寅子フリーズ! 美佐江くりそつな美雪登場、意味深な微笑が恐怖をあおる

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2024-09-18 16:35
投稿日:2024-09-18 16:35

第25週「女の知恵は後へまわる?」#123

 元明律大学女子部の一同が、久しぶりに寅子(伊藤沙莉)の家で顔を合わせる。涼子(桜井ユキ)は司法試験に挑戦していた。皆、学生時代を懐かしく思い出す。

 かたや、直明(三山凌輝)一家が近所に引っ越すことになり、猪爪家ではささやかなお祝いの会が開かれる。

 そして、少年法改正についてさまざまな意見を集めていた寅子は、東京家裁の廊下で思いがけない人物に出くわす。


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【本日のツボ】

美雪の意味深な微笑

 ※※以下、ネタバレあります※※

 誰にでも後悔はあるものですが、寅子にとっての後悔は、やはり、新潟での美佐江(片岡凛)が関与していたかもしれないひったくり事件や売春事件のことだったのでしょう。

 美佐江が東京大学に合格したと彼女の父からの報告で聞き、東京で美佐江がドえらい事件を起こすのかと気が気ではありませんでしたが、結局、そのままなかったかのことのようになって放置プレイ状態。

 私たち視聴者にとってもずっと引っ掛かっていた美佐江にそっくりなセーラー服の少女・美雪(片岡凛が二役)の登場に、寅子と同じくらい動揺してしまいました。

 それにしても、20年経ってもなお美佐江は寅子のトラウマになっているようで、「佐田先生?」と呼び止められ、振り返った寅子の美雪を見ての「えっ?」は「世にも奇妙な物語」の一場面かと思ってしまうほど、恐怖色がありました。

 そのまましばしフリーズする寅子。その間、あの時の美佐江と美雪がオーバラップ。美雪の意味深な微笑が恐怖を倍増…。寅子が美雪の忘れ物の本を渡しにきた音羽(円井わん)の手首に赤いミサンガが巻かれていないか確認するほどの動揺っぷりでした。

 その本の栞が赤いミサンガに見えたような…。


桧山珠美
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TVコラムニスト
大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。読売新聞「アンテナ」、放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

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