トラコ入学、伊藤沙莉は表情筋を自由に操る女優…男装の山田よねにも注目

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2024-04-08 18:38
投稿日:2024-04-08 16:10

NHK朝ドラ「虎に翼」~第2週「女三人寄ればかしましい?」#6

 昭和7年。晴れて「明律大学女子部法科」に入学した寅子(伊藤沙莉)のクラスには女子の憧れの的の華族令嬢・桜川涼子(桜井ユキ)や留学生の崔香淑(ハ・ヨンス)らがいる。

「女性に弁護士資格が認められる法改正はまもなく」という学長の言葉や、穂高教授(小林薫)との再会もあり、やる気に胸を膨らませる寅子。

 新入生案内が終わり、張り切る寅子に、山田よね(土居志央梨)は「ヘラヘラしてうっとうしい」と言い放つ。

【本日のツボ】

表情筋を自由に操るヒロイン

 ※※以下、ネタバレあります※※

 晴れて明律大学女子部に入学したトラコ。「君たちは法曹界の、いや婦人の社会進出という明るい未来そのものだ」という学長の言葉に、目を輝かせています。

 本当にキラキラしているように見えるから凄い。自在に操ることができる表情筋といい、あらためて伊藤沙莉の芝居に魅了されっぱなしです。

 家を出る時、「いったいどんな子が来るのかしら。法律を学びたい女の子なんて、変わり者に決まってます」と母・はる(石田ゆり子)が言っていたように、女子部の学生たちは個性派揃いでした。

 なかでもトラコが「素敵~! 水の江瀧子みたい」と思わず口にした男装の山田よね(土居志桜央梨)に注目です。

「おちょやん」では、ヒロインが働く芝居茶屋「岡安」(女将さんは篠原涼子でした)の先輩お茶子さん役を演じていました。

 あの時もちょっと怖くてとっつきにくい感じでしたが、今回もトラコに「ヘラヘラしてうっとうしい」と先制パンチ! 恋愛ドラマだと最悪の印象から恋に落ちるのが常ですが、こちらはどうなりますやら!?

帝都新聞の竹中に、「ブギウギ」鮫島の匂い!?

 もうひとり、気になる登場人物が…。トラコと穂高教授が話をしているところに、「お二方にお話を伺ってもよろしいですか?」と記者が現れます。

「私もですか」と喜ぶトラコですが、いかにも含みがありそうな記者に嫌な予感がします。

 帝都新聞の竹中(高橋努)と名乗る記者、あの「ブギウギ」のゴシップ記者・鮫島と同じ匂いがプンプンしました。

「より一層勉学に励もうと思います」と意気込むトラコの言葉に、穂高教授と2ショットの写真を撮ってもらったときの「得意げな表情」がなにかの伏線でなければいいのですが。

桧山珠美
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大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。読売新聞「アンテナ」、放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

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