恋愛ってその程度のもの
「冷たいって思われるかもしれないけれど、俺にとって恋愛ってその程度のものなんですよ。
正直なことを言うと、今は美紀を抱くのも、“ちょっとしんどいな!”って思いながら抱いています。
俺、エッチって不潔だとしか思えなくて。
だから昔からエッチへの興味ってそこまで強くないんですよね。若い頃から、そこは変わりません。
でもほら、付き合っているわけだからそういうことをしないと、それはそれでまた喧嘩のタネになるっていうか、不協和音が発生しちゃうでしょ?
だから美紀を抱くのは、恋人としての礼儀だと思っています。
脱ぐと生々しくて萎えちゃう
え? 洋服を着たままそういうことをするのは、なぜかって?
う〜ん…、深い意味はないんですけど、洋服を脱げばまた着なくちゃいけないから、着たまま済ませたほうが合理的じゃないですか?
それにあとは俺は女性の裸って、そんなに美しいものだとは思っていないから、脱ぐと生々しくて萎えちゃうというか…。
服を着たままのほうが、まだ燃えるっていうか耐えられるんですよね。
裸は本当に無理!! 裸になるなら、電気を真っ暗に消してじゃないと、生々しさが気持ち悪くて…。
今の俺はもう多分、最後までできないです」
裸も見飽きたし、見たいとも思わない
絵画で見る裸婦や美術館で見る女性の彫刻は「美しい」と感じるというシュンさん。
しかし目の前にいる生身の女性の裸に対しては、興味よりも嫌悪感のほうが強いのだとか…。
「変わっているって言われれば、それまでですけどね。
それでも付き合いたての頃は、どんな女性に対しても、物珍しさから裸ででもできるんですよ。
でも慣れてくるとダメですね。
美紀とは、もう1年ですからね…、見飽きたし、積極的に見たいとも思いません。
エッチだって頑張って抱いている状態ですから、そのうえ裸でしろなんて言われても、今以上のことは俺にはできないですよ」
◇ ◇ ◇
恋人同士であれ、夫婦であれ、100%同じ価値観を有する男女は稀です。ましてや交際前の男女となれば、なおのことです。少しのすれ違いが、大きな溝に発展することも少なくないのが異性間における現実でしょう。
まさにこれこそが、男女関係における醍醐味にもなれば致命傷にもなる“冷酷と激情”のはざまなのかもしれません。
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