人気脚本家ドラマの常連俳優、その傾向は?
大石静氏脚本のNHK大河ドラマ『光る君へ』、クドカン節がさく裂するフジテレビ系『新宿野戦病院』など、昨今放映されている連続ドラマの中でも、実力派の脚本家や監督が手掛ける作品はやはり安定した面白さを見せています。
これらのドラマを見ながら思ってしまうのが、「この脚本家(監督)の作品は、いつも似たような人が出てるよなぁ~」ということ。そんなわけで、有名な脚本家・監督のそれぞれの作品に出演するおなじみの役者さんに注目してみます。
宮藤官九郎――癖のあるクドカンの世界観にハマる個性派
9月11日に最終回を迎えた『新宿野戦病院』も評判だったクドカンこと宮藤官九郎。松尾スズキ主宰の劇団・大人計画出身であることから、目立つのは大人計画に所属していたり客演していた役者さんが多いようです。
阿部サダヲ(TBS系『不適切にもほどがある』、NHK『いだてん』)、荒川良々(NHK『あまちゃん』、TBS系『俺の家の話』)、平岩紙(『新宿野戦病院』、TBS系『マンハッタンラブストーリー』)をはじめ、猫背椿、皆川猿時など数え上げたらきりがありません。
大人計画界隈以外で目立つのが、尾美としのり(『あまちゃん』、TBS系『タイガー&ドラゴン』、Netflix『離婚しようよ』)、森下愛子(TBS系『IWGP』『ごめんね!青春』)、薬師丸ひろ子(『あまちゃん』、TBS系『木更津キャッツアイ』)などの個性あふれるベテラン勢。ほか、小泉今日子や長瀬智也などもよく出演しています。
個人的に「この人を見るとクドカン作品だ」という印象が強いのが尾美としのり。どこにでもいるおじさんのようでありながらも、なぜか印象に残ってしまうとぼけたキャラクターがクドカンの世界観にピッタリとハマっています。
2023年前半は、配信で『離婚しようよ』、NHKの再放送で『あまちゃん』、他、クドカン以外の作品ですが地上波のドラマも出演していた関係で、1日中彼の顔を見ていたような気がします。クドカン作品を支える隠れた名バイプレーヤーのひとりです。
大石静――恋愛作品の名手が愛する色気あふれる俳優多し
近年の大石静脚本作品の常連と言えば、まず挙げられるのが『光る君へ』でも主演をしている吉高由里子でしょうね。日本テレビ系『知らなくていいコト』、テレビ朝日系『星降る夜に』と、立て続けにヒロインを務めています。
また、大石作品の常連として特筆すべき俳優と言えば、先日までNHK―BSで再放送されていた朝の連続テレビ小説『オードリー』にも出演している段田安則。近年の『光る君へ』、テレビ朝日系『和田家の男たち』はもちろん、出世作のNHK『ふたりっ子』、TBS系『長男の嫁』にも出演し、付き合いの息の長さがうかがえます。
同じく『オードリー』『光る君へ』に出演している佐々木蔵之介も常連と言っても過言ではないほどよく出演していますよね。恋愛ドラマの名手と言われる大石静氏だけに、常連の俳優さんはどことない色気があるのが特徴です。常連俳優さん自身も、なぜか大石作品では他の作品のドラマでは感じない独特の艶っぽさが出ているような…。
段田安則は、他のドラマでは実直でカタブツな中年男性のイメージの役柄が多いですが、『光る君へ』の兼家、『オードリー』『ふたりっ子』の主人公の父親役など大石作品では男としての魅力や人間味あふれる重要な役柄を演じています。
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