久しぶりの再会
――つらい失恋を味わったからこそ、恋愛に慎重になる気持ち、十分わかります。続けてください。
「新大久保の韓国料理店『M』に入るなり、カウンター席にいたソジュン君が嬉しそうに笑みを向け、立ち上がったんです。
――愛香さん、会いたかった。
彼は私のためにイスを引き、脱いだコートもハンガーにかけてくれるなかなかのエスコートぶりです。
カウンター内にいたママも、
――愛香ちゃん、いらっしゃい。ソジュン君たら30分も前から待っていたのよ。
なんと、30分前から来店していたことを教えてくれました。
――ママ、それは秘密!
照れ笑いをする彼の隣に私も座り、マッコリで乾杯をしたんです。
――愛香さん、会えて嬉しいです。
――私も…。
会いたい時は彼の自撮り写真を見て、熱い吐息をついていたことは内緒にしました(笑)。カウンター下のひざが触れ合い、さらにドキドキしながらも平静を装って…。
恋人の承認が欲しい
ママお手製のチヂミやサムギョプサル、鍋物を食べている間も、私はキスのことが気になって仕方ありません。
いえ、その前に『2人はちゃんとお付き合いを始める』と恋人の承認が欲しかった。しばらくすると、私は酔いに任せてつい言ってしまったんです。
――一昨日のおやすみLINEには驚いちゃった。でも、翌朝、何もなかったように、『おはよう』って自撮り写真を送ってくるんだもの。ソジュン君、いじわるね。
――僕、なんてLINEしましたっけ?
彼はとぼけたように、微笑を浮かべたんです。
――もう、言わせないで。
私が唇を尖らせ、ひざをトンと打ちつけると、彼は笑みを深めました。
――愛香さん、どんな表情も可愛い。もっと怒った顔も見たいな。
――大人をからかわないの。
――もっとプンプンして。
――絶対しない。
こんな他愛のない会話が続きました。店が混んできたので、ママはスタッフたちと料理を運んだり、常連客の相手をしたりと忙しそうで…。
食事を終えた私たちは店を出ることになったんです。
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