渡部建を“腫れ物”扱いするテレビは古い! めちゃ美味しい“食材”なのに

堺屋大地 コラムニスト・ライター・カウンセラー
更新日:2024-06-12 06:00
投稿日:2024-06-12 06:00

テレビの問題点を暴くプロフェッショナル

 渡部建様という逸材がネット番組では大復活を果たしている一方、全国ネットの地上波テレビ番組ではまだまだ“腫れ物”扱いというこの差――そこから見えてくるものが、おわかりでしょうか。

 そう、いまの渡部様は、実は“テレビの問題点を暴くプロフェッショナル”化しているのです…!

 昨今は、「どんなに大きな過ちを犯しても再起のチャンスを与えるべき」という慈悲深い空気感が世間に浸透しつつあります。ネット番組はその風潮をしっかりキャッチしているわけです。

 対して全国ネットの地上波テレビは、圧倒的にその“波”に乗り遅れています。

渡部を活かせないテレビ凋落の象徴

 不祥事を起こしたとはいえ、渡部様ほどの天才芸人を手放すのはエンタメ業界としては大きな痛手。いまの渡部様は言わば高級食材・フグのようなもので、“毒はあるけどちゃんと上手に調理すればめっちゃおいしい食材”なのです。

 しかし、最近の全国ネットの地上波テレビ番組には、その絶品食材をうまく調理できるテレビマンがごくわずかしかいないのでしょう。おいしい料理に仕上げる自信がないから、その毒のある食材をビビッて仕入れないという構造に思えます。

 ネット番組は渡部様という“食材”で極上の料理を作り上げているのに対し、全国ネットの地上波テレビ番組はほぼ手を出していないのが現状で、ネット番組との地力の差が如実に出てしまっています。

 彼を活かせないことがテレビ凋落の象徴に違いありません。渡部様はテレビの問題点を、世間にまざまざと突き付けるプロフェッショナルに成りえているのです。

堺屋大地
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コラムニスト・ライター・カウンセラー
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。本連載意外に『日刊SPA!』(扶桑社)で恋愛コラム連載、『SmartFLASH』(光文社)でドラマコラム連載。そのほか『文春オンライン』(文藝春秋)、『現代ビジネス』(講談社)、『集英社オンライン』(集英社)、『週刊女性PRIME』(主婦と生活社)、『女子SPA!』(扶桑社)などにコラム寄稿。LINE公式のチャット相談サービスにて、計1万件以上の恋愛相談を受けている。
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