開運の実「イイギリ」はお正月限定ではない!クリスマスも守ってくれる

斑目茂美 開運花師
更新日:2023-11-29 06:00
投稿日:2023-11-29 06:00
 クリスマスやお正月などイベントづくしの12月。今回はお正月の生け込みには欠かせない開運素材「イイギリ」のお話です。名前に馴染みはなくても、たわわに実った小さな赤い実は誰でも一度は見たことがあるはず!

今年もあと少し

 猫店長「さぶ」率いる我が愛すべきお花屋にも、年末に向けた商品が続々と業者さんから届き始め、早すぎる一年の流れに驚きながらも一気に“年末戦闘モード“になってまいりました。

 そうなると不思議なもので、猫店長も邪魔にならないための気遣いなのか、ご自分のハウスの中でぬくぬくと毛布に包まれて“年末ロングタイム昼寝モード”に突入しております。

 花市場で扱われる商品はお正月商品が増え、心なしか市場のお兄様たちの鼻息が荒くなってきた様子。フラフラと歩いていると、まさに山から切ってきたばかりの年末商材納品現場に遭遇。その場で仕入れた一年ぶりのキラキラ商材が、ワタクシのすっかり緩んだフンドシを締め直してくれました。

 今回は「今年もビッチリ実ってます! 開運の赤いイイギリの実」の解説でございます。

イイギリってなんですか

 イイギリとは樹高10~20mにもなるヤナギの仲間で、秋になるとブドウの房のような赤い実をたわわにつけ、とても目立つ存在の落葉樹でございます。

 お花屋さんの間では「南天桐(なんてんぎり)」と言われ、お正月商材として欠かせないものの一つ。南天桐というからには南天なのか桐なのか。

 南天桐の南天はイイギリの実が南天の実に似ているから。そして樹皮や木を桐の代替え品として使われていたこと。

 葉も桐の葉に似ていたためで、別にどちらとも全く関係ござらん「なんちゃって」ではあるものの、南天桐と聞いただけでものすごく格が上がった感じでございます。

 寒いのは少々苦手で、割と暖かい地方の山や街路樹、公園などで見かけるイイギリ。漢字では「飯桐」と書きます。昔はこの木の葉でおにぎりを包んだり、器にしていたことから付いた名前ですが、イイギリの木といえば、なんと言ってもたわわに垂れ下がった赤い実が魅力的!

 ではあるのですが、雌雄別株のイイギリは実が付くけど花がお地味な雌と、実が付かないけど花が綺麗な雄、花は綺麗で数年に一度実がなる“おいしいとこどり”の雄雌合体です。

 とても大きくなる木なので庭木というわけにはいきませんが、街路樹や公園などに植えられたイイギリが春には緑の花が咲き、美しい紅葉を楽しんだあとには枝いっぱいに印象的な赤い実が残り、一年通して季節の移ろいを知らせてくれます。

 散歩の途中に暗い冬の空を見上げるとワクワク、たわわになった赤い実が視界に入るだけでも気分が上がる心持ちですな。

 お正月の大きな生け込みにも欠かせないイイギリ。ワタクシのお店では、毎年やたらと大きな樹形のものを大量に仕入れます。そのたびに店内には収まりきらず、大騒ぎしながら結局、店外の軒先にて保管。

 そして知らぬ間にやってくる「あるもの」と闘う日々でございます。それは可愛いけれど意外とデカい、鳥軍団!

イイギリはおそらくおいしくない

 お正月に飾る実物といえば千両・南天・万両がド定番ですが、どれも赤い実がついていて、赤色は厄除け・邪気除けとして知られております。

 厄除けに加え、商売繁盛や金運アップなどを願うものでもあり、庭木の開運植物として、その効果は東・南東・南に植えると良いとされています。

 とはいえ、お庭に植えた千両や南天の実は、鳥たちに食べられてお正月には無いー! なんて経験をなさってる方がとても多い。早い時期から網をかけたり、囲ったりしながら鳥たちに抵抗なさっている方も多しw。

 ワタクシは「たんとお食べなさいよ」と食べさせてしまう派ですが、千両や南天はあっという間に実がなくなってもイイギリは残っている。

 冬でも食べられることなく、たわわになっている……。おそらく相当マズイんだろうな、と思います。

 だがしかし! 猫店長「さぶ」がロングタイム昼寝中なのをいいことに、ヒヨドリやツグミなど近くで見ると割とデカい鳥たちが、せっせとワタクシのお花屋さんの軒先にやってきて売り物のイイギリをお召し上がりになっている――。

 止めるべきか否かを迷っているうちに枝のてっぺんがなくなって、短く切り詰めて無事店内に収納。なんてことを毎年繰り返しているのでございます。

お正月には大活躍

 お正月の生け込みには欠かせない開運素材のイイギリですが、普段でも使うんですよ。いずれはドライフラワーになることを見越した、壁掛けなどのスワッグ材料として重宝します。

 これからの季節、クリスマスやお正月飾りを玄関の扉に装飾する方が増えてきますが、オススメは束ねたエバーグリーンにイイギリの実を付けただけのシンプルスワッグです。

 エバーグリーンは檜やヒムロ杉などを使えばクリスマスに。松を使えばお正月です。

 クリスマス用に束ねたエバーグリーンの束でも、これに100円ショップでも手に入る小さなしめ縄をプラスすれば、そのままお正月飾りに変身。花言葉はお正月に相応しい豊かな言葉「恵まれた人」「豊穣」です。

 難しいことは考えずアナタの心のおもむくままの花遊びでもなぜかオシャレに見えます。お試しあれ。

 イイギリの赤い実がアナタを災いから守ってくれますことを……遠いお空の向こうからお祈りしておりますよ~。

斑目茂美
記事一覧
開運花師
半導体エンジニアを経て花業界に転身。イベント・ホテルなどの装飾も手がける生花店を営む傍ら、コンテストで優勝・入賞を重ね、雑誌・新聞等に作品を発表する。神奈川各所にて花教室を開催。障害者支援も花で実践。悩ましくも素敵なお客様を「花」で幸せへと導く道先案内人。ブサかわ猫店長「さぶ」ともに奮闘中。Facebookやってます。

ライフスタイル 新着一覧


げっ困った! 超苦手なカラオケに誘われたら…場の空気を壊さずに切り抜ける方法
 冬が近づいてきて、そろそろ忘年会のシーズン。忘年会の二次会といえば、カラオケが定番ですよね。でも、「カラオケ、苦手だか...
秋の京阪神「穴場あり」グルメ旅。外国人観光客にバレていない!? 胃で溶けるカツレツ、会館飲み…
 何もかも揃っているような東京に住みながら、関西でいただく食事はなんであんなにうまいのか。そんな気持ちにかられて、先日、...
「う、うまい…」秋の京都で“当たりだけ”グルメ! コッペパン天国から地元民太鼓判の街中華・餃子まで
 先日、遅めの夏休みとして京都を中心に旅行へ出かけました。京都は「ここが私のアナザースカイ!」と両腕を広げたいほど、大好...
ツンデレorガチ避け? つれない“たまたま”太郎についてゆきます!
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
年末年始に増えるご不幸と葬儀。花屋が心底思う「後悔しない直葬」とは?
 寒くなり、アノ不思議現象がボチボチ起こり始めております。それは、年末から年明けにかけて頻発する「お亡くなり現象」。...
「卓越下着術」「胸囲ない」セクハラかと思いきや…!職場&家族へのおもしろ誤変換LINE7連発
 日常の連絡ツールとして欠かせないLINE。気軽に送れるぶん、おもしろ誤変換が生まれます。特に職場LINEや家族への誤変...
「オレ忙しいアピール」って何様よ? 昭和オヤジの怠慢さに怒りの沸点越え
 本コラムは、地元の“幽霊商店会”から「相談がある」と言われ、再始動の先導役を担う会長職を拝命することになったバツイチ女...
更年期、私はこれで対処しています②賛否両論のプラセンタ、筋肉注射で痛みもこの上ないが…
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まっ...
40歳、セルフプレジャーより睡眠が優先!?フルタイム正社員に転職で痛感
 セックスレスやセルフプレジャー、夫婦の在り方をテーマにブログやコラムを執筆している豆木メイです。  つい先日ま...
仕事ができないけど愛される人の特徴5つ。ポンコツなのになんで?
 あなたの職場にも仕事ができないポンコツなのになぜか周りに愛されている人、いませんか? 今回は、仕事ができないけど愛され...
気は優しくて力持ちってこんな感じかな
 そして、  思わずほっこりしてしまうのはなぜ?  
ダークヒーロー参上! 木の上から睨みを利かせるアウトロー“たまたま”
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
息抜きは絶対必要!忙しいワーママが自分時間を確保する4つのアイディア
 世の中のワーママは、仕事や家事、育児と朝から夜まで大忙し! 自分の時間なんてほとんどありませんよね。しかし、人には息抜...
「糟糠の妻」の意味は? 出世しても〇〇してはいけないんだゾ
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「校閲婦人と学ぶ!意外と知らない女ことば」では、女性...
ほっこり癒し漫画/第85回「食べる! 食べるでござるーッ!」
【連載第85回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場! 「しっぽのお...
酔っ払い同士の胸熱&ちょっと恥ずいLINE3選。きのこたけのこ戦争の和解にもおすすめ?
 人はお酒を飲むと日頃心に秘めている本音が出てきますよね。酔っ払い同士のLINEをのぞいてみると、本音同士の面白い会話が...