「美人」がついても褒め言葉ではない四字熟語ってなーんだ?

コクハク編集部
更新日:2024-01-20 19:16
投稿日:2023-12-03 06:00
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地名などをピックアップ。
 毎日頑張るあなたがちょっぴり得した気分になれますように……。

【今回の女ことば】八方美人

 周りにいてやっかいなのが、「八方美人」といわれる人かもしれません。

『八方美人』は、広辞苑(第7版)によると、

 ①どの点から見ても欠点のない美人で、そのことから②誰に対しても如才なく振る舞う人を転じていう語、だといいます。

『八方』は、四方と四隅。東、西、南、北と北東、北西、南東、南西の八つの方角。転じてあらゆる方面。多方面(広辞苑 第7版)。

 他の辞書でも①の説明の次に②が続いています。

「明鏡 国語辞典」(第3版)では、誰からもよく思われようと、如才なく振る舞う人。多くは非難の意を込めて使う。

「用例でわかる 故事ことわざ辞典」(初版)では、上記の②から、そのような人をあざけっていう言葉と説明し、用例として、《八方美人だから、敵も少ないかわりに味方もいない男》を挙げています。

イエスマンで、自主性がないと罵る言葉

 朝日新聞出版校閲部長などを務めた奥山益朗氏が編者の「罵詈雑言辞典」(初版)では、①②のあとに、イエスマンで、自主性がないと罵る言葉とも記されています。

 例として《この難局を乗り切るには、あの八方美人の指導者ではとても無理だろう》とありますが、今話題のメガネの首相のことでしょうかね。

 いずれにしても「八方美人」というのは誉め言葉ではないみたい。

 あなたの周りに、上司にはいい顔をして後輩にはキツくあたる人や、あちらこちらでみんなと仲がいいけど、陰で悪口を言う人がいたらどうします?

 本人は周囲とうまくやっていくための処世術だったり、まったくの無意識かもしれませんが、あまりにも露骨だと信用できなくなりますよね……。

2024年の「八方塞がり」は…

 ちなみに、年の瀬も迫ってくると気になるのが、来年の運勢。「2024年の運勢」なんて文字を見れば迷わずチェックしています。その運勢のお告げで「八方塞がり」はよく見かけますが、どんな意味が?

 ①陰陽道で、どの方角に向かって事をしても不吉の結果を生ずること②転じて、どの方角にも障害があって、手の打ちようがないこと(広辞苑)。

「用例でわかる 故事ことわざ辞典」では『経営は八方塞がりの状態で、倒産は必至だ』と説明しているように、何をやってもダメという状況ですね。

2024年は『三碧木星』が…

 八方塞がりは9年に1度(数え年で9の倍数)巡ってくるそうです。

 来年は中国古来の九星気学の『三碧木星』で、昭和9、18、27、36、45、54、63年。平成9、18、27年生まれの人が該当。なんとワタシもそのひとり……。

 先日、「突然ですが占ってもいいですか?」(フジテレビ系)で、日本で唯一「八方除け」が受けられる『寒川神社』(神奈川県)が紹介されていました。

 当たるも八卦、当たらぬも八卦――。とは思いつつ、年始に伺う予定です。

(日刊現代校閲/タダ美)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


いい大人世代の親孝行とは? 後悔しないために見直す8項目
 久しぶりに親に会ったら、急に老けたように感じてびっくり!「親孝行しなければ……!」と急に焦ってしまうけど、いざとなると...
“削るお絵描き”スクラッチアートで癒される 2022.2.25(土)
 100円均一の「DAISO(ダイソー)」で、スクラッチアートを販売しているのを知っていますか?  数年前から見かけ...
この世は大冒険でも脱迷子!方向音痴あるあるから学ぶ克服法
 地図通りに歩いていたはずが目的地の真逆へ向かっていたり、犬の散歩で迷子になったり……。はじめての場所へ行くのに人の倍以...
2023-02-24 06:00 ライフスタイル
年齢そのものは関係ない? 大人なら考えたい「老害」の意味
「老害」というワード、最近本当によく目にします。字面から、ものすごい嫌な感じがしますよね。だけどぶっちゃけ、そう言われて...
ゆっくりと歩くには良い日、一期一会の風景 2023.2.24(金)
 たまには目的地も決めずにぶらぶらと出かけてみる。すると、思いがけない風景に出合う。  だけど、今度もう一度来よう...
実証!「紀ノ国屋のポーチ」気になる収納力 2023.2.23(木)
「紀ノ国屋 スイーツポーチ」のポーチだけ(単体購入可)が2月15日に発売され、好評を博しています。お店を訪れると一色のみ...
おんにゃの子の匂いはどこだ?パトロール中“たまたま”を激写
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
店頭に並ぶ「サービス花束」は分けて飾るのが正解!運気もUP
「またかよー!」と、なんでもかんでも値上げばかりで嘆き(怒り?)たくもなりますよね。今までが安すぎたのか、これ(から)が...
「オバ見えする後ろ姿」はスマホ首・ハミ肉・パサ髪+2項目
 家の中にいると、自分の後ろ姿を見ることはほとんどないですよね。でも街へ出かけ、ショーウィンドウに映った自分の後ろ姿に、...
さよならシャンシャン、また会う日まで… 2023.2.22(水)
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
仕事の悩みは尽きない! 40代女性の働き方を見直すヒント5つ
 仕事をしていると悩みは尽きないもの。40代になるとふと「このままでいいのだろうか?」なんて、仕事に対して不安に感じる人...
【どこ?】買い物中のあさだくんとやまぐちくんをさがせ!
「日刊ゲンダイ」毎週月曜発売の紙面で連載中の人気漫画「中年2人とねこの日々 あさだくんとやまぐちくん」の特別番外編! ...
【回答】買い物中のあさだくんとやまぐちくんをさがせ!
(日刊ゲンダイ臨時特別号「日刊ニャンダイ2023」記事を再編集) ※「日刊ニャンダイ2023」はAmazonでも好...
日記が続かない人必見!今度こそ3日坊主と決別する5つの方法
 新しい年のはじまりや誕生日をきっかけに「日記を書こう!」と決意したものの、三日坊主……なんて経験はありませんか? 可愛...
猫=ダンディ! 無頓着を装った“たまたま”チラ見せにキュン
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
月明かりに照らされて いい距離感で歩く 2023.2.20(月)
「きっと長い付き合いなんだろうな」と思わせる、1匹と1人のいい距離感。  ゆっくりと歩いていたけど、どちらがどちら...