母ツヤ(水川あさみ)笑顔の最期、「ナレ死」に救われた

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2023-11-23 16:05
投稿日:2023-11-23 16:05

NHK朝ドラ「ブギウギ」~第8週「ワテのお母ちゃん」#39

 大阪に戻ってきたスズ子(趣里)は病床のツヤ(水川あさみ)と再会する。ツヤの病状のことを受け止めきれないスズ子は、梅吉(柳葉敏郎)にもっといい病院に入院すれば治るのではと聞くが……。

 そんな時、アホのおっちゃん(岡部たかし)がツヤに食べさせてあげようと桃を見つけてくる。

 その晩、スズ子はツヤに桃を食べさせようと看病していると、いつの間にか眠ってしまう。翌朝、スズ子は信じられない状況を目にする。

【本日のツボ】

「恋はやさし野辺の花よ」

 ※※以下、ネタバレあります※※

 アホのおっちゃん、いい仕事をしてくれました。1週間かけて調達した桃のおかげで、一瞬とはいえ奇跡を起こし、スズ子に番台に座る元気なおかあちゃんの姿を見せることができたのですから。

 それにしても、ゴンベエ(宇野祥平)はなぜ桃のありかを知っているのでしょう。いずれその謎が明かされる時はくるのでしょうか。

「梅丸楽劇団、スウイングの女王、福来スズ子、心を込めて歌わせて貰います」

 病床のおかあちゃんにスズ子が捧げた歌は、子どもの頃、番台の前でよく歌っていた「恋はやさし野辺の花よ」でした。

趣里の“天使の歌声”

 スズ子の歌声とともに、走馬灯のように流れるツヤとスズ子のシーンに涙がとめどなく溢れてきます。趣里の透明感のある優しい歌声はまさに“天使の歌声”。

「この日、おかあちゃんは天のお星さまになりました」。おかあちゃんの最期が笑顔で終わったのが救いでした。

 きょうほどナレ死でよかったと思ったことはありません。

桧山珠美
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TVコラムニスト
大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。読売新聞「アンテナ」、放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

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