コワモテ黒田の起用は大正解! スズ子派に寝返り、顔芸と手振りが秀逸

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2023-12-26 15:50
投稿日:2023-12-26 15:50

NHK朝ドラ「ブギウギ」~第13週「今がいっちゃん幸せや」#62

 結核が再発した愛助(水上恒司)の看病を、三鷹の家で続けることになったスズ子(趣里)は、日々愛助のために身を尽くしていた。

 そのおかげか愛助の病状は少しずつ快方へ向かっていた。しかし、看病を続けるスズ子は長らくステージから遠ざかっており、マネージャーがいなくなった楽団も全く活動ができない状況が続いていた。

 一方、上海にいる羽鳥善一(草彅剛)は、中国の音楽家たちと交流し、新たな音楽を模索していた。

【本日のツボ】

「怖かったあ~」(坂口)

 ※※以下、ネタバレあります※※

 スズ子の献身的な介護ぶりをみて、あの坂口(黒田有)もすっかりスズ子派に。ついには、愛助に代わって、社長の村山トミ(小雪)に山下(近藤芳正)をスズ子のマネージャーにすることを許可して貰おうと直談判しに行きます。

「ワシはあの福来スズ子いうおなご、見上げたもんやと思います。病気も恐れずに、連日連夜の看病。それでいて偉ぶることもなく、ボンのことをまっすぐ想い続けて。そら確かに抜けたとこもあります」

 一生懸命スズ子の擁護をする坂口、ついには「ボンが惚れるのもわかりますわ。ワシもボンと同じ想いだす。福来スズ子の力になりたい」と自分の気持ちを正直に訴えました。

 三鷹に戻ってきた坂口、「マネージャーの件、社長に話ししてきました」。一刻も早くボンに伝えようと走ってきたのか、呼吸も苦しそうです。結果は「マル」。

 手で大きなマルを作って正式にOKを貰ったことを2人に報告します。その後の「怖かったあ~」の顔が何とも言えません。

 コワモテの黒田がやるから、可笑(おか)しみも出るというもの。黒田の起用は大正解でしたね。

じいの手腕いかに…

 それにしても、飛行機も新幹線もない時代に、大阪から三鷹までずっとトミの怖さが持続していたとは、よっぽど恐ろしかったのでしょうか。

 スズ子にとって天敵のような存在だった坂口が、誰よりもスズ子たちのことを考えてくれる味方になったのはなんとも心強いことです。

 顔の広い“じい”こと山下達夫がマネージャーになることで、スズ子の仕事も広がるとよいのですが…。その手腕がいよいよ発揮されます。

 そういえば上海で羽鳥善一と密談していた黎錦光(レイキンコウ、浩歌)は、あの名曲「夜来香」の作詞家のようです。

「夜来香」の誕生、間もなくでしょうか。こちらも楽しみです。

桧山珠美
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TVコラムニスト
大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。読売新聞「アンテナ」、放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

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