸キュンか、及川光博のほっこりか…どっちのドラマをリアタイすべき?
 日曜の夜が悩まし過ぎて困っています。  というのも、「すべての恋が終わるとしても」(テレビ朝日系)と「ぼくたちん...
荒牧慶彦&植田圭輔、気心の知れた相手だから、自然でいられる。W主演で見えた“素のふたり”の関係性
 舞台『刀剣乱舞』シリーズなどで知られる荒牧慶彦さんと植田圭輔さんがW主演を務めた映画『プロジェクト・カグヤ』が公開中で...
望月ふみ 2025-11-09 11:45 エンタメ
「ばけばけ」“女中”が意味するのはどっち? おトキ(髙石あかり)のうらめしい世の中は続く…
 ヘブン(トミー・バストウ)は錦織(吉沢亮)と一緒に借家へ引っ越しをしていた。新居に満足気なヘブンだったが、いまだ女中が...
桧山珠美 2025-11-08 12:45 エンタメ
“松本人志ファン”として言わせてください。『DOWNTOWN+』は天才的だった。だが「松本、動きました」はダサかった
 2024年1月から芸能活動を休止していたお笑いコンビ・ダウンタウンの松本人志(62歳)が、約1年10カ月ぶりに活動再開...
堺屋大地 2025-11-08 11:45 エンタメ
『ラブ トランジット』3、ついに決断の瞬間! 永遠のテーマ「良い人だけど付き合えるか」問題がリアルすぎ【8話レビュー】
『ラブ トランジット』シーズン3(Prime Video)、最終話が配信されました! 『ラブ トランジット』(以下ラブト...
中村未来 2025-11-07 11:45 エンタメ
『ラブ トランジット』3、恋愛って“物わかりの良い女”より“ゴリ押し”が勝ったりするよね【7話レビュー】
『ラブ トランジット』シーズン3(Prime Video)が7話目までが配信されました! 『ラブ トランジット』(以下ラ...
中村未来 2025-11-06 11:45 エンタメ
「ばけばけ」ラスト、タエ(北川景子)の姿に衝撃…!一方、錦織(吉沢亮)はいつ“相棒”になれるのか
 平太(生瀬勝久)とのケンカから、旅館を出て家を借りて暮らしたいヘブン(トミー・バストウ)。その世話をする女中探しを任さ...
桧山珠美 2025-11-05 17:25 エンタメ
近年の『M-1グランプリ』は優勝より過程が面白い?『タイプロ』のような“熱狂”が生まれる理由
 年末の風物詩『M-1グランプリ』(ABC・テレビ朝日系)。8月から1回戦が開始し、現在早くも3回戦の真っただ中です。 ...
「ばけばけ」錦織(吉沢亮)、バカ正直にもほどがあるぞ。“どっちもできる女中”ゲスい要望がやりきれない
 トキ(髙石あかり)はフミ(池脇千鶴)と花田旅館にしじみを売りに来たところ、ヘブン(トミー・バストウ)と平太(生瀬勝久)...
桧山珠美 2025-11-04 18:15 エンタメ
オダギリジョー「納得した仕事しか受けない」というこだわり。芸術家から犬の役まで!? “個性爆発”する作品5選
 2021年にNHKで放送が始まったテレビドラマ『オリバーな犬、(GOSH!!)このヤロウ』が、現在、映画版となって絶賛...
zash 2025-11-05 14:37 エンタメ
窪塚洋介「すべて変わっても、直感だけは変わらない」俳優30年、次元を超えてもブレない“自分軸”
 1995年に俳優デビューし、今年は活動30周年を迎えた窪塚洋介さん(46歳)。現在、松田龍平さんとW主演を務める映画『...
望月ふみ 2025-11-02 11:45 エンタメ
「ばけばけ」トキ(髙石あかり)の“違和感”、その正体が判明。運命の鐘ではなかったけれど
 ヘブン(トミー・バストウ)の初登校前日。いまだヘブンとコミュニケーションがとれず焦る錦織(吉沢亮)は、知事(佐野史郎)...
桧山珠美 2025-11-01 12:45 エンタメ