お店で見かけたら幸運! 超レア「バードネスト」の正体は野良ニンジン!?

斑目茂美 開運花師
更新日:2024-06-05 06:00
投稿日:2024-06-05 06:00
北海道出身の主人とは衣食住、風習や慣習など折に触れ、関東で生まれ育った者(ワタクシ)との違いを感じます。結婚当初は行き来も多く、農作物や海鮮物ひとつとっても結構なカルチャーショックでした。特に車の運転は皆さん威勢が良すぎて…広大な大地を前に気持ちもデカくなっちゃうのでしょうかw。

北海道は宝の山

 そしてお花屋になった今、北海道という土地の見方がだいぶ変わってまいりました。車や電車の車窓から見る自然の景色に驚愕するのもつかの間、「300円」「500円」「1000円かなぁ」。

 しまいには「どうやったら飛行機に乗せられるか…」などと枝いっぱいに真っ赤な実がたわわに付いたナナカマドの並木道を眺めながらマジで考えちゃうw。そうです、北海道は宝の山!

 そんな宝の山の中でも、長~い道端に咲いていた「なんじゃこりゃ!!」が今回の主役、「横文字にするとオシャレなバードネスト」の解説です。

バードネストってなんですか

「ノラニンジン」といえばご存知の方もいらっしゃるかもしれません。ノラニンジン=野良のニンジンは、ニンジンの野生種ではないかぃ? と言われております。

 道端や路地に勝手に繁殖し、北海道や高地などではよく見かけます。セリ科の花は見た目はなんだか「レースフラワー」。色が白だったり若干黒っぽかったり。お花屋さんではやや黒っぽい極太に育てられたお花が「ブラックレースフラワー」といった名前で売られていたりします。

 ニンジンというからには食べられるようです。毒性はなく、花・葉・茎・根と全て食用OKとのことですが、根は硬くておいしくはなさそうですけれども。

 ワタクシが野良で咲くこの花を初めて見たのは北海道の車道でしたが、持って帰ることなどできないのにわざわざ車を停めて大喜びで摘んだことを思い出します。

 野良で生えた花はやたらと力強く、茎も太くて花もデカイし丈も長い。「極強レースフラワー」が何キロも続く北海道の広道の両端に列を作るように咲く様は、白い花の滑走路を走る夢を見ているような気分になりましたな。

 そんな野良のニンジンが咲き終わった後できる実のなり方が、なんじゃコリャ?な形態…。

野良からいきなりオシャレに変身

 お花屋さんで売られている一般的なレースフラワーは線が細く、たくさんの小さな白い花が集まって文句なく可愛い。イメージは大草原をスキップしながらはしゃぐナチュラル少女といったところでしょうか。

 その一方、レースフラワーによく似たノラニンジンの白い花は茎も含めて若干強めで、花が終わって実ができると途端に不思議な形に変化し始めます。

 くるんと内側に巻き込むようにまるまった無数の細い茎が自然にできたリースのよう。大きなものになれば、パッと見「鳥の巣」にも思えます。

 ということで、名前も「バードネスト(鳥の巣)」とオシャレにも程がある名前に変わっちゃうのです。「野良」からいきなりの横文字。随分扱いが違うじゃないのw。

超レア商品! バードネストを見逃すな!

 バードネストはそのままでも個性的な商材ですが、色がナチュラルなグリーンであるのに、他の風変わりな植物と合わせても決して負けません。ドライフラワーとしても楽しめ、かつ異彩を放つ存在になるので、今やオシャレなお花屋さんには大人気の商材。元は野良なんですけどね…。

 田舎ではよく見るぺんぺん草も「タラスピ」なんてオシャレにも程がある名前に変化したかと思えば、ローズゼラニウムやミントのようなハーブも同様。イカした花束やアレンジメントには欠かせない商材に格上げになる日がくるなんて…。人の固定概念ほど当てにならないものはないですね。

 野辺に咲く風に揺れる白い涼やかなノラニンジンの花言葉は「幼き夢」。無邪気に摘む子供の姿が思い浮かびます。そしてバードネストが意識高めなお花屋さんの店頭に並び始めると、季節はもう夏に向かっています。もしもお花屋さんで見かけたら、超レア商品ですのでお見逃しなく!!

 バードネストのくるりとした茎が、アナタのお悩みもまるっと飲み込んでくれますことを…遠いお空の向こうからお祈りしておりますよ~。

斑目茂美
記事一覧
開運花師
半導体エンジニアを経て花業界に転身。イベント・ホテルなどの装飾も手がける生花店を営む傍ら、コンテストで優勝・入賞を重ね、雑誌・新聞等に作品を発表する。神奈川各所にて花教室を開催。障害者支援も花で実践。悩ましくも素敵なお客様を「花」で幸せへと導く道先案内人。ブサかわ猫店長「さぶ」ともに奮闘中。Facebookやってます。

ライフスタイル 新着一覧


おんにゃの子の匂いに夢中!“たまたま”君の恋が実るといいな
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
日本海から吹きつける風の中、黙々と歩く少年たちが愛おしい
 早朝にも夕方にも見える空の色、学生服の少年少女、ミラーに映る電車。  どこか非現実的な景色は、まるで中村宏の絵画...
ほっこり癒し漫画/第65回「パカラパカ、春のひとみにタツノオトシゴ」
【連載第65回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、突然「コクハク」に登場! 「しっぽ...
惚れてまうやろー!彼氏より気が利くChatGPTに「好き」について聞いた
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
恐怖の親知らず抜歯!30女が超ビビりながら人生初抜歯した話
 皆さんは親知らずがまだ生えていますか? 筆者は30代になってもすべての親知らずが生えたままです。  歯は大切にしてい...
世帯年収1500万円でも越えられない壁。耐え難い屈辱を喰らった女の選択
 御茶ノ水駅が最寄りの持ち家で2歳年上の夫・孝憲と4歳の娘・香那と3人家族で余裕ある生活を送る彼女は、ママ友と共に充実し...
え…? 優雅な御茶ノ水ママ友会をブチ壊した、地方出身者の悪気ない一言
 御茶ノ水駅が最寄りの持ち家に住む薬剤師の綾乃。2歳年上の夫・孝憲と4歳の娘・香那と3人家族で余裕ある生活を送る彼女は、...
千代田区民は“勝ち”だよね。通勤ラッシュを知らない自分は上流階級層の女
――『東京の中心に暮らす、ということ』…なんてね。  鈴木綾乃の頭の中にマンション販売のコピーのような、そんな言葉...
「自責と他責」バランス上手な大人が口癖にしている神ワード
 ここ数年、自責思考・他責思考みたいな話題をよく見かけませんか? 私はもう見るたびに「うるせぇ~!」となっている反面、し...
たまにはこんな日もあるよね? 終電を見送ってしまった夜
 久しぶりの仲間との時間が楽しくて、「あと1杯だけ」「あと10分だけ」を続けていたら終電を見送ってしまった。  だ...
出張ホスト、ママ活、女風…女性の金目当てに上京する男性が増えている!
 近頃は地方移住が話題となっていますが、その逆に「地方では稼げないから上京する」男性も出てきています。  出張ホストや...
ご飯をありがとにゃ! お母さんが大好きな“たまたま”君たち
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
荒れる2024年幕開け 花屋が祈りを込めた「復興と希望」の花束
 2024年が明けました。今年は元旦から思いもよらないことが起こって、まさに辰年。大きな変化の年が始まったようでございま...
暇すぎ死にそう…大きな声じゃ言えないけど仕事中にばれない暇つぶし5選
 同じ仕事でも、忙しいと時間は早く過ぎ、暇すぎると永遠に時計が止まったように見えるもの…。とはいえ、仕事の拘束時間なので...
2024年こそシンデレラボディ!フェロモンジャッジで分かるケア&香り術
 素敵な女性はいい香りがする――。  そう感じるのは、肌から放たれるフェロモンの効果。フェロモンが高まると色気だけ...
動物は「あったかい場所」を見つける才能があるみたい
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...