誘惑する文言を綴るも虚しさが
そして、達也さんを検索しました。
すぐにヒットし、私から『いいね♡』を送り、小1時間もすると、マッチングできました。アプリ内でのやり取りは以下のようなものです。
――美波さん、初めまして。『いいね』をありがとう。すごく色っぽいプロフィールですね。
――達也さん、こんばんは。マッチングありがとうございます。ちょっと体が疼いて大胆なことを書いちゃいました。
無事マッチングできた安堵感、そして彼を誘惑するような文言を綴りつつも、『本当は波子よ。数時間前に抱かれた波子なのに…』そう心で呟きながらスマホをタップしました。
――疼くなんて…大胆だな。
――ところで、達也さんはマッチングアプリでいい出会いはありました?
あえてかまをかけると、
――いや、まだ初心者でね…全くモテないんですよ。
巧みにはぐらかしてきたんです。
(もう、達也さんたら…しれっと嘘をつくのね)
私は呆れるやら虚しいやらで…。数時間前には私を抱き、ナオミさんとも4カ月間も不倫を続け、その他の人妻とも関係を持って…。でも、彼にはそうなるだけの魅力がありました。
依頼者よりも早く、彼を誘わなければ
オスの野性的な魅力ってやはり、理屈抜きで素晴らしいんですよ。私は再びチャットを続けました。
――私も初心者なんです。良かったら初心者同士、大人の付き合いをしません?
私はナオミさんが行動を起こす前に、彼を誘ったんです。
――美波さん、もしかして欲求不満かな?
――バレちゃいました?
――顔写真の交換はOKですか?
――悪用されたら怖いから、写真はお会いするまでダメ。その代わり、達也さんのお写真も不要です。プロフィールを見て気に入りました。会った時にタイプじゃなければ、その場でお断りいただいて大丈夫ですから。
彼のプロフィールは『身長177cm、筋肉質、濃い顔、性格は温厚で決断力がある。趣味はマリンスポーツ。猫好き』と書かれてありました。
――わかりました。来週の月曜日の夜はいかがでしょうか?
来週になると、すでにナオミさんが奥さんに浮気動画を突きつけて、修羅場になる可能性があります。なので、
――ごめんなさい。来週は都合がつかなくて…。明日はお休みなので、どの時間帯でも大丈夫ですよ。いかがですか?
そう誘いをかけたんです。
もくろみ通りの展開に
――いきなりですね。今のところ、明日は昼の13~16時なら空いています。
――会う場所はどのあたりが良いですか?
――渋谷だとすぐに行けますが。
もくろみ通り、彼のオフィスに近い渋谷を指定してきました。
――渋谷なら、私も詳しいです。居心地のいいラブホがあるので、そこに行きましょう。
――美波さん、すごく積極的だな。僕、だまされてないよね?
――だますなんてとんでもない。ステキなひと時を過ごしましょうね。
私はだましているのはどっちよ! と心の中で突っ込みながら、チャットを終えたんです」
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