寅子「あきらめたらそこで終わり」はもしや…名作漫画のイズムにニヤリ

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2024-04-11 15:25
投稿日:2024-04-11 15:25

NHK朝ドラ「虎に翼」~第2週「女三人寄ればかしましい?」#9

 傍聴した裁判について尋ねた寅子(伊藤沙莉)に対し、穂高(小林薫)は皆で議論してみるよう促す。

 暴力を振るう夫からなんとかして着物を取り返す方法を懸命に考える寅子、涼子(桜井ユキ)、梅子(平岩紙)、香淑(ハ・ヨンス)。寅子と同じように憤りを感じていたよね(土居志央梨)も今回ばかりは一緒に頭を悩ませていた。

 裁判の結果が気になる寅子たち女子部の面々は判決を見届けるため、課外授業として裁判所に向かう。

【本日のツボ】

「あきらめたらそこで終わりじゃないですか」(寅子)

 ※※以下、ネタバレあります※※

 どうあがいても、現状の法律では暴力夫から着物を取り返すことは不可能とあきらめ、“スン”モードの同級生たちに寅子がこんなことを。

「はて?」

 どこかで聞いたような…と思ったら、そうです。「SLAM DUNK(スラムダンク)」安西先生の「あきらめたらそこで試合終了だよ」です。寅子の中の安西イズム、にニヤリです。

 シソンヌじろう、長谷川の法廷コント(?)もいよいよ佳境に。夫は弁護士といっていた梅子の夫がじろうだったらどうしましょ、と思ったのですが、回想シーンで梅子に強くあたった夫は明らかにじろうではなさそうなので、ほっとしました。

 女子部の勇姿たちが固唾をのんで見守るなか、いよいよ明日は、判決が下されます。

【おまけのツボ】

甘味処・竹もと

 図書館で資料を借りた寅子たちは大学近くの甘味処・竹もとへ。華族の令嬢・桜川涼子(桜井ユキ)のお付きの玉(羽瀬川なぎ)が、黒蜜をとろりとかけて食べていたみつ豆のなんとおいしそうなこと。玉ちゃんの表情も最高でした。

 朝から、お口がみつ豆モードに。「竹もと」のモデルと思われるのは神田「竹むら」。いつか聖地巡礼したいものです。

桧山珠美
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大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。読売新聞「アンテナ」、放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

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