大和礼子(蒼井優)さまの箴言…誰にも負けないスズ子の個性とは?

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2023-10-16 14:30
投稿日:2023-10-16 14:30

NHK朝ドラ「ブギウギ」~第3週「桃色争議や!」#11

 昭和8年。デビューから6年が経ち、スズ子(趣里)は脇役ながら劇団の中心メンバーとして活躍し、新人の教育係にもなっていた。

 後輩には、花咲歌劇団から移籍してきた秋山美月(伊原六花)が入り、人気となっている。後輩に抜かれたスズ子は、自分自身の売りはいったい何だろうかと悩んでいた。

 そんな中、次回公演の内容が告げられる。大トップの大和礼子(蒼井優)が演出に挑み、新しい取り組みをするというのだ。

【本日のツボ】

大和礼子の箴言(しんげん)

 ※※以下、ネタバレあります※※

 スズ子の入団から6年が経った梅丸少女歌劇団。公演はすべて単独で、回数も増え、関西では押しも押されもせぬ人気劇団に。

 娘役のトップは大和礼子、男役のトップは橘アオイ(翼和希)。スズ子の同期、リリー白川(清水くるみ)は二番手の娘役に、桜庭和希(片山友希)も頑張っています。

 スズ子はまだまだ脇役で舞台の後方に。その位置を矢印(←)で表していたのが笑えました。

 花咲から移籍してきた秋山美月という新キャラが登場。演じる伊原といえば、数年前、荻野目洋子の「ダンシング・ヒーロー」でバブリーダンスを披露し、話題になった大阪・登美丘高校出身。

バブリーダンスで芸能界入り

 全員、平野ノラと見まがうバブリーな衣装と濃いめのメイクで、誰が誰だかという感じでしたが、あれがきっかけでスカウトされて芸能界入りしたラッキーガールです。

 しかも、キャプテンだったそうで、この日、楽屋で後輩に駄目出しをしていましたが、そのキツいもの言いは演技を超えたものを感じます。同じ男役で、後輩に先を越されてしまった桜庭のメンタルも気になります。

 そして、自身の個性について悩むスズ子に、また大和礼子さまから、箴言のようなありがたいお言葉が。

「焦っちゃ駄目よ。自分の個性みたいなものはね、いつか必ず見つかるから。続けていれば」

 自分の焦る気持ちを見透かされたかと戸惑うスズ子に、「でも、続けることが一番大変なんだけどね」と。

スズ子は歌が上手だったはず

 それにしても不思議なのは、スズ子はもともと歌が上手で、歌で梅丸に入ったのだから、誰にも負けない個性は“歌”ではないかと思うのですが……。

 スズ子の「恋はやさし野辺の花よ」、そろそろ聴きたいものです。

桧山珠美
記事一覧
TVコラムニスト
大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


「あんぱん」メイコたちの“椰子の実”をどこかで聞いた…ヒロインの妹は歌う法則があるのか?
 のぶ(今田美桜)と嵩(北村匠海)を仲直りさせようと、健太郎(高橋文哉)とメイコ(原菜乃華)は千尋(中沢元紀)と共に2人...
桧山珠美 2025-05-13 16:11 エンタメ
吉本退所でも…令和ロマンくるまの謝罪は“最適解”だった。批判される「松本人志の復帰」との対比で見えたもの
 令和ロマン・高比良くるま(30)が吉本興業との契約終了を発表した。オンラインカジノ疑惑が持ち上がった際にくるまが事前に...
帽子田 2025-05-13 12:00 エンタメ
「あんぱん」蘭子らの一夜を想像して興奮が…のぶと嵩の恋はいつ始まる?
 のぶ(今田美桜)の発案で、女子師範学校の生徒たちは慰問袋を作ることに。休日には献金を呼びかけるなど、意欲的に取り組む生...
桧山珠美 2025-05-10 06:00 エンタメ
万博記念! 岡田准一、ツダケン…大阪出身の“キラリと輝く”イケメンたちを見よ
「大阪・関西万博」が始まって早や3週間。最初はさほどでもなかったのですが、ニュースなどで盛り上がっているのを見ていると、...
「あんぱん」健ちゃん=高橋文哉が“変な髪型”だった謎が解けた。ヤムおんちゃんの過去も気になる…
 ある日、嵩(北村匠海)は銀座のパン屋で草吉(阿部サダヲ)らしき人が写る写真を見つける。朝田家では、豪(細田佳央太)の壮...
桧山珠美 2025-05-07 17:00 エンタメ
「アンパンマン」から山ちゃん降臨! あの挨拶が聞けたのは“子どもの日”のサプライズですか?
 東京高等芸術学校に入学した嵩(北村匠海)は、受験の際に出会った健太郎(高橋文哉)と再会する。担任の座間(山寺宏一)から...
桧山珠美 2025-05-05 12:06 エンタメ
「あんぱん」一瞬のヤムおんちゃんに嵩は気づいたか? 寛の名言が“友蔵の俳句”並みに楽しみな件
 東京高等芸術学校合格発表の日。嵩(北村匠海)は結果を見る勇気が出ず、ひとり座っていた。そこに寛(竹野内豊)が現れる。嵩...
桧山珠美 2025-05-03 16:00 エンタメ
田中圭の不倫疑惑にちょっと待った!「令和の価値観」で永野芽郁との騒動を見てみると…
「週刊文春」のスクープで永野芽郁との不倫疑惑が報じられた妻子持ちの田中圭。  恋愛コラムニストであり、恋愛カウンセ...
堺屋大地 2025-07-03 12:04 エンタメ
永野芽郁が「清純派」って誰が言った? 批判するのはお門違いなワケ。江頭2:50への“涙”も大正解!
 日曜劇場『キャスター』(TBS系)で共演中の韓国人俳優であるキム・ムジュンを自宅に連れ込みお泊りし、なんとその翌日に妻...
堺屋大地 2025-05-02 06:00 エンタメ
「あんぱん」蘭子と豪の秘めたる恋に“過去の名作”を思い出す。河合優実は百恵ちゃんによく似ている
 縁談の返事をしに出掛けた蘭子(河合優実)を連れ戻したのぶ(今田美桜)に、蘭子は本心を明かす。季節は巡って秋になり、うさ...
桧山珠美 2025-05-01 19:16 エンタメ
なにわ男子・道枝駿佑は“肉食女子”から守られたのか?「キャスター」男性俳優陣が気になるよ
 芸能界広しといえども清純派と呼べるのは芦田愛菜だけ。長年、そう訴えてきましたが、今回の一件が図らずともそれを証明したの...
共亜事件は「虎に翼」のオマージュか。あんぱん、ブギウギの3人が同時代を生きている
 昭和11年、家族や嵩(北村匠海)に見送られ、のぶ(今田美桜)は女子師範学校の寮に入る。軍国主義の担任・黒井雪子(瀧内公...
桧山珠美 2025-04-28 18:40 エンタメ
「あんぱん」最後まで毒親だった登美子(松嶋菜々子)。去っていく彼女に問うてみたいこと
 受験したのぶ(今田美桜)と嵩(北村匠海)の明暗が分かれる。静まり返った柳井家で、寛(竹野内豊)たちに頭を下げる嵩。そこ...
桧山珠美 2025-04-26 12:50 エンタメ
春ドラマの評判を調査!『最後から二番目の恋』は令和の鬼渡?『あんぱん』『対岸の家事』の感想は
 2025年4月期も話題のドラマが続々スタート! 多すぎてどれを見るのか迷ってしまう…。そんな人のために忖度なしでドラマ...
「あんぱん」千尋(中沢元紀)は本当に良い子…史実どおりの展開なのか。しょくぱんまんのようなイケメンだ
 けんかした嵩(北村匠海)と千尋(中沢元紀)に、寛(竹野内豊)は改めて後継ぎはいらないと告げる。そして、何をしながら生き...
桧山珠美 2025-04-23 17:51 エンタメ