更新日:2023-10-27 06:00
投稿日:2023-10-27 06:00
元カレに会ったとしても…
――すごいフィニッシュでしたね。続けてください。
「今思い出しても、強烈なエクスタシーでした。
その後、英明さんとは無事に新居を見つけ、あとは11月の披露宴を待つばかりとなったんです。敬一の話題はいっさい出ませんでした。英明さんがどこまで気づいたかは分かりませんが……(笑)。
新居となるはずのマンション近くの大規模工事や、なくしたピアスの件など、不思議なことはありますが、それもポジティブに考えています。
特に、ピアスは『見るたびに敬一との思い出がよみがえる』と思うと、なくしてよかった。おそらく、敬一とは金輪際会うことはないと思います。
もし偶然会ったとしても、涼しい顔で会釈して終わり。そんな勇気も持てるようになったんです」
◇ ◇ ◇
凜と咲く一輪の花のように、弓香さんはほほ笑んだ。
婚約者の霊感に怯えていた彼女はもういない。ぶれない心を持った弓香さんは、もうじき幸せな花嫁になる。
彼女の幸せを心から願いたい。
(了)
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