作家・鈴木涼美氏と考える 現代女性の不倫リスク「不倫って気づいたら巻き込まれているもの」

ミクニシオリ フリーライター
更新日:2024-10-05 06:00
投稿日:2024-10-05 06:00
 朝スマホを開くと「またか」と思うくらい、1年に何度も芸能人の不倫ニュースを見かける。いくら有名人とはいえ、特に当人と面識がないにも関わらずここまで不倫が世間的に断罪されるようになったのは、「センテンススプリング」という言葉が世に浸透した頃だろうか。

それはセンテンススプリングから始まった

 本屋に行っても、9時台のゴールデンタイムにテレビをつけても、不倫を題材にした漫画やドラマは珍しくない。時折、純文学のような美しい不倫や、愛の多様性を考えさせられるエンタメを目にすることもあるが、その多くはリアルでおどろおどろしい、報復を目的にした作品ばかりだ。結婚していてもしていなくても、不倫問題を身近に感じる人は増えているのではないだろうか。

 9月24日に作家の鈴木涼美氏が出版した書籍『不倫論――この生きづらい世界で愛について考えるために』(平凡社)では、現代の不倫が客観的に考察されている。

 今回は著者である鈴木氏と一緒に、未婚女性・既婚女性問わず広がっている「不倫リスク」を再考していく。

未婚でも「不倫リスク」は隣り合わせ

 鈴木涼美氏は慶應義塾大学を卒業後、東大の大学院修士課程を経て大手経済新聞社に就職し、退職後に作家としての活動を始めた異色の経歴を持つ。学生時代はセクシー女優として活動していたことも明かしており、作家となってからも夜の街や、性愛に関する発信を積極的に行ってきた印象がある。

 しかし今春、40歳となった鈴木氏はSNSで現役ホストとの結婚を電撃報告。そんな彼女がなぜ今、不倫をテーマに一冊の本にまとめたのか。

「私自身はもともと結婚に興味がありませんでしたし、『不倫論』の執筆中は未婚だったわけですが、なぜか近年、不倫に関するコラム執筆の依頼がかなり増えていて、結果、不倫について考える時間が長かったことが大きいですね。それに、身近な人間の不倫話を聞くことも多く、私も自分が未婚で、お相手が既婚男性という形での不倫なら経験がありました。40年も未婚だった私でも、不倫とまったくの無関係とは言えなかったのです」

不倫が世の中からなくなることはない

 確かに、不倫という行為は都会だとか田舎だとか、場所を選ばず日本のそこらじゅうで起きている。それも面識のある人間が当事者でなくても、SNSで夫の不倫を暴露する匿名の「サレ妻」アカウントなど、自分とは全く違う環境で起きているリアルな不倫を数多目にもする。未婚・既婚問わず、いつどこでかかってもおかしくない風邪ほどに身近だ。

「不倫が世の中からなくなることはないと思いますが、結婚制度はもっと早く廃れるんじゃないか、とは考えていました。女性の社会進出が進み、経済的自立が確立されるようになれば、結婚という制度を利用しなくなる女性が増えると思っていたのですが、2024年になってみても、結婚が廃れる気配はありません。

 もちろん、不倫も減りませんよね。減らないにもかかわらず、不倫に対する風当たりは年々強くなっている。昭和の時代は、有名な男性に愛人がいるという構図がおおまかに許されている雰囲気があったけれど、今は男性の不倫であってもやれ辞任だCM降板だと、人生が狂うくらいの十字架を背負わされるわけで。

 私は、結婚や純愛への希望と絶望のアンビバレンスが、世の中で起きる不倫断罪に繋がっていると考えています」

ミクニシオリ
記事一覧
フリーライター
フリーランスの取材ライター・コラムニスト。ファッション誌や週刊誌、WEBSITEメディアなどで幅広く活動。女性向けのインタビュー取材や、等身大なコラム執筆を積極的に行う。いくつになってもキュンとしたい、恋愛ドラマと恋バナ大好き人間。
XInstagram

関連キーワード

ラブ 新着一覧


男女別浮気がバレた“意外な証拠”6選。絶対にバレないと過信している人、今すぐ確認を!
「結婚する前にちょっとだけ遊んでおきたい…」「とにかくモテたい」なんて願望があり、浮気に興味がある人もいるのではないでし...
恋バナ調査隊 2024-09-24 06:00 ラブ
不倫で残ったものは多額の慰謝料だけだった…シタ女が後悔する4つの瞬間
 大人の恋愛といわれる、不倫。「決して結ばれることのない、禁断の恋」をしている自分に酔って不倫に燃えてしまう女性も多いで...
恋バナ調査隊 2024-09-23 06:00 ラブ
セラピストが「とても綺麗な肌をしてるね…」社交辞令でも十分うれしくなる言葉だった
 パートナーなしの50歳独女ライター、mirae.(みれ)です。48歳で意を決して女風を予約し、セラピストと一緒に初のラ...
mirae.(みれ) 2024-09-23 06:00 ラブ
そうめんでいいよって何だよ! 夫婦喧嘩や離婚の原因になる「夫の無神経な一言」6選
 どうして夫という生き物は、無神経な一言を発してしまうのでしょう。最も身近な存在で理解してほしいのに、何気ない一言が容赦...
恋バナ調査隊 2024-09-22 06:00 ラブ
「離婚か義母と同居か、それが問題だ」究極の二択を迫られ右往左往する52歳男性
「冷酷と激情のあいだvol.213〜女性編〜」では、夫を連れて実母のもとで暮らしたい妻・有紀子さん(48歳・仮名)の心情...
並木まき 2024-09-21 06:00 ラブ
「そうだ、実母と同居すればいい!」夫とふたりきりの生活が窮屈な48歳女性の計画
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2024-09-26 10:52 ラブ
シンパパとの仲が「♡」に進展したLINE3選。距離を縮めたくなる女性にある共通点が!
 1人で子どもを育てるシンパパに、恋愛感情を抱いている女性もいるでしょう。ただ、気持ち的にも時間的にも恋愛する余裕がなさ...
恋バナ調査隊 2024-09-21 06:00 ラブ
真田広之も“シタ夫”組…裏切られたサレ妻が離婚後も「また一緒にいたくなる男」にある共通点
 9月15日、米ロサンゼルスで行われた「第76回エミー賞」で、俳優の真田広之(63)が主演・プロデューサーを務めたドラマ...
前代未聞の妻子&不倫相手とのW同時旅行。56歳眼科医が講じた計画は#2
 信一さん(仮名・56歳眼科医/妻子アリ)は、地元のスナックで知り合った美香さん(仮名・46歳無職/夫と死別・子供なし)...
蒼井凜花 2024-09-27 18:03 ラブ
夫婦喧嘩でも絶対に言わないほうがいいNGワード5選。破滅を招きます…
 夫婦喧嘩をしている時は相手の言動に心底腹が立つものですが、何を言ってもいいわけではありません。夫婦喧嘩にも絶対に使って...
恋バナ調査隊 2024-09-20 06:00 ラブ
子なし夫婦の老後の不安。後悔はなし、幸せな未来のために今からできること
 結婚をしてもさまざまな理由で「子なし夫婦」として生きていく人はたくさんいます。でもなかには「老後はどうしたらいいのだろ...
恋バナ調査隊 2024-09-20 06:00 ラブ
増えるアラフィフからの婚活。60代男性とお見合いした50代女性が悟ったことは?
 アラフィフで婚活を始める女性が増えています。同い年か年下の男性を希望する人が多いのですが、結婚相談所からはシニア層ばか...
内藤みか 2024-09-19 06:00 ラブ
40代独女が「彼氏欲しい」と思う瞬間、「やっぱりいらね」と思う瞬間
 40代でバリバリ仕事をこなし、自由な生活を満喫している独女たち。でも、ふとした瞬間に「あぁ…彼氏が欲しい」と実感するこ...
恋バナ調査隊 2024-09-19 06:00 ラブ
「彼氏→夫」呼び名チェンジに大照れ♡ 結婚の実感ない新米夫婦のほっこりLINE3選
 同棲期間が長かった人や、結婚式を挙げていない人などは「結婚したけど全然実感ないな」と感じる人が多いといいます。 ...
恋バナ調査隊 2024-09-19 06:00 ラブ
女性が好きぴにやりがちな激ウザLINE8選。「返事ちょうだい」で既読スルーをちくちく指摘とか!
 気になる男性に送るLINE。顔が見えない分、積極的にアプローチできるからと相手の気持ちも考えずにLINEを送っていませ...
恋バナ調査隊 2024-09-18 06:00 ラブ
令和世代の恋愛まではリバイバルならず? 昭和・平成との違いにびっくり
 時代の移り変わりとともに、恋愛観にも変化が出てくるもの。今回は令和世代の恋愛について、昭和・平成時代との価値観の違いを...
恋バナ調査隊 2024-09-18 06:00 ラブ