控えめな家族葬が200万ってマジ? 祖母急死で痛感!葬儀業者の“こっそり上乗せ”テク

更新日:2024-07-02 16:36
投稿日:2024-05-27 06:00

 幼い頃に両親が離婚し母方の実家で暮らすことになりました。そんな筆者を優しく迎えてくれた祖母が2023年の11月に他界。

 兼ねてから「自分の葬儀は控えめに」と口にしていた祖母のいいつけに沿い、家族葬での小規模な葬儀を準備するはずだったのですが、まさかあんなことになるなんて…。

 今回は筆者が実際に体験した、死亡確認から葬儀の取り決めまでの失敗談をお話ししたいと思います…。いつか来る「その日」のために、みなさまの参考になれば幸いです!

 

死亡確認から葬儀業者の選定まではたったの10分!?

 87歳だった祖母はもともと心臓が弱く、就寝の準備中に突如心不全を起こし、そのまま帰らぬ人となりました。いつかは来ると覚悟していた「その日」があまりに唐突にやってきたことに、一緒に暮らしていた母も動揺が隠せませんでした。

 しかし筆者たちに大事な身内の他界に傷心する時間は、全くありませんでした。

早くしなければ! の思いが先立ってしまい…

 祖母が亡くなったのは午後の8時ごろ。右も左も分からないままネットで見つけた葬儀会社に連絡して、遺体の安置から火葬場への搬送までを請け負ってくれるサービスを利用することにしました。無事に葬儀会社が祖母の遺体を搬送したのは、午後9時30分ほどになってからでした。

 振り返ってみると、死亡確認から葬儀会社を決めるまでの時間は、わずか10分ほど。もう少しゆっくり決めてもよかった気がしますが、病院の緊急搬送室のなかでは悠長に考える余裕はありませんでした…。

 とにかく早くしなければ! という思いが先立ってしまった筆者と家族。本当であれば、以前親族が亡くなったときに利用した葬儀会社を選びたかったのですが、すぐに調べることができず…。利用したことのない、新規の葬儀会社を頼ることになってしまいました。

祖母が他界した15時間後には「200万円」の葬儀プランを発注!?

 祖母を無事に安置場所に搬送。一息つき祖母との思い出を振り返りたい、愁傷の想いでいっぱいでしたが、その時間は与えられませんでした。祖母が亡くなった翌朝10時。葬儀会社のプランナーが、自宅にやって来て葬儀の費用を見積もってくれることになりました。

 葬儀について話を聞いてみると、火葬場は予約が詰まっていて、すぐには利用できず、最短でも7日後であること。また葬儀の費用に加えて遺体のケアや保管料、棺桶の代金が別途かかることが分かりました。

 話を聞いた筆者たちは、プランナーに参列者15人前後の小規模な家族葬で、最低限度のプランで組んで欲しいという旨を伝えました。

 そうしてプランナーから提案されたのが、「200万円」のプラン…。これなら献花なども質素にして、つつましくお見送りできるとの説明を受けました。

 葬儀の段取りを決めることなど初めての筆者と母は「なんか高い?」と感じつつも、他の葬儀会社の料金を確認する時間もなかったため、金額ひとつとっても高いのか安いのか、判断できませんでした。

 そのため「葬儀はお金がかかると聞くし、こんなものなのかな?」と提案通りのプランを承諾。とは言え、その場で判断を下すのは怖かったため、契約は保留にし、午後からは提案してもらったプランについて親族への連絡が始まりました。

「200万円」はやっぱり高い? 家族葬にかかる費用の平均をリサーチ

「200万円」という葬儀費用に待ったをかけたのは、筆者の叔父にあたる母の兄でした。叔父は「200万円」という費用を1度は承認したものの、翌日になって職場の仲間に相談。「家族葬ならもっと安くなるはず」と意見をもらい、プランの見直しを提案してくれました。

 祖母の身辺整理をすると以前お世話になった葬儀会社も見つかったため、筆者の母はその葬儀会社に価格交渉含め相談すると…。

 あいみつを取った葬儀会社であれば遺体の保管や棺桶代も含めて「80万円」での実施が判明! どうやら、最初にプランを立てたプランナーは、献花や棺桶のグレードを最低ランクよりも高いものに設定していたことが発覚。また飲食代などの不要なオプションなどを外すことで、もっと少ない予算で葬儀を実施できると分かったのです。

 やはり予算はもう少し抑えられそう…。加えて、以前に親族がお世話になった安心感もあり、葬儀会社を変更することを決意しました。

 ちなみに、全国一律料金の葬儀を執り行う葬儀会社「小さなお葬式」が、2022年7月に行った「葬儀費用に関する調査」によると、家族葬を選択した家庭の葬祭費用の平均は「110万円」。飲食やお布施などを除いた「葬儀そのものの費用」の平均は約75万円で済んでいるという調査結果が出ています。

 こうしてみても、最初に提案された費用が高めの設定だと分かりますね…。最低限のプランでお願いしたのに、なぜ…。やはり、第三者の言いなりになって物事を決めるのは危険ですね…。

キャンセル拒否? 贔屓の葬儀会社に変更するための奮闘

 葬儀会社を変更するため、プランナーに連絡をすることに。予算がオーバーしていることや、懇意にしている葬儀会社がみつかった事情を伝えて、キャンセルする旨を伝えました。

 ところが、プランナーはキャンセルの申し出を拒否…! 変更先の葬儀会社についての悪評などを口にして、なんとしてもキャンセルを阻止しようとするのです…。

 まくし立てるようなプランナーの発言に驚いてしまったのか、母は電話の最中に号泣。いったん電話を切ることになりました。母は意見を全然聞いてもらえなかったことと、キャンセルに対する罪悪感で感情が爆発してしまったようです。

 最愛の家族を失いながらも葬儀の段取りを進めていた母に対して、まさかの対応に怒りがこみ上げてきた、筆者と親族。トラブルを知った叔父は、プランナーが所属する葬儀会社に異議申し立ての連絡を入れました。 

 対応の悪さを重くみたプランナーの上司の方が対応し、キャンセルは無事に成立。さらに謝罪の意味も込めて、すでに発注が進んでいた棺桶代や祖母の遺体の保管料(おそらく6~8万円ほど)の料金は無料になりました。

 その後、懇意にしていた葬儀会社によって火葬と葬式は滞りなく終了。生前話していた祖母の思いに沿って、親族と祖母の友人による最後のお別れができたと感じています。

“魔の3日間”から学んだこと

 とはいえ、祖母が亡くなってからキャンセル騒動が発生した“魔の3日間”は、今でも忘れられません。みなさまにおかれましては、万が一のため、最低でも葬儀を依頼する葬儀会社と、想定する葬儀費用だけでも確認しておくことをお勧めします。

 先立つ者の冥福と残された遺族の安寧のためにも、この失敗談がお役に立つことを心から願うばかりです。

(取材・文=ともか/キジカク)

▽ともか 1989年生まれ、神奈川県出身。大学卒業後、保険外交員として就職したが、編集プロダクションに転職・独立を果たした。生活に役立つライフハック系のネタをいつも探している。写真撮影が趣味で、自らが編み出したライフハックを撮影して、ウェブメディアなどを通して発信中。

ライフスタイル 新着一覧


人生一度きり! アフターコロナの変化を上手に受け入れるための心構え
 令和5年5月にコロナが5類感染症に移行してからというもの、だんだんと以前の生活に戻りはじめているこの頃。皆さんは、アフ...
「誰かいい人いるといいね」は余計なお世話?2023.7.12(水)
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
疲れやすい40代にぴったり!新しい休暇スタイル「ホカンス」の楽しみ方
「心身ともに疲れやすくなったな〜」と感じているアラフォーは多いはず。せっかくの休日も家でダラダラ過ごしているうちにあっと...
めんどくさい女友達に振り回されるの苦痛過ぎる! タイプ別対処法を紹介
 いくつになっても悩みが尽きない、女友達との関係。なかには、親しくしているけれどちょっとめんどくさい女友達もいますよね。...
ぬいぐるみと格闘中!「ジオラマ食堂」のやんちゃ“たまたま”
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
飲みたいけど楽しめない? お洒落な居酒屋でも“母親だから”に縛られる
 ステップファミリー6年目になる占い師ライターtumugiです。私は10代でデキ婚→子ども2人連れて離婚→シングルマザー...
仲悪い義理の妹がストレスかけてくる…うまく付き合う方法あるの?
 結婚すると、必ずついてくる家族同士の関係。よく姑と嫁との確執の話は聞きますが、「仲悪い義理の妹との付き合いがしんどい!...
あるべき世界が戻ってきた 夏はすぐそこに 2023.7.10(月)
 去年の夏は何してた? あまり家の外に出なかった記憶がある。  猛暑の中、みんながマスクをつけていた。不思議な光景...
「性格悪いな…」要注意! 腹黒性格ブスが仕掛けてくる罠LINE3選
 世の中には「深入りしないほうが良い人」が存在するもの。もしかしたら、今あなたが仲良くしている人こそが距離を置くべきタイ...
週休2日制そろそろ限界説を唱えてみる 2023.7.9(日)
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
鋼っぷりハンパない!メンタルが強い人の特徴6つ、取り入れても◎
 職場に一人はいる、メンタルが鋼のように強い人。たまに「この人鈍感なのかな?」と思うこともあるかもしれませんが、メンタル...
「陽キャは苦手」の概念が変わった!相手を“きもちく”するLINEテク3選
 暗い性格の人を「陰キャ」、陽気な性格の人を「陽キャ」と呼ぶのが浸透してきました。特に「陽キャ」はコミュニケーション能力...
片頭痛持ちの人は避けたい5つの食べ物 2023.7.8(土)
 嫌なタイミングで起こる頭痛。睡眠不足やストレスなどの生活習慣が原因のこともありますが、普段食べている身近な食べ物も頭痛...
すいかばかのレシピ~'23年<3>山梨で唯一、すいかを作る星に生まれた男
 山梨県のすいか生産量が全国47位、つまり最下位である理由。それは山梨県ですいかを作っているのは、「寿風土(こどぶきふう...
ヤバい輩湧かない?30代独女が0円で「語学交換アプリ」に1カ月挑戦!
 海外の観光客も戻り、ようやく観光地が賑わいを取り戻した昨今。日本からも海外へ旅行しやすくなり、「外国語を話せるようにな...
2023-07-08 06:00 ライフスタイル
梅雨色の景色を楽しむ 2023.7.7(金)
 この時期の雲は分厚くて、空が低い。  流れる雲を目で追っていたら、湿気を含んだ風が吹いてきた。  こうして...