視聴率苦戦だから失敗に物申す!山下智久と錦戸亮、5年ぶり民放作の意義

こじらぶ ライター
更新日:2024-05-25 06:00
投稿日:2024-05-25 06:00

天才・晴原の見せどころがない回も…

 第4話にいたっては、晴原に付く出口夏希(22)演じる新米研究助手・雲田彩の姉妹の物語が展開され、竜巻が発生するも大事には至らなかった。いよいよ天才・晴原の見せどころがない。

 こうした流れで「ブルーモーメント」は視聴者離れを起こしてしまったが、やはり「コード・ブルー」の藍沢耕作よろしく、逞しい肉体美を誇る山下が現場の最前線で人の命を救う姿を期待した視聴者を、“思ってた山Pと違う”と落胆させたことが大きな要因だろう。

 巨大なひょうが降り重症患者が出て、晴原含め濃霧の中で緊急車両で現地に突っ込んでいく救出劇を描いた第5話は、平均世帯視聴率6.1%とやや持ち直している。

主人公の赤楚衛二に共感できない

「Re:リベンジ」の苦戦の原因はより明白だ。主演の赤楚衛二(30)演じる天堂海斗は、父親が亡くなってから天堂記念病院の理事長の座を継ぐまでに、様々な陰謀に巻き込まれる。だが、海斗の言動は“甘えたお坊ちゃん”にしか見えず、主人公に共感できない。

錦戸演じる“敵役”の人間像が分かりづらい

 生前、権力にしがみついていると父親を非難していた海斗。自身は医学部を道半ばで退学し、週刊誌記者としてもやる気を見せていなかったが、敵対する錦戸演じる外科医・大友郁弥への対抗心などで理事長の座を奪うと、欲望を丸出しにする。

 しかし、医療においても経営においても素人な海斗は、頭のキレる大友にハメられるなど、大病院を巡る思惑に振り回されている。そんな海斗に対し、大友は医師としての技量は確かながら、何を考えているか分かりづらく、天堂家を貶めようとしているように描かれている。

 だが、医療や経営面で正論を放ち、実は患者の子どもに優しく男気のある一面を見せるなど、大友は極めて魅力的な人物に描かれている。もちろん、それは円熟味を増した錦戸の妖艶さや憂いを帯びた表情があってこそで、大友をダークヒーローとして主人公にした方が良かったのではないかという声まであがっている。

 海斗の“甘えたお坊ちゃん”ぶりについていけずドラマ視聴からは脱落しても、大友を演じる錦戸には好印象を持っている視聴者も多いのではないだろうか。

山下、錦戸の役者ポテンシャルは“証明”された

「ブルーモーメント」では、もっと分かりやすいヒーローである山下が見たいという需要を高め、「Re:リベンジ」ではどんな脚本であっても錦戸は魅力的に見えることを証明して見せた。その点において、2人の民放復帰作は十分意義があったように思う。

こじらぶ
記事一覧
ライター
STARTO ENTERTAINMENT、秋元康系女性アイドル、ローカル、地下アイドル等数々の現場を経験。Xでもご意見を募集しております。

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


夫婦水入らずの何気ないシーンが描いたもの。爆速で進む物語、子どもたちは誰が誰やら…
 8年にも及ぶ「原爆裁判」を終えた寅子(伊藤沙莉)たち。竹中(高橋努)は渾身の記事を書き、よね(土居志央梨)と轟(戸塚純...
桧山珠美 2024-09-12 16:53 エンタメ
【写真特集】若っ!金髪姿の岡田将生。浴衣、くるんくるんパーマヘアも…
【この写真の本文に戻る⇒】岡田将生「ラストマイル」沼にハマる人続出!「虎に翼」との共通項も考察
岡田将生「ラストマイル」沼にハマる人続出!「虎に翼」との共通項も考察
この投稿をInstagramで見る 映画『ラストマイル』公式【大ヒット上映中】(@...
朝ドラ史上、いやテレビ史上に残る名判決シーン。「政治の貧困」の言葉が胸に突き刺さる
 昭和38年6月、桂場(松山ケンイチ)は最高裁判事のひとりに任命される。  竹もとで修業に励む梅子(平岩紙)、そし...
桧山珠美 2024-09-07 06:00 エンタメ
夕飯のカレーで描いた星家の“遠慮のない家族”への変化。入山法子の名場面を振り返り
 昭和37年1月、「原爆裁判」の原告のひとり、吉田ミキ(入山法子)が法廷に立つことを承諾。広島から上京してきたミキを、原...
桧山珠美 2024-09-05 17:30 エンタメ
虎に翼の脚本は朝ドラ特有の“中だるみ”なし!塚地出演「あさイチ」との連携プレイにも救われた
 昭和34年、優未(毎田暖乃)は高校1年生に。直明(三山凌輝)と玲美(菊池和澄)の間に子供が産まれ、猪爪家はますますにぎ...
桧山珠美 2024-09-02 17:30 エンタメ
東出昌大“狩猟系イケメン”面目躍如。通り過ぎていった女性たちは何を思う
 期待に応える男、東出昌大(36)がまたまたやってくれました。今度は“デキ婚”ですって。いつかやってくれるだろうとは思っ...
第110回感動のラストシーン! 余貴美子演じる百合さんの“ある台詞”がとっても可愛かった
 寅子(伊藤沙莉)たちとの同居がつらいと本心を語り、家を出ようとするのどか(尾碕真花)。そんな彼女に、優未(毎田暖乃)は...
桧山珠美 2024-08-31 06:00 エンタメ
【写真特集】10年前の初々しい東出昌大。オールバック、ナチュラル、横流し…髪型3変化
【この写真の本文に戻る⇒】杏との離婚から4年、東出昌大“デキ再婚”で話題の養育費問題。子のために前妻が即やるべき事【弁護...
虎に翼108回目でお見事だった2つのシーン。世の中の“普通人”の理不尽な思いを代弁させた
 稲垣(松川尚瑠輝)と小橋(名村辰)にも手伝ってもらい、裁判所で中学生向けの法律の勉強会を開いた寅子(伊藤沙莉)。だが話...
桧山珠美 2024-08-28 17:15 エンタメ
松本人志はいまや「憧れの芸人」ではない。若手芸人が話す3つの理由
「生きるお笑い界の伝説」ことダウンタウン松本。還暦を迎えた今も大人気の冠番組を複数抱え、お笑い界で最も大きな発言権を誇る...
帽子田 2024-08-28 09:38 エンタメ
なんて賢い子!“星家イチのオトナ”が優未だった件。27日あさイチに“料理男子”井上祐貴が降臨
 寅子(伊藤沙莉)と優未(毎田暖乃)は星家で暮らし始めるが、航一(岡田将生)の長男・朋一(井上祐貴)、長女・のどか(尾碕...
桧山珠美 2024-08-26 17:35 エンタメ
木戸大聖が世間に見つかってしまった!月9「海のはじまり」スピンオフでファン急増中
 めめ(目黒蓮)の体調不良が心配でなりません。現在、フジテレビ系月9「海のはじまり」に主演していますが、Snow Man...
寅子の「心が躍るような」結婚式。放送残り1カ月ちょっと、NHKにスピンオフで描いてほしいこと
 お互いそれぞれの名字を名乗ったうえで、「夫婦のようなもの」になることを決めた寅子(伊藤沙莉)と航一(岡田将生)。猪爪家...
桧山珠美 2024-08-24 06:00 エンタメ
平手友梨奈がHYBEと契約終了、2度目の退所で訪れる転機。神童が“本物”に返り咲く日
 平手友梨奈(23)が今月8日、韓国の大手芸能事務所「HYBE」日本本社のレーベル「NAECO」との専属契約を終了した。...
こじらぶ 2024-08-24 06:00 エンタメ
【写真特集】女子アナ時代、初々しい浴衣姿の田中みな実
【この写真の本文に戻る⇒】 なぜ田中みな実は「いらん一言」を放つのか。女優ヅラ発言の真意を考察