野良妊婦と呼ばれていたとは…疑心暗鬼のうんち事件もあったシェアハウス

コクハク編集部
更新日:2023-11-14 16:20
投稿日:2023-09-30 06:00
 第1子妊娠中に夫の地方転勤の辞令が下り、妊娠5カ月でこれまで暮らしていた2LDKのマンションから「4畳のシェアハウス」に引っ越したのが31歳。お腹にいた子どもは5歳になりましたが、今でもときどき当時のことを思い出します。

カオスなのに落ち着く西葛西駅

 妊娠5カ月、4畳のシェアハウスへの単身引越しに踏み切った話(前編)はこちら。

 大学で上京して女子学生寮→弟との同居→中央線沿いのシェアハウスを経て、夫と結婚した後は2LDKのマンションに住んでいましたが、新しいシェアハウス暮らしは気楽で新鮮な日々でした。

 シェアハウスの最寄り駅は東西線「西葛西駅」だったのですが、出勤時に駅前を通ると、お年を召した男女が缶ビールやチューハイ片手に宴会をしているんです。

 朝9時の駅前で宴会……。これだけ聞くと治安が悪いようにも聞こえるんですが、そんなことはなく、「〇〇さんいないけど大丈夫かな?」とお互いを思い合っている会話が聞こえてきて、駅の向かいの交番のお巡りさんもそんな様子を温かく(?)見守っていました。

 あと、西葛西はインドから来たエンジニアの人の家族が多く住んでいて、大きなインド人コミュニティがあり「日本のリトル・インディア」なんて呼ばれています。

 なので、毎日必ずどこかでインドの方を見かけるんですが、インテリのご家族だからか皆さん上品な感じ。インド料理のお店もたくさんありました。

ドイツ製品を信じるアメリカ人

 そんな西葛西でのシェアハウス暮らしはわずか2カ月間でしたが、短いなりに出会いもトラブルもありました。

 ある週末、キッチンで遅めの朝ご飯を食べていると金髪の青年と一緒になりました。このシェアハウスは住人の回転が早いので、全員が顔見知りというわけではなくても、共用スペースで一緒になったら挨拶くらいはするのがルール。

 お互い黙っているのも気まずいので、ワイドショーを見ながら世間話。彼はアメリカ出身ですが海外転勤が多い仕事で、ついこの前までは「ベトナムに3年いた」とのこと。語学が得意で次の赴任先の日本語も勉強してから来日したとか。

 彼がポット型の浄水器を持っていたので「それで飲むとおいしいの?」と気軽に聞いたのがコトの始まりでした。

「そっちは何を飲んでるの?」と聞かれたので「そこの蛇口から出した水道水だけど」と答えると、なぜか深いため息をついて、

「キミさあ、妊婦なんでしょう? お腹が大きいのに水道水を飲むなんて意識が低すぎるよ」

 こちらが日本の水道水の安全性と品質について伝えるも、「水道水が安全だなんて信じられない」の一点張り。水道水をそのまま飲むことが、どれだけ危険で愚かなことかを説いてきます。

 私もだんだんイライラしてきて、ポットを指さし「じゃあさ、それが絶対安全だなんて、どうやって証明するわけ?」と聞くと、真顔で「これはドイツ製、それが証明。ドイツ製に間違いあるわけないだろう?」と一言。

 ポットに水道水を入れ、「出産がんばって。あと浄水器がないならせめてミネラルウォーターを買ったほうがいい」と言い残してリビングを去っていきました。

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

ライフスタイル 新着一覧


面倒なボスママに好かれる人の特徴3つ。合わせて、ボスママに好かれる人が注意すべきことは…
 ママ友の世界には、周囲に取り巻きのママ友を引き連れて威圧感を与える「ボスママ」が存在します。みんなに慕われるリーダー的...
好きな街、好きな時間。
 こんな街で、まだ日のあるうちに少し灯りがつく時間が好きだ。
【動物&飼い主ほっこり漫画】第90回「バランスゴロちゃん」
【連載第90回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場! 「しっぽのお...
【女偏漢字探し】「唱」の中に紛れ込んだ漢字は?(難易度★★☆☆☆)
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「校閲婦人と学ぶ!意外と知らない女ことば」では、女性...
友達、同僚、彼氏…重い話LINEの角の立たない返し方3選。会話できない時間を狙い、着信履歴を残す!
 友達や同僚、彼氏など、身近な人から重い話をされたとき、大抵は「力になってあげたい」と思うはず。  でも時間がなかった...
共学なんてバカじゃないの! 暴走するお受験妻が「娘の反抗」でようやく気付けたこと
 横浜に暮らす経営者の妻の愛子。小学生の長女・美愛と横浜山手御三家と呼ばれる女子校に狙いを定めて、中学受験に臨んでいる。...
東京の「Fラン大学」を出たママの誇り。お受験戦争の渦中、優秀な娘に人生を重ねる傲慢な願い
 横浜に暮らす経営者の妻の愛子。長女の美愛はまだまだ甘えん坊の小学生。横浜山手御三家と呼ばれるお嬢様女子校に狙いを定めて...
娘の名門合格を喜べない…男に依存してきた妻が「女子校進学」を強いる理由
 冬の突き刺すような西日が差すリビングに、不安げなマウスの音が響いた。  時計の秒針が12を指したことだけを確認し...
ウェブ連載なのにやり取りはイエデン? 64歳、超アナログおじさんの「何やら新しい現象」
 コミックや書籍など数々の表紙デザインを手がけてきた元・装丁デザイナーの山口明さん(64)。多忙な現役時代を経て、56歳...
アルハラ回避! スナック嬢が実践する「酔わない飲み方」3つ。お酒嫌いは「あの飲み物」を垂らしてみて
 みなさんはお酒好きですか?もちろん種類によって好き嫌いがありますよね。実は私、水割りと呼ばれるものが苦手です。焼酎でも...
育休明けのフルタイム復帰、育児家事と両立できるか不安…。キャパオーバーの悲劇を回避する3つの方法
 育休明け、いざ職場にフルタイム復帰することになった時、ママたちの脳裏にはさまざまな不安が押し寄せますよね。子供のことや...
職場バレンタインのトホホなエピソード6選。今年はどうなる? あげても地獄、あげなくても地獄だよ…
 もうすぐ恋する女性の一大イベント、バレンタイン! 好きな男性や彼氏にどんなチョコレートを渡そうか、今からソワソワな女性...
また値上がり!? 40代主婦が物価高を痛感した瞬間と節約サバイバル術4選。買い物は私一人で行きますよ
 続く物価高で、家計のやりくりを頑張っている主婦は多いはず。それでも追いつかないくらいに、物価高の実感は日々高まるばかり...
ねこプロレス第2弾! 挑戦者の尊すぎる“たまたま”ぽろりに延長戦希望
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
春と幸運を呼ぶ「球根付き切花」を長持ちさせる意外な注意点。あー、見るだけでワクワクが止まらない!
 立春を迎え暦の上でも春。猫店長「さぶ」率いる我がお花屋の立地は神奈川の片田舎ですが、1月の終わりごろからど偉いエネルギ...
事例ありき? お役所仕事だな。街路灯ランプをLEDにするだけなのに、なぜかてんやわんや…
 本コラムは、地元の“幽霊商店会”から「相談がある」と言われ、再始動の先導役を担う会長職を拝命することになったバツイチ女...