“刺身のツマ”じゃございません! 存在感爆上がりの「かすみ草」最新事情

斑目茂美 開運花師
更新日:2024-04-03 06:00
投稿日:2024-04-03 06:00
 猫店長「さぶ」率いる我が愛すべきお花屋は、神奈川の片田舎にあります。
 大企業の研究所が多数点在しているせいか、他民族の方が住まわれている土地柄。
 毎日なんだかかんだで外国の方の接客をさせていただきますが、先日やたら勢いのある謎のインド人がお二人、バラとかすみ草をお求めにやってきました。

謎のインド人軍団現る

 この“謎”というところがミソで、ご家族と思しき方々がわーっと来店することもたびたび。とにかくたくさんのバラとかすみ草を「安くして!」と大声で言いながら大量購入していくのです。そのあとは、店内のバラとかすみ草が空っぽに…。

 世の中勘違いなさってらっしゃる方が多いのですが、バラはまだしも、かすみ草って意外と高級品。

 今回は「バカにしないでよ! かすみ草は刺身のツマじゃございませんわよ!」の解説です。

かすみ草の存在とは

 フワフワと小さな白い花が枝先にたくさん咲くかすみ草は、儚げなイメージと相まって昔から女性に好まれ、花言葉も「感謝」「幸福」「清らかな心」「無邪気」など見た目通り。

 かすみ草だけの花束を作る機会も多く、根強い人気商品です。最近は白でだけでなく青やピンクなど染めたかすみ草も支持され、近年の“JKには花がマスト”という風潮と相まって、若者を中心にかすみ草の存在が爆上がりしております。

 お花屋にしてみれば、どんな花とも違和感なく合わせられる万能選手なので、“困った時のかすみ草頼み”

 お客様もかすみ草の名前はご存じなくても、「白くてチョロチョロした花」と仰れば、それは大体かすみ草です。

外国の方にも大人気

 我がお花屋にやってくる外国の方々も、不動の人気であるバラと合わせて、「White」「little」「small」と連呼され、しまいにはフワフワのジェスチャー付きで“かすみ草を入れてくれぃ!”と猛アピール。痛み入ります。

 かすみ草は英名で「Baby's breath」(赤ちゃんの吐息)と呼びますが、そうお伝えしたところでお分かりいただけませんけど。

年齢によって認識にバラつき?

 10代20代の若い方は男性でもかすみ草という花の存在をご存知ですが、年齢層が上になると「花束に入っている白い小さな花」程度。

 きっと安価で他の花を引き立てる「刺身のツマ」みたいなもんでしょ? 的なイメージの方が多いようで…。

 ですが、ハッキリ申し上げて、かすみ草ってそんなに安くないの。時期も時期なら正直1本1000円近くする高級品の部類でござんすのよ。

「刺身のツマ」には大変失礼な言い方ですが、かすみ草は刺身のツマにあらず。由々しき事態なのです。

春は高値だけど…

 日本全国のお花屋さんは春は超繁忙期。卒業式シーズン、お彼岸と年度末、そして入学式と年中お花に触れる職業にも関わらず、「こんなに…」と思うほどの大量の花を仕入れます。そして今年は稀に見る高額での売買が続いた年でもござんした。

 要因は流通価格と想定外の気温による不良、そして需供給のバランスの悪さなどさまざまですが、ぜひ皆さまには「花は高級品」と敬遠していただきたくないのです。

たとえ一輪の花であっても…

「花は心豊かに生きるための必需品」と思っていただきたい。たとえ一輪の花であっても、アナタご自身で自由に操作できる最強のパワースポットなのだと知っていただきたいのです。

 花の高値はしばらくすれば落ち着いてきます。多くの方が「刺身のツマ」と思っていらっしゃるかすみ草は、変わらず多くの花の美しさを高め、自らの存在もきっちりアピールいたします。

 かすみ草は高額であるなら高額で、そこをうまく工夫して使いこなすのが、お花屋の技! どうかアナタが選んでコンタクトをとったお花屋を信頼してくださいませ。

 フワフワなかすみ草が春の優しい風をアナタに届けてくれることを…遠いお空の向こうからお祈りしておりますよ~。

斑目茂美
記事一覧
開運花師
半導体エンジニアを経て花業界に転身。イベント・ホテルなどの装飾も手がける生花店を営む傍ら、コンテストで優勝・入賞を重ね、雑誌・新聞等に作品を発表する。神奈川各所にて花教室を開催。障害者支援も花で実践。悩ましくも素敵なお客様を「花」で幸せへと導く道先案内人。ブサかわ猫店長「さぶ」ともに奮闘中。Facebookやってます。

ライフスタイル 新着一覧


親バカ上等!いうて夫よりマシかも?子どもの可愛すぎるお手伝い失敗談
 子どもはいつだって、ママを助けたい、褒められたい、役に立ちたいと思っていますよね。だから、小さい子どもはママを喜ばせよ...
惚れてまうやろー!彼氏より気が利くChatGPTに「好き」について聞いた
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
ほっこり癒し漫画/第65回「パカラパカ、春のひとみにタツノオトシゴ」
【連載第65回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、突然「コクハク」に登場! 「しっぽ...
恐怖の親知らず抜歯!30女が超ビビりながら人生初抜歯した話
 皆さんは親知らずがまだ生えていますか? 筆者は30代になってもすべての親知らずが生えたままです。  歯は大切にしてい...
千代田区民は“勝ち”だよね。通勤ラッシュを知らない自分は上流階級層の女
――『東京の中心に暮らす、ということ』…なんてね。  鈴木綾乃の頭の中にマンション販売のコピーのような、そんな言葉...
え…? 優雅な御茶ノ水ママ友会をブチ壊した、地方出身者の悪気ない一言
 御茶ノ水駅が最寄りの持ち家に住む薬剤師の綾乃。2歳年上の夫・孝憲と4歳の娘・香那と3人家族で余裕ある生活を送る彼女は、...
世帯年収1500万円でも越えられない壁。耐え難い屈辱を喰らった女の選択
 御茶ノ水駅が最寄りの持ち家で2歳年上の夫・孝憲と4歳の娘・香那と3人家族で余裕ある生活を送る彼女は、ママ友と共に充実し...
たまにはこんな日もあるよね? 終電を見送ってしまった夜
 久しぶりの仲間との時間が楽しくて、「あと1杯だけ」「あと10分だけ」を続けていたら終電を見送ってしまった。  だ...
「自責と他責」バランス上手な大人が口癖にしている神ワード
 ここ数年、自責思考・他責思考みたいな話題をよく見かけませんか? 私はもう見るたびに「うるせぇ~!」となっている反面、し...
出張ホスト、ママ活、女風…女性の金目当てに上京する男性が増えている!
 近頃は地方移住が話題となっていますが、その逆に「地方では稼げないから上京する」男性も出てきています。  出張ホストや...
ご飯をありがとにゃ! お母さんが大好きな“たまたま”君たち
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
荒れる2024年幕開け 花屋が祈りを込めた「復興と希望」の花束
 2024年が明けました。今年は元旦から思いもよらないことが起こって、まさに辰年。大きな変化の年が始まったようでございま...
2024年こそシンデレラボディ!フェロモンジャッジで分かるケア&香り術
 素敵な女性はいい香りがする――。  そう感じるのは、肌から放たれるフェロモンの効果。フェロモンが高まると色気だけ...
動物は「あったかい場所」を見つける才能があるみたい
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
暇すぎ死にそう…大きな声じゃ言えないけど仕事中にばれない暇つぶし5選
 同じ仕事でも、忙しいと時間は早く過ぎ、暇すぎると永遠に時計が止まったように見えるもの…。とはいえ、仕事の拘束時間なので...
見上げた青空が眼に染みて…1日に1回くらいは空を眺めてみる
 青空が眼に染みると思ったら、しばらく空を見上げていなかった自分に気が付いた。  うつむいて歩くのがクセになってい...