一生涯人たらしの万太郎、グレイヘアが似合う仲間たちと植物図鑑完成へ

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2023-09-28 16:28
投稿日:2023-09-28 16:25

NHK朝ドラ「らんまん」~最終週「スエコザサ」#129

 寿恵子(浜辺美波)のために、万太郎(神木隆之介)は何としても図鑑を完成させると決意する。

【本日のツボ】

「なに言うがじゃ、虎鉄はワシの一番弟子じゃ」(万太郎)

 ※※以下、ネタバレあります※※

 万太郎に解説文を書くよう頼まれた虎鉄(濱田龍臣)が、「3代目の助手務めてきてよかった」としみじみ言うと、その腕をポンと叩いて万太郎が一言。

 そして、虎鉄の元気いっぱいの「はいっ!」。虎鉄の一番欲しい言葉をくれる万太郎。歳を重ねても「人たらし」は変わりません。

 その前の場面でも、万太郎に「助けて」と手紙で頼まれた野宮(亀田佳明)がやってきて、「まさか君に植物画を頼まれるなんて。このうえない誉(ほまれ)だ」と喜び、筆を走らせていました。

 ほかにも、「任せて。菌類なら任せて」と藤丸(前原瑞樹)。その手に持っていたのは、波多野(前原滉)に貰ったお手製うさぎの巾着でした。

ムロツヨシが登場

 その波多野は学生を連れて、また、植物採集の会でお世話になったというなまりの強い2人組も。よく見れば、大河ドラマ「どうする家康」で秀吉役を演じているムロツヨシでした。

 図鑑の手伝いに集まってくれた人たちに、「おにぎりを作らなきゃ」と寿恵子。無理しないで、と止める千鶴(本田望結)に、「昔からそうだったのよ。差し入れ、おかあちゃんが作りたくて。そしたら、おかあちゃんも研究の一員になれたみたいでしょ」と。

多くの仲間に助けられて

 さらに、佐川の幼馴染、祐一郎くん(中村蒼)もやってきて、図鑑の索引作りを担当してくれます。

 万太郎も祐一郎くんも、流行りのグレイヘアがお似合いです。

「この先はただのエンジニアじゃ」と話す祐一郎に、「ほんなら、ワシらやっとおんなじ道を行けるのう」と握手を交わしました。

 もうひとり、懐かしい顔が。誰かと思えば、丈之助(山脇辰哉)でした。完訳したシェイクスピア全集を届けにきただけなのに、校正を手伝わされる羽目に。

 たった一人で始めた万太郎の「植物図鑑」ですが、多くの人たちに助けられていよいよ完成を迎えるというのがいいですね。

 北海道に行く万太郎を見送ったあと、校正ゲラを愛おしそうに抱きしめる寿恵子がそのまま倒れ込んでしまうのではないかとドキドキ。どうかご無事で。

桧山珠美
記事一覧
TVコラムニスト
大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


万博記念! 岡田准一、ツダケン…大阪出身の“キラリと輝く”イケメンたちを見よ
「大阪・関西万博」が始まって早や3週間。最初はさほどでもなかったのですが、ニュースなどで盛り上がっているのを見ていると、...
「あんぱん」健ちゃん=高橋文哉が“変な髪型”だった謎が解けた。ヤムおんちゃんの過去も気になる…
 ある日、嵩(北村匠海)は銀座のパン屋で草吉(阿部サダヲ)らしき人が写る写真を見つける。朝田家では、豪(細田佳央太)の壮...
桧山珠美 2025-05-07 17:00 エンタメ
「アンパンマン」から山ちゃん降臨! あの挨拶が聞けたのは“子どもの日”のサプライズですか?
 東京高等芸術学校に入学した嵩(北村匠海)は、受験の際に出会った健太郎(高橋文哉)と再会する。担任の座間(山寺宏一)から...
桧山珠美 2025-05-05 12:06 エンタメ
「あんぱん」一瞬のヤムおんちゃんに嵩は気づいたか? 寛の名言が“友蔵の俳句”並みに楽しみな件
 東京高等芸術学校合格発表の日。嵩(北村匠海)は結果を見る勇気が出ず、ひとり座っていた。そこに寛(竹野内豊)が現れる。嵩...
桧山珠美 2025-05-03 16:00 エンタメ
田中圭の不倫疑惑にちょっと待った!「令和の価値観」で永野芽郁との騒動を見てみると…
「週刊文春」のスクープで永野芽郁との不倫疑惑が報じられた妻子持ちの田中圭。  恋愛コラムニストであり、恋愛カウンセ...
堺屋大地 2025-07-03 12:04 エンタメ
永野芽郁が「清純派」って誰が言った? 批判するのはお門違いなワケ。江頭2:50への“涙”も大正解!
 日曜劇場『キャスター』(TBS系)で共演中の韓国人俳優であるキム・ムジュンを自宅に連れ込みお泊りし、なんとその翌日に妻...
堺屋大地 2025-05-02 06:00 エンタメ
「あんぱん」蘭子と豪の秘めたる恋に“過去の名作”を思い出す。河合優実は百恵ちゃんによく似ている
 縁談の返事をしに出掛けた蘭子(河合優実)を連れ戻したのぶ(今田美桜)に、蘭子は本心を明かす。季節は巡って秋になり、うさ...
桧山珠美 2025-05-01 19:16 エンタメ
なにわ男子・道枝駿佑は“肉食女子”から守られたのか?「キャスター」男性俳優陣が気になるよ
 芸能界広しといえども清純派と呼べるのは芦田愛菜だけ。長年、そう訴えてきましたが、今回の一件が図らずともそれを証明したの...
共亜事件は「虎に翼」のオマージュか。あんぱん、ブギウギの3人が同時代を生きている
 昭和11年、家族や嵩(北村匠海)に見送られ、のぶ(今田美桜)は女子師範学校の寮に入る。軍国主義の担任・黒井雪子(瀧内公...
桧山珠美 2025-04-28 18:40 エンタメ
「あんぱん」最後まで毒親だった登美子(松嶋菜々子)。去っていく彼女に問うてみたいこと
 受験したのぶ(今田美桜)と嵩(北村匠海)の明暗が分かれる。静まり返った柳井家で、寛(竹野内豊)たちに頭を下げる嵩。そこ...
桧山珠美 2025-04-26 12:50 エンタメ
春ドラマの評判を調査!『最後から二番目の恋』は令和の鬼渡?『あんぱん』『対岸の家事』の感想は
 2025年4月期も話題のドラマが続々スタート! 多すぎてどれを見るのか迷ってしまう…。そんな人のために忖度なしでドラマ...
「あんぱん」千尋(中沢元紀)は本当に良い子…史実どおりの展開なのか。しょくぱんまんのようなイケメンだ
 けんかした嵩(北村匠海)と千尋(中沢元紀)に、寛(竹野内豊)は改めて後継ぎはいらないと告げる。そして、何をしながら生き...
桧山珠美 2025-04-23 17:51 エンタメ
こうでなくちゃ! 志尊淳の正解を「恋は闇」で見た。いい人よりも“妖しい姿”に妄想が駆り立てられる
 新ドラマ「恋は闇」(日本テレビ系)の志尊淳が良きです。  前クールの「日本一の最低男 ※私の家族はニセモノだった...
「あんぱん」なんて贅沢!今が旬、河合優実の“目で語る”表現力と色気に驚く。俳優・ソニンのEE JUMP感を消した演技も見事
 なりたい夢を見つけたのぶ(今田美桜)は、女子師範学校合格に向けて猛勉強をし始めるが、成績が思わしくなく頭を抱える。同じ...
桧山珠美 2025-04-21 14:23 エンタメ
怪演・市原隼人に「ヤバい超大物」2人が熱烈ラブコール。迫真すぎる“ガンギマリ”の演技がモテる理由か
 大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(NHK)にて、盲目の大富豪にしてゾクッとする異様な雰囲気を放つ鳥山検校を怪演...
堺屋大地 2025-04-21 06:00 エンタメ