「レチノール」って大丈夫? シミ・シワに“ほどほどケア”で取り入れたい

コクハク編集部
更新日:2023-09-07 06:00
投稿日:2023-09-07 06:00
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、ちょっとした有名人。でもって、タヌキか妖怪の噂も囁かれるなか、健康に関する知識はズバ抜けている――。
 そんなえりのボスのもとにはウワサを聞きつけ、今日も悩みを抱えた女性が、ふらりと立ち寄ったようですよ。

1. 日焼け止めを塗らないまま外出して、お顔のケアを変えないのは罪…!?

 博美さん(34歳女性/仮名)からのご相談です。

「久しぶりに同窓会に行ったら、友人たちと比べてあまりにも自分だけ肌の劣化を感じたんです。シミやあご周りのシワなどがとても目立っていて、すぐにでもケアを始めたいのにやり方もわからなくて……」

 暗い表情の博美さんに、えりのボスは大きくうなずきます。

「同窓会に行くと、つい周りと比較してしまうわよね。急いで何かしなければと焦ってしまう気持ちもよくわかるわ」

「肌のきれいな友人に相談してみたら『レチノールを使ってみればいいんじゃない?』とアドバイスされました。でも、レチノールについて何も知らなくて、ますます不安になってしまって……」

 焦る博美さんに、えりのボスは答えました。

レチノールはビタミンAの一種で、ターンオーバーを促したり、肌のコラーゲンやヒアルロン酸を増やしたりする効果が期待できる成分よ。シミやシワにアプローチできる成分として人気を集めているわ」

「まさに今の私の肌悩みにぴったりですね。レチノールについてもっと詳しく教えてください!」

 これは放っておけません!

2. レチノール使用の際は「紫外線対策」がカギ

レチノールは、飲むタイプと塗るタイプの2種類があるわ。ビタミンA配合の医薬品やサプリメントなどの飲むタイプ、レチノール配合スキンケアや処方薬のトレチノインなどの塗るタイプね。

 レチノールには合う合わないがあって、さらに使い方にも注意が必要だから、よくわからないまま始めるのはおすすめしないわね」

「たくさん種類がありますね。レチノールには、どんな注意点があるのですか?」

 えりのボスの説明に、興味津々の博美さん。

「たとえば、処方薬のトレチノインはシミやシワ、ニキビの治療薬として使われているけれど、使用量を間違えると赤みやかゆみ、乾燥などの副作用が過剰に出てしまうことがあるわ。飲むタイプの場合、ビタミンAは脂溶性ビタミンだから、摂取量に気をつける必要があるわね」

 塗るタイプは、市販のスキンケア製品だけでなく、医療機関専売品や医師の処方が必要な高濃度のものがあります。

 人によっては「レチノイド反応(通称:A反応)」によって乾燥感や皮むけ、赤み、かゆみなどが起きる可能性があるため、レチノール配合製品は慎重に使いましょう。

肌が敏感になる

 また、レチノール使用中は肌が敏感になり、紫外線ダメージを受けやすくなります。日焼け止めは欠かさず肌に塗り、しっかりと紫外線対策を行いましょう。

 飲むタイプの場合、成人女性の1日の推奨摂取量は650~700μgRAE(マイクログラムRAE、※RAEはレチノールの特別単位)です。

 ビタミンAは体内に蓄積しやすいため、耐容上限量である2,700μgRAE(マイクログラムRAE)を超えないように気をつけましょう。摂取のタイミングは、食事の油と混ざり、吸収がよくなる食後がおすすめです。

「レチノールを使うのって大変そうですね。私にもできるのかしら……」

 少し不安そうな博美さんに、えりのボスが話します。

「ケア方法は人それぞれ。レチノールを使うのはひとつの手段よ。友人もレチノールだけで美しくなっているのではなくて、これから紹介するようなことも影響していると思うわ」

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

ビューティー 新着一覧


歳は取るもの、尿はちょい漏れるもの!? 40代向け尿漏れ対策に取り入れたいセルフケア【薬剤師解説】
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
【美容のウソ・ホント】顔マッサージを毎日するのはOK?NG?医師3人の見解は/専門家監修
 SNSにさまざまな情報が溢れている昨今。美容について発信するアカウントも多く存在し、なかには同じテーマでも相反する意見...
40代、ほうれい線が目立つよ…。王道人気のヒアルロン酸は回数限定!?【抗加齢学会正会員の女医が解説】
 東京・赤坂にある「イートップクリニック」院長で抗加齢学会正会員の医師、増田えりかと申します。この連載では美容医療“若葉...
古い下着は運気を下がるだけじゃない!風水的には「寿命3年、処分時に感謝」、ビジュの見極めは?
 皆さんは、同じ下着を何年くらい使いますか? 半年で替える人もいれば、3年以上使っている人もいますよね。実は、風水では古...
40代こそおすすめ!進化続行中のオルチャンメイクで女っぷりを底上げしましょ♡
 オルチャンメイクといえば、どうしても可愛らしい印象が強くて「40代には向いていない」と思っている人は多いはず。でも、オ...
豊胸の覚悟までは…【薬剤師監修】30代からの理想のブラジャー選びと5つの育乳方法
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
産婦人科医の「腟ヒアルロン酸」セミナーに潜入! 感度が高まるって本当? 女性への実技も見学してきた
 目元のシワやほうれい線、眼頭下から頬中央まで斜め下方に表れるゴルゴラインなどを目立たなくさせる方法して、主流の美容整形...
ダイエットしてもバストキープは可能? 女性の永遠のテーマ、きれいに痩せる4つのコツ
 ダイエットしたいけれど、バストが痩せるのは嫌だと悩む女性は多いですよね。実際に、お腹の脂肪だけを落として、バストキープ...
40代美容家が無限リピする「お値段以上」ヘアオイル2品。うねりもクセも怖くない!
「ヘアオイル」の種類は多けれど「お値段以上」で「しっとりツヤツヤ」。この2つをクリアするヘアオイルって、案外見つからない...
全力共感!胸が小さい女性、胸が大きい女性「あるある悩み」攻防戦10選
「自分以外みんな巨乳に見える!」と感じながら生きている“貧乳”女性もいれば、「羨ましい」と言われるたびに、「いやいや結構...
“アレの元気”がない彼氏はEDかも?【薬剤師監修】二人でできる“勃起スコア”チェック&EDの改善方法
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
額と眉間のボトックスは、美容クリニックで最も多いクレーム!?【目元の美容医療に定評ある女医が解説】
 イートップクリニック院長の増田えりかと申します。この連載では美容医療“若葉マーク”の方々に向けて、テッパンの不安や疑問...
性生活にも支障が…つらい膣のかゆみと痛みは萎縮性膣炎かも【薬剤師解説】症状、原因、治療法は?
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
40代「秋のアイメイク」正解は? 必要最低限新調するだけで“ほんのり若返り”トレンド感【美容家解説】
 秋の訪れが近づいてきて、メイクやファッションにも季節感を取り入れたくなるタイミングです。秋アイメイクの最適解は?
まさか、乳がん?生理が終わったのに胸が張る…【薬剤師監修】気になる理由と受診の目安
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
アブラギッシュな40女がガチ愛用! 買ってよかったベタつきお助けアイテム3選
 今年の夏も暑かった! なんて、まだまだ振り返れないくらい9月に入っても暑いんですけど? 秋、仕事してくれよ…。9月半ば...