平手友梨奈がHYBEと契約終了、2度目の退所で訪れる転機。神童が“本物”に返り咲く日

こじらぶ ライター
更新日:2024-08-24 06:00
投稿日:2024-08-24 06:00

「どうしても頑張りたい」への特大のプレッシャー

 過呼吸の経験がある人ならば分かると思うが、「どうしても行きたくない」もの以上に、「どうしても頑張りたい」もの、場所ほど、前日や当日といったギリギリまで「やります」「行きます」と伝える。

 それでもその想いの強さから特大のプレッシャーに押しつぶされたり、うまく行かなかった時のことを想像して身体が動かなくなってしまうことがある(もちろん全員そうではないが)。

 発作から失神にまで至る過呼吸だけでなく、心身の不調を持つ人のこうしたギリギリまで頑張っての“断念”は、普通の人のワガママなドタキャンとは区別されるべきだとも思う。

 もう10代ではなく23歳なのだから、と彼女自身の管理不足を指摘する声もあるが、彼女の才能を買って起用する側に対し、彼女をマネジメントする側こそが、完遂出来るようサポートするべきだったのではないだろうか。

こだわりの強い完璧主義とワガママは紙一重

 また、“こだわりの強い完璧主義”とワガママは紙一重でもある。平手が17歳時に映画初出演にして初主演した18年の映画「響 -HIBIKI-」でも、彼女がより良い作品にしたいという思いが強いために、脚本にダメ出しをして書き直してもらったエピソードがある。それはバラエティ番組で、月川翔監督から後日談として明かされた。

 彼女に才能がなければワガママになったかもしれないが、月川監督は彼女を信じ、結果、原作者も納得させ、平手は数々の映画新人賞を受賞した。“こだわりの強い完璧主義”の平手を信じた月川監督とは、その後も長く深い親交があることが彼のSNSで伝えられてきた。

新事務所候補社長の"平手拘束"投稿は賛否を呼んだが…

 彼女の新天地としては、歌い手・Adoが所属する音楽芸能事務所「クラウドナイン」の代表取締役社長・千木良卓也氏がXで、彼女を“拘束”した画像と共に、

「私が知る平手友梨奈は待ち合わせの10分前には必ずいるし、他人を大切に出来る子です」

「彼女はいま健やかに拘束されながら次の準備をしていますので、もうしばらくお待ちください」と投稿していることから、同事務所が有力と見られている。

 千木良氏は23年12月のインタビューで、顔を出さず歌い手のままメジャーデビューするという前例のないAdoのブレイクの経緯について、「ただ好きなことを全力で行った彼女とそれに全力で寄り添ったスタッフ達がヒットの背景に繋がった」と明かしている。

職人タイプへの理解度

 また、SNSが苦手でもひとつのことに対して脇目も振らずに没頭出来る人を「職人タイプ」とし、独自性は出しやすいが世の中にはその才能が見つかりにくいことから、「もっと職人タイプが世に出られるような場を作っていきたい」とも語っている。

 平手は前述の通り自身ではSNS発信もほぼしてこなかったが、作品創りについては妥協せず突き詰める「職人タイプ」なのだろうから、同事務所の方針とは相性が良さそうだ。

 欅坂46のパフォーマンスでもあったように、何度倒れても、拳を突き上げもう一度立ち上がり、復活の狼煙をあげる、そんな平手を心待ちにしたい。

こじらぶ
記事一覧
ライター
ジャニーズ、秋元康系女性アイドル、ローカル、地下アイドル等数々の現場を経験。Xでもご意見を募集しております。

エンタメ 新着一覧


“お騒がせ”青井実アナが心機一転、なにわ男子の道枝駿佑と似てるって⁉
 世の中の人がNHKに持つイメージといいますと、「真面目」「お堅い」「地味」といったところでしょうか。  そんな中...
逃げ恥の百合ちゃん役が“頭のいい女は頭の悪いふりをするしかない”発言
 穂高(小林薫)に出くわしたことで女子部への出願が母・はる(石田ゆり子)にばれてしまった寅子(伊藤沙莉)。  娘に...
桧山珠美 2024-04-05 15:30 エンタメ
「虎に翼」語りは尾野真千子 NHKアナと俳優のナレーションの違いは?
 寅子(伊藤沙莉)がお見合いに苦戦する中、親友の花江(森田望智)は寅子の兄・直道(上川周作)との結婚準備を順調に進めてい...
桧山珠美 2024-04-05 15:14 エンタメ
「虎に翼」シン・朝ドラの予感!わずか1話、たった15分で心つかんだ描写
 昭和6年・東京。女学校に通う猪爪寅子(伊藤沙莉)は父・直言(岡部たかし)、母・はる(石田ゆり子)から次々とお見合いを勧...
桧山珠美 2024-04-01 22:28 エンタメ
僥倖!世界に挑む赤西仁ほど「サムライマック」のCM向きな俳優はいない
 マクドナルドのCMにイケメンあり!  そんな声をちらほら耳にするようになりました。たとえば4月2日から全国放送さ...
平野らTOBEがドーム公演大成功の一方、暗雲立ち込める旧ジャニの逆転は
 3月14日から17日にかけて、滝沢秀明氏創設のTOBE所属アーティストによる東京ドーム公演「to HEROes ~TO...
こじらぶ 2024-03-30 06:00 エンタメ
ブギウギ最終回、水を差すようでスンマセン! 残念すぎる4つの演出と描写
 スズ子(趣里)のさよならコンサートが始まる。客席には懐かしい多くの面々がかけつけている。茨田りつ子(菊地凛子)、愛子(...
桧山珠美 2024-03-30 11:41 エンタメ
スズ子引退会見、“天敵の文屋”鮫島の「シャッポを脱ぐ」演出を読む
 歌手・福来スズ子(趣里)の引退会見の当日。スズ子は結局、羽鳥善一(草彅剛)とは話ができないまま会見に臨むことになってし...
桧山珠美 2024-03-27 14:30 エンタメ
超鈍感力! 羽鳥の絶縁宣言を屁とも思わないスズ子とタケシは似た者同士
 歌手引退――。スズ子(趣里)はその決断を、愛子(このか)や大野(木野花)に伝えた。  羽鳥善一(草彅剛)に絶縁す...
桧山珠美 2024-03-26 15:40 エンタメ
「GTOリバイバル」注目の新人イケメンは?松嶋菜々子は本当に出るのか
 反町隆史主演「GTO」が26年ぶりに帰ってきます。反町演じる元ヤン教師・鬼塚英吉がさまざまな問題を解決する学園モノで、...
ドヤ顔のアユミとヘイヘイブギー歌唱シーン温存の理由がわかる回だった
 昭和31年、大みそか。第7回オールスター男女歌合戦当日。スズ子(趣里)は、楽しみに会場へと向かう。スズ子が楽屋で支度を...
桧山珠美 2024-03-22 14:30 エンタメ
最終回秒読み…スズ子はブレずにお人よし、NHKと沼袋勉の手腕いかに!?
 愛子(このか)は、翌日の体育の時間に足の早い転校生と競争することになっていた。しかし、勝てる見込みがなく、愛子は学校を...
桧山珠美 2024-03-21 16:07 エンタメ
和田勉が転生したら中村倫也に!? 強烈インパクトで霞んだ礼子娘の初登場
 東京ブギウギのヒットから9年、ブギブームも下火になってきつつある中、スズ子(趣里)や羽鳥善一(草彅剛)のブギは古いとい...
桧山珠美 2024-03-18 14:30 エンタメ
「光る君へ」主人公バージン喪失!大石静氏が描く平安エロ&バイオレンス
 NHK大河ドラマ「光る君へ」は、平安中期の貴族社会を舞台に、吉高由里子演じる主人公のまひろ(紫式部)の生涯を描くもので...
沢尻エリカ不死鳥の如く女優復帰!大衆は真似できぬ人生転落リアルショー
 2月25日、沢尻エリカの女優復帰作となった主演舞台『欲望という名の電車』が千秋楽を迎えました。  「『残念プロフ...
堺屋大地 2024-03-16 06:00 エンタメ
NHK大阪が誘拐未遂事件をぶち込んだのなぁぜなぁぜ? かつ丼コント?
 誘拐犯が捕まってから、愛子(このか)は3日間も学校を休んでいた。スズ子(趣里)は、学校に行くようにと言うが、愛子は友達...
桧山珠美 2024-03-15 14:30 エンタメ