真木よう子“まっけんセクハラ発言”はわざと?昭和の価値観をエンタメ化説

堺屋大地 コラムニスト・ライター・カウンセラー
更新日:2024-03-09 06:00
投稿日:2024-03-09 06:00

クールビューティーなイメージだったが…

 ドラマ『SP 警視庁警備部警護課第四係』(2007年/フジテレビ系)や『最高の離婚』(2013年/同)などでの演技が好評で、クールビューティーなパブリックイメージのあった女優・真木よう子。

「『残念プロフェッショナル』の流儀」最新回では、コラムニストで恋愛カウンセラーでもある堺屋大地さんが、今年2月に出演したトーク番組の発言から端を発した真木よう子騒動について分析します。

  ◇  ◇  ◇

新田真剣佑に「“はらませられる”と思った」

真木よう子(俳優・41歳)

 2月18日放送のトークバラエティ番組『だれかtoなかい』(フジ系)のゲストは、真木よう子様と、彼女が対面を熱望して出演した新田真剣佑さんでした。

 真木様はNetflix配信の実写版『ONE PIECE』で、新田さんが人気キャラ・ゾロを演じていたのを観て大ファンになったとのこと。

 憧れの人に会える興奮から暴走気味になっていた彼女の、次のような発言がセクハラではないかと物議を醸したのです。

「エロいんですよ」
「41にして初めて、“はらませられる”と思ったんですよ」
「(『ONE PIECE』劇中のゾロを観て)縛られてる。エッロって思って」

40代男性が20代女性に同様の発言をしたら?

 真木様が新田さんのことを性的視点で観ているのは明らか。

 ネットの声のなかには、もし性別が逆で40代男性が20代女性に同様の発言をしていたら、明らかにセクハラと見なされるだろうという意見もあり、ジェンダーレス社会を目指すうえでこの一連の発言が放送されたことが、不適切だと感じた視聴者は多かった模様です。

 ちなみに、この放送に対して元プラス・マイナスの岩橋良昌さんが、Xに《あ、俺をエアガンで撃った人だ》と投稿し、その人物が真木様であることを明かしたため、こちらも別の問題としても大きく騒がれることに。

 ただこのエアガン疑惑を真木様は全面否定しており、現時点(3月8日)では岩橋さんと真木様、どちらの言い分が正しいのか真偽不明のため、本稿では言及を避けておきましょう。

 では、ここからが本題。

 真木様の新田さんに対する発言の数々がセクハラではないかと騒がれた件ですが、筆者は真木様が「“昭和の価値観”というエンタメ」をリアルにお届けするプロフェッショナルだっただけなのではないか、と考えています。

 現在放送中の阿部サダヲさん主演、宮藤官九郎さん脚本のドラマ『不適切にもほどがある!』(TBS系)が人気を集めています。

 この作品は1986年に生きる昭和のおじさんが、ひょんなことから2024年にタイムスリップしてしまい、コンプライアンスなんてなかったに等しい昭和の価値観のまま、現代の令和で出会った人々に絡んでいく様子がおもしろいコメディ。令和の時代だとアウトなセクハラ、パワハラ、モラハラといったハラスメントまがいの暴言や行動の数々を、上手にギャグとして昇華させています。

 要するに、『不適切にもほどがある!』はハラスメントだらけの“昭和の価値観”を、ドラマというフィクションのなかでエンターテインメント化に成功させた作品なのです。

“昭和の価値観”をエンタメ化

 ここまでお伝えすれば、おわかりになった方々もいるのではないでしょうか。

 そう、真木様はハラスメントだらけの“昭和の価値観”を、トーク番組でエンタメ化しようとしていただけなのです!

 もしかしたら真木様は『不適切にもほどがある!』のファンで、同作へのオマージュ的な意図もあったのかもしれません。

トーク番組はフィクションとノンフィクションの“中間”

 トーク番組はノンフィクションのように思われがちですが、あくまでテレビショーですから、フィクションとノンフィクションの中間のようなコンテンツ。つまりドラマもトーク番組も広義の意味ではフィクションです。

 ですから真木様は、ドラマで“昭和の価値観”のハラスメントがエンタメとして多くの視聴者に喜ばれるのなら、トーク番組でもエンタメとして提供すべきだと考えたのではないでしょうか。

 ――きっと真木様はプロフェッショナルとして、あえてセクハラまがいの発言をし、“昭和の価値観”というヒリヒリしたエンタメを視聴者に届けたかっただけなのです。

堺屋大地
記事一覧
コラムニスト・ライター・カウンセラー
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。現在は「日刊SPA!」(扶桑社)、「smartFLASH」(光文社)にてコラムを連載中。そのほか「現代ビジネス」(講談社)、「文春オンライン」(文藝春秋)、「集英社オンライン」(集英社)、「女子SPA!」(扶桑社)などにもコラムを寄稿。LINE公式サービスにてチャット相談を受け付けており、恋愛カウンセラーとして年間1000件以上の相談を受けている。
公式X

エンタメ 新着一覧


沢尻エリカ不死鳥の如く女優復帰!大衆は真似できぬ人生転落リアルショー
 2月25日、沢尻エリカの女優復帰作となった主演舞台『欲望という名の電車』が千秋楽を迎えました。  「『残念プロフ...
堺屋大地 2024-03-16 06:00 エンタメ
NHK大阪が誘拐未遂事件をぶち込んだのなぁぜなぁぜ? かつ丼コント?
 誘拐犯が捕まってから、愛子(このか)は3日間も学校を休んでいた。スズ子(趣里)は、学校に行くようにと言うが、愛子は友達...
桧山珠美 2024-03-15 14:30 エンタメ
“テレ朝ドラマ”常連・ホンモノの刑事よりも刑事な内藤剛志、降臨!
 大野(木野花)が受けた電話は、3万円払わなければ、愛子(このか)を誘拐するという脅しの電話だった。そして、警察には伝え...
桧山珠美 2024-03-13 14:30 エンタメ
りつ子スパークのラインダンス必見!ワクワクズキズキと笑顔が溢れる回
 羽鳥善一(草彅剛)作曲二千曲記念ビッグパーティーの日が近づいてくる。羽鳥はスズ子(趣里)たちに、パーティーで余興をして...
桧山珠美 2024-03-11 15:30 エンタメ
“ユーミンドラマ”で見せたクソ女の夏帆、そして金子大地と中島歩に注目!
この投稿をInstagramで見る 【公式】「ユーミンストーリーズ」オムニバス夜ド...
第111回ブギウギの“三大なぁぜなぁぜ”…畑仕事する農家の手じゃない!
 梅吉(柳葉敏郎)が亡くなった。葬儀では松吉(木内義一)が号泣しながら、遺影の自慢をする。  そんな中、スズ子(趣...
桧山珠美 2024-03-08 15:50 エンタメ
死の間際までユーモア忘れず、父娘で歌った「父ちゃんブギ」
 久しぶりに香川に戻ったスズ子(趣里)は、梅吉(柳葉敏郎)が写真館を切り盛りし、繁盛していた話を聞く。梅吉が大切にしてい...
桧山珠美 2024-03-07 15:40 エンタメ
NHKさん、経費削減のあおりですか?スズ子の米公演シーンは写真だけ
 アメリカ行きを決めたスズ子(趣里)だったが、愛子(小野美音)は置いていかれることにすねてしまう。  旅立ちの直前...
桧山珠美 2024-03-05 15:35 エンタメ
“電撃婚”大谷翔平の心を射止めた妻はプロ中のプロ彼女。目標はダル夫婦?
 2月29日16時42分のことでした。NHKで衆院政治倫理審査会(政倫審)の中継を見ていたら、<大リーグ・大谷翔平選手 ...
【台湾ルポ】台湾人の祈り方「拜拜」が酔狂的でエキセントリックすぎる!
 日本からのアクセスも良く、週末や連休を利用して旅行が楽しめる海外として人気の「台湾」。台湾グルメを満喫したり、観光スポ...
2024-03-07 18:24 エンタメ
「買い物ブギ」圧巻のステージ!“キングカズ長男”覚醒、スズ子の虜に
 ワンマンショーに向けて稽古や衣装合わせが続く中、スズ子(趣里)は新しいマネージャーのタケシ(三浦獠太)の様子を見て不安...
桧山珠美 2024-03-01 14:30 エンタメ
タナケン「業界」発言に違和感 喜劇界でも演劇界でもないワードチョイス
 タナケン(生瀬勝久)が入院したと聞き、山下(近藤芳正)とスズ子(趣里)は、タナケンの見舞いに行くことにする。  ...
桧山珠美 2024-02-27 15:05 エンタメ
NHKさん、スーパー家政婦・大野さんのレシピ本出版のご予定は?
 大野(木野花)が家政婦としてスズ子(趣里)の家に来て半年、愛子(小野美音)はニンジンを食べられずにスズ子を困らせていた...
桧山珠美 2024-02-26 16:00 エンタメ
芦田愛菜が少し嫌いになりそう…「さよならマエストロ」本筋以外が楽しみ
 イケメンの息子はやっぱりイケメンです。TBS日曜劇場「さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~」を見ながら、確信...
恐るべし、大野さん! おてんば愛子を“瞬殺教育”、白い割烹着は信頼の証
 茨田りつ子(菊地凛子)の紹介で、大野晶子(木野花)がスズ子(趣里)の家政婦として働くことになる。  この日のスズ...
桧山珠美 2024-02-24 13:55 エンタメ
錦戸亮“主演抹消過去”もバネに復活!山ピー、平野ら民放地上波で続々躍動
 2月23日、「不適切にもほどがある!」(TBS系、以下「ふてほど」)に錦戸亮(39)がゲストで登場し、大反響を巻き起こ...
こじらぶ 2024-02-24 16:04 エンタメ