この子を育てるのは無理かも…発達障害児がストレスで鏡に刻みかけた言葉

tumugi・ひでまる ツレ婚夫婦ライター
更新日:2024-02-28 15:32
投稿日:2024-02-19 06:00

お風呂の鏡に書かれていた言葉はなんと…

言葉を失った…(写真:tumugi)
言葉を失った… (写真:tumugi)

 ある日の夜、夫から神妙な顔で「風呂の鏡を見た? 俺はもう何も言えない」と言われました。

 とくに思い当たる節がなく、すぐに風呂場へ向かったのですが…。目に入った光景に背筋が凍りました。

 風呂の鏡に「死」と途中まで書いた形跡があったのです。

 何を使って書いたのかはわかりませんが、しっかりと傷がついているため、擦っても消えません。

 おそらく、ストレスがピークに達した際に後先考えず衝動のまま行動したのでしょう。そして、書いている途中で傷跡が残ると気付き、中途半端なままやめたのが容易に想像できます。

「こんなことを書かせるために怒っているわけじゃない」

「もうこの子を育てるのは、私では無理なのかもしれない」

 さまざまな感情が入り混じるなか、あまりの衝撃にただただ言葉を失ったのでした。

もう入院治療しかないのかもしれない

ケガをする可能性がわからない(写真:iStock)
ケガをする可能性がわからない (写真:iStock)

 この出来事があった後、長男の今後について夫と話し合い、以前から医師に打診されつつも、なかなか決められずにいた「入院治療」について決心がつきました。

 医師に話をすると、やはり「これ以上ひどくなる前に入院させた方が良い」とのこと。これ以降は、児童精神科がある総合病院で治療をしていくことになります。

 そのときに医師に言われたのは、

「鏡なんて割れたら危ない。衝動のまま動くから、自分を傷つけることに繋がる行為だということが考えられないんだね。それが一番の問題だ」

 という言葉です。

 それを聞いて、そこまで頭が回っていなかった自分自身が恥ずかしくなりました。

 正直に言うと「まだ家を建てて2年なのに鏡に傷がついた」、「もうこれ以上は長男も私たちもしんどい」という気持ちばかりで、長男の身の安全を心配していなかったのです。

 本当に、もうダメなんだと思います。母親失格です。

 一番つらいのは長男なのに…。でも、私もつらい。助けて欲しい。どうすればいいのかわからない。このままだと、長男が犯罪者になる未来しか見えない。

最後の希望として…

しかるべき治療をさせた方が本人のため(写真:iStock)
しかるべき治療をさせた方が本人のため (写真:iStock)

 だからこそ、最後の希望として長男を児童精神科へ入院させようと思います。賛否両論あるでしょう。

 現に、元教師の父に入院について反対されました。しかし、長男を数日預けたところ「しかるべき治療をさせた方が本人のためだ」と意見が変わったのです。それくらい手に負えない状況なのだと。

 このように、発達障害児を抱える親の悩みは言葉だけでは伝わりません。周りの大人は子どものために良かれと思ってアドバイスをしてくるでしょう。

 しかし、その言葉に一喜一憂する必要はないのです。

 入院させることが間違っているかどうかはわかりませんが、まずは紹介された総合病院に行こうと思います。この続きはまた次回。

tumugi・ひでまる
記事一覧
ツレ婚夫婦ライター
10代で結婚、20代で離婚した3人の子を持つ占い師ライターtumugiと、元妻に2回も不倫サレてバツイチとなった会社員のひでまるが出会い、ステップファミリー(子連れ再婚)に。夫婦ともにFPの資格を所持し、保険会社勤務の経歴を持つ。自らの体験から『ステップファミリーの本音』をテーマに情報発信をしている。ステップファミリーを目指す方の背中を押すべく占い×実体験のアドバイスを用いて活動中!
ブログYouTubeXInstagram公式LINE
◆相談はこちら

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


大谷の“一平ちゃん騒動”で不安 友人との金銭トラブルQ&A~弁護士解説
 ドジャースの大谷翔平(29)の専属通訳を務めていた水原一平氏(39)が、違法賭博に関与したとして球団から今月20日、電...
【スナック超入門編】どんな場所?若葉印のホステスが実感する5大特徴
 みなさんは、そもそも「スナック」がどんなところかご存知でしょうか?  キャバクラやガールズバーとは何が違うの?...
高級クラブのホステス→ギャラ飲み嬢に 面識なしで突然10万円ギフトが…
 経営者や著名人、人気のインフルエンサーも利用する「ギャラ飲み」なるサービスって知っていますか? 東京都内のみならず、全...
「正しくないこと」が「美しくない」とは限らないと知った
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
松田聖子まさかの中大法学部を卒業! 通信制の学び直しで成功する人は?
 先日、歌手の松田聖子さん(62)が中央大学法学部の通信教育過程を卒業したことが話題になりました。近頃、通信制大学で学び...
瞬き厳禁! 春到来の歓びを表現する黒“たまたま”を見逃すな
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
スタレビの名曲が聞きたい!仏教と深い関係のある「木蓮」とその仲間たち
 猫店長「さぶ」率いる我が愛すべきお花屋は、ただいま卒業式や送別など春特有のイベント仕事で、いつにも増して花まみれの毎日...
“炎上常連”麻生さん級の「ルッキズム失言」していませんか?
 最近、よく耳にするのが「ルッキズム」という言葉です。政治家や芸能人が、何気なく言った一言で「ルッキズム発言だ」と叩かれ...
女の敵は女だから?忘れた頃にぼっ発する「専業主婦論争」をガチで考える
 セックスレスやセルフプレジャー、夫婦の在り方などをテーマにブログやコラムを執筆しているまめです。  X(旧Twi...
職場の同僚ランチが苦痛すぎる…一人の時間を確保する4つの冴えた処世術
 業務内容へのストレスより、職場でのランチタイムが苦痛という人は多いですよね。正直、仕事で疲れているのに、休憩時間まで同...
離婚→シンママになり、心底よかったこと4つ 我慢は美徳っていつの話?
 世間では、離婚してシンママになった女性に対して「かわいそう」「大変そう」といったイメージがあるかもしれません。  で...
春まであと少し?
 残雪の甲斐駒ヶ岳を背にすっかり葉も落ちた葡萄畑  春まであと少しが意外と長い
春のお花と記念撮影にゃ! ウサギみたいなしっぽの“たまたま”
 きょうは、ウサギ君みたい! しっぽの短いにゃんたま君に出逢いました。  しっぽが短い猫は長い猫と比べると、臆病で...
ほっこり癒し漫画/第70回「すぷりんぐファミリー」
【連載第70回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場! 「しっぽのお...
男と女の物語、だからこそ「娚」の当て字が使われた
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
「場所代は200円いただくわ」堅実というかケチ!名目別に徴収するママ友
 ママ友と仲が良いといっても、子どもありきの関係。価値観や金銭感覚など、すべてが合うとは限りませんよね。  中には、マ...