彼の住所に驚き
彼は上体を起こしてベッドから降り、シャワールームへと消えていきました。
私は悪いと思いつつも起きあがって、彼のビジネスバッグに歩み寄りました。勢いでホテルに来たのですが、彼の身元を知りたかった……。
食品会社勤務と言っていましたが、本当にそうなのか、少なからず疑念を持ったんです。
財布の中に社員証や身分証がありました。確かに大手食品会社に勤務しているようです。この時、初めて彼の苗字も分かりました。日本の苗字トップ20圏内にある姓です。
そして、免許証の住所を見て驚きました。
(えっ……これは?)
何と、ユリさんの住所と同じではありませんか。
裏切った友人の夫だなんて!
以前、介護施設の調理助手のパートを始めたころ、データ入力に苦戦していた職員のヘルプをしたことがあったんです。
その際、ユリさんの住所を記憶していたんです。珍しいマンション名なので明確に覚えています。
(苗字も住所も同じ……彼はユリさんの夫?)
私の心臓は異常なほど高鳴りました。あろうことか、私は憎いユリさんの夫とこれからセックスしようとしているんです。
(念のため、証拠を残しておこう)
私は自分のバッグからスマホを取り出し、免許証と社員証を撮影したんです。そして、何事もなかったようにベッドに戻りました。
アンタのダンナ、これから私と浮気するのよ
何も知らない和也さんが、シャワールームからバスローブ姿で出てきました。
――やだ、まだ勃起してる。ギンギンね。
私はバスローブの合わせ目から顔を出すペニスに目を細めたんです。
――沙雪さん……やっぱりシャワーを浴びたい? 僕は君の汗も匂いもそのまま愛したいんだ。
彼の言葉に私は目を細めました。
――分かったわ。じゃあ、私がオクチでしてあげる。
私はベッドの傍らに立つ彼の正面に行き、裸のまま股間に顔を寄せたんです。
(ユリさん、アンタのダンナ……これから私と浮気するのよ)
心で毒づきながら、いきり立つ勃起をひと思いに咥(くわ)えたんです」
次回に続く。
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