「鉄漿」って読める? ヒント:最古のメイク

コクハク編集部
更新日:2024-09-08 06:00
投稿日:2024-09-08 06:00
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地名などをピックアップ。
 毎日頑張るあなたがちょっぴり得した気分になれますように…。

【今回の女ことば】鉄漿

 読めそうで読めない漢字、当て字などの特殊な漢字等々ご紹介していますが、次の漢字はいかがでしょうか?

『鉄漿』

 ヒント:「テツ」とは読みません。

【こちらもどうぞ】「女郎花と男郎花」読める? ヒント:ジョロウは間違い。初秋に愛でたい

 正解は――。








【答え】おはぐろ

 正解は「おはぐろ」です。「お歯黒」とも書きます。

 歯を黒く染めること。古く上流の女性の間に起こり、平安中~後期ごろから公卿など男子にも行い、のちに民間に流行して、室町時代には9歳になる女子は、これを成年の印としました。江戸時代になると、結婚した女性はすべて行ったそうです。

 おはぐろは、鉄片を茶の汁または酢の中に浸して、酸化させた褐色・悪臭の液に、五倍子(※)の粉をつけて歯に塗れば完成です。

 日本の化粧の中では、もっとも古い歴史をもつ説があり、おはぐろをしている人はむし歯が少なかったそうです。理由は、おはぐろの前に、楊枝で歯垢などを丁寧に取り除き、五倍子粉に含まれるタンニンには歯と歯ぐきのたんぱく質を強化する働きなどがあり、自然とむし歯予防になっていたとか。

 明治時代の近代化政策のおはぐろ禁止令により廃れていきましたが、歯の健康にいいと聞くと興味ありませんか?

 年齢とともにお口のトラブルも気になるこの頃。最古の化粧<おはぐろ>ブームもやってくるかもしれませんね。

(※)五倍子(ふし)…ヌルデの葉に含まれているタンニンを多く含む粉、ふし粉。タンニン材として、おはぐろや薬、染織、インク製造などに用いた。

 出典元・参考元:「広辞苑」(第7版)、日本化粧品技術者会HP、公益財団法人ライオン歯科衛生研究所HP

(日刊現代校閲/タダ美)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


私が稼ぐしかない!「月経ディスク」で起業、元居酒屋店員の猪突猛進人生
 パワフルの塊のようなアラサー女性がいます。「株式会社MONA company」代表取締役の向井桃子さん(35)。生理用...
死語説もあるけど便利な「OL」、海外では通用しない?
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
3万のフレンチ? 1カ月の食費ですけどー!心で泣いた“女子飲み”の誘い
 仲良くしている友達や、恋愛対象として見ていた人との会話で「私とは住む世界が違う……」と感じた経験はありませんか? 今回...
【45歳からの歯科矯正】歯科矯正の洗礼か! 頬がこけ、そして便秘に…
 総費用160万円かけてワイヤー矯正(表側)に踏み切った“40代半ば婦人”の歯科矯正ほぼほぼリアタイ体験談です。  今...
やっぱりハブられてる? 飲み会に自分だけ誘われない理由と3つの対処法
 自分は仲良しだと思っていたグループで、自分以外のメンバーが飲み会をしていた…… なんてことが発覚したら、かなりショック...
男性用のレース下着って知ってる?トム・クルーズと極道の「色気」の正体
 コミックや書籍など数々の表紙デザインを手がけてきた元・装丁デザイナーの山口明さん(63)。多忙な現役時代を経て、56歳...
察知できないから危険でヤバい!「ステルス地雷系の競わせ屋」の罠こわっ
 みなさんの周りには、どんなヤバい人がいますか? あ、いると決めつけてすみません……。でも正直、「この人、ヤバいな」とす...
私は佳代だよ、レイちゃんってかすりもしねえ! 関係が終わった決定打!!
 仲良しの女友達や意中の彼からのLINEでも、幻滅したり、縁を切りたいと思ったりすることはありますよね。  今回は...
縦も横もななめも…直線だけで造られた街の違和感と落ち着き
「なんだか不思議な風景だな」とファインダーを覗いたら、その理由に気がついた。  縦も横もななめも、すべて直線だけで...
40女スーパー銭湯でととのえず、ぴーちくぱーちくな先客にモヤった話
 スーパー銭湯が好きです。週末のランニングがてら、あちこちの施設に出向いております。広い湯船にざっばーん! からの~、サ...
まるで御神体のよう! 美しく雄々しい“たまたま”に幸せを祈ります…
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
胡蝶蘭はお祝い専用? 寺の住職から聞いた「お悔やみ花」としての需要
「つかぬことをお伺いしますが……」  猫店長「さぶ」率いる愛すべき我が花屋には、お客様から毎日のように“ちょっと困...
どれくらい実践してますか? 家でできる環境にいいこと「7つの習慣」
 子供たちに限りある資源を残すためには、私たちの日々の努力が欠かせません。今回は、みんなが普段心がけている環境にいいこと...
【にわか呑み鉄】電車とビール好きにたまらない「流鉄BEER電車」に参戦
 さる9月2日(土)、千葉県流山市で「電車好き」と「ビール好き」垂涎の1日限りのイベントが開催されました。  通常は入...
“頑張り屋のメンヘラ”が「セルフラブ」という人生の処方箋を知りました
「セルフラブ」という考え方は、確実に私の人生に大きな影響を及ぼしています。  セルフラブについて学び始めた時「世界...
台無しなんですけど!家族旅行なのに「夫のイライラ言動」と4つの予防策
 世の女性の中には、せっかくの家族旅行中、「夫のイライラする言動」によって、楽しい雰囲気が台無しになってしまうケースも…...