チョコレートだけではござんせんのよ
そんな寒い春の初めですが、まもなく花業界統一イベント「フラワーバレンタイン」がやってきます。日本でもジワジワと浸透してきましたが、視野をグンと広げると、バレンタインデーは世界中が愛と花が溢れる日。
今回は「感謝と思いやりを花に代えて。フラワーバレンタイン」の解説でございます。
バレンタインのそもそもなお話
そもそも2月14日は、ローマ帝国時代に「兵士が戦地に行く気をなくしちゃうから、結婚しちゃダメ命令」を出したローマ皇帝の意に背いて、隠れて結婚式を執り行っていたキリスト教司祭ヴァレンティヌスが、皇帝の怒りを買って処刑された殉教の日。
人々はこの日を「Saint Valentine's Day(聖バレンタインの日)」と呼び、愛の尊さを命懸けで唱え続けた彼の殉教日に祈りを捧げたわけですが、それがいつの間にか恋人の重大イベントに変化!
欧米では「男性から女性へ花を贈る日」となり、日本ではどういうわけか「女性から男性へチョコレートを贈る日」に…。
なんでやねん! と言いたくもなりますが、様々なチョコレートが堪能できるので、ワタクシのようなチョコレート好きには絶対になくしてほしくない日本の不思議文化炸裂の日でございます。
「フラワーバレンタイン」も徐々に定着
とはいえ、日本でも欧米のように、男性が女性へ花を贈る「フラワーバレンタイン」が徐々に定着してきました。
2011年より「花は自由なラブレター」と称して始まった花業界統一キャンペーンですが、最近では「男性から女性へ」に限らず、「大切なあの人へ」や「お世話になっている人へ」など、花贈りの対象は必ずしも愛の告白ではない様相です。
お花屋のワタクシが申し上げるのもなんですが、お中元やお歳暮のような若干重めな感じではなく、子供からご年配までライトな気分で日頃の感謝の気持ちをちょっとオシャレに贈れる、新しい「一年のご挨拶文化」な感じかしら? と思いながら準備をしております。
バレンタインデーは、もはや老若男女問わず愛情込めて「感謝を伝える日」なのかも知れませんな。
愛情と正比例ではないのだよ
猫店長「さぶ」率いる我が愛すべきお花屋は、カントリー風情たっぷりの立地にして、お花文化高めの場所。
なんせ我が店は猫もまたげる敷居の低さなので、母の日には、花を買い慣れないご年配の殿方や小さな子供さんも小銭を握りしめてご来店なさいます。
そしてフラワーバレンタインも、妻や母だけでなく、父に友人に同僚に…と、花を贈る対象は様々。
ささやかなミニブーケ、あるいはバラやガーベラの1本ブーケを複数、お買い求めになられ、実に微笑ましい光景です。
ご予算や大きさなども様々。愛の告白ならば話は別ですが、ブーケの大きさや金額は愛情や感謝の大きさと正比例でなくても良いのでございます。
お花屋さんへ、あるいはネットで注文している時、贈る側は確実に相手のことを想いながら花選びをしています。
バラの花1本だって、お相手への気持ちがなければ贈りませんのよ。美しくも尊いアクションでございます。
人気の花とはなんぞや
贈る側・贈られる側両者とも不動の人気は、バラ。花言葉は色や本数によって各々意味があります。口にするのが恥ずかしい男性は、ご自分の伝えたい思いを花言葉や本数に頼って、花贈りをなさる方もいらっしゃいます。
フラワーバレンタインは季節的にも花贈り絶好のシーズン! 魅惑的な花が多く出揃い、バラとひと言でいったって変わり咲きも美しい。
不動の人気のガーベラも、「これは!」な変形咲きも…。ハッキリ言って選びたい放題!
最推しは「ラナンキュラス」
そんな中でワタクシが激推ししたいのは、この時期トップシーズンのラナンキュラスです。
近年のラナンキュラスの変貌ぶりには目を見張ります。「こりゃバラか?」「こりゃ花びらなのか?」でワタクシのようなお花屋ですら翻弄されます。
そんな悪魔的魅力のランキュラスをほぼパーフェクトに全種見れるのが本当になう! 今なのでございます。
色別に花言葉はあれど、全体的には春色の花びらの見た目そのまま「晴れやかな魅力」。また春に開く大輪の花のイメージそのままに「合格」など、なんだか景気がいい感じです。
そして、ドライフラワーにしても、また違った魅力が楽しめます。フラワーバレンタインで受け取った気持ちを1日でも長く大切にしたいアナタ。
ドライフラワーに挑戦したければ、花が最も美しい時に思い切って花瓶から外し、直射日光を避けた場所に紐で吊るせば、乾燥している冬場は美しく仕上がります。ぜひお試しあれ!
バレンタインデーは世界中が愛と花で溢れる幸せな日。アナタにもそんな幸せが訪れてくれますことを…遠いお空の向こうからお祈りしておりますよ~。
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