商店会勧誘で実感。この町は「超ヤカラ的おじーおばー」の⽣息地だった!

フィッシュバーン真也子 コラムニスト
更新日:2024-11-08 15:09
投稿日:2024-10-02 06:00
 本コラムは、地元の“幽霊商店会”から「相談がある」と言われ、再始動の先導役を担う会長職を拝命することになったバツイチ女一匹の“ほぼリアタイ”ドタバタルポです。
 商店会は末端社会の縮図。次から次へと巻き起こるトラブルや人間関係は、どこぞの職場や家庭で見たような光景ばかりです…。

時折浴びる「嫌味&⽂句」シャワー

 約1カ⽉に渡り、週1で訪問勧誘を続けるうち、⽬標の20名という数字は⽬前になってきた。前回書いたように、床屋さん喋る→つまる→私畳み掛けるという流れで勧誘は進んでいたが、時折、嫌味や⽂句をおっしゃる⽅には、

「今は⼈⼝減少、少⼦⾼齢化なんでねー、みんなで地域を⽀えようという意識が⼤事なんですよー。そういうのをわかってらっしゃる事業者さんは、商店会に⼊会してくださるんですよ。地域活動への意識の⾼い⽅々って、ありがたいですー。あ、でもでも、⼊会は、ほんとご無理なく…」

 と、語尾をやたらに伸ばし、感じのいいおばさまを演じつつ「意識⾼い系事業者は⼊会しますよ」という、すりこみ? 洗脳? に近い締めの⾔葉を残して⽴ち去る。

 とはいえ、商店会勧誘での「ご無理なく」は本⼼であり、⼊会は決して強制ではない。⼊会者が多くても「⼊ってやった感」を出して、払った分なんかしてよ的に威張られても困るのだ。

【こちらもどうぞ】「ポンコツ商店会」お預かりしましたvol.1 “幽霊商店会”から「相談がある」と突然言われ、会合に出てみると…何!ナニ!!なにー!!!

「超ヤカラ的おじーおばー」に罵倒される御⽼公⼀⾏

 商店会の再起動は、前向きに地域に役⽴ちたいと思ってくれる⽅が20名ほどいればクリアできる。しかし地域には、活動するつもりも⼊会するつもりもないのに、ひたすらケチをつけたい通称「ヤカラ的な⽅」も存在する。

 そういう⽅には「本当に、本当にご無理なくーー!」と強く⾔って⽴ち去るようにしているが、休⽌前の元商店会会員(おじーおばー)の中には、⽴ち去ろうとする我らの前に⽴ちはだかり、

「あんたたち勝⼿に再起動とか⾔ってるけど、そんなの聞いてないわよ!」 「うちは協⼒しないよ、あんたら散々ほったらかしにしたくせに」 「昔の商店会会費、10年⽌まってる間にあんた達が使い込んでなくなったんじゃないの?」などなど、もはやケチどころではなく、罵倒に近いお⾔葉を投げつける「超ヤカラ的おじーおばー」もいる。

 こういう⽅々には意識⾼い系話なんぞは通⽤しない。怖いもの知らずだし、⼈の話は聞かないのだ。

⾓さん(床屋)と助さん(元酒屋)の打ち明け話

 10年間休⽌してしまう前に、⼀体この商店会に何があったのか?

 過去の⾼齢者会員は、なぜか妙に怒っている。会⻑職を引き受けたものの、よく考えればそのあたりの事情を聞いていなかった。

 助さん、⾓さん、もしやなんか隠しているのではなかろうか?

「あのー、あそこまで罵倒されるって、昔なんかしたんですか?」と恐るおそる聞く私。

「いやいや、年寄り連中が勝⼿に俺らに、これからの商店会活動は⻘年部のお前らがやれ!って押し付けて、いきなり引退したんですよ! 俺らは仕事忙しいから無理だって断ったのに!」

 床屋の⾓さん、思い出しブチギレ。10年前のことなのに、まるで昨⽇起こった出来事のように怒り冷めやらずに話す。

「俺はね、⼀応前の時から会計やってて、まぁ引き続きなんだけどね」と助さんこと元酒屋さんは、しょうがないからとりあえずやってますといった感。

「つまり、おじーおばーは商店会を継承したつもりでいて、でも⻘年部としては引き受けたつもりはない、って話ですかね?」

「俺は承知しなかったのに、ぶん投げられたんですよ!」と⾓さん。

 あらやだ、この⼈たちってぶん投げられたから、私にぶん投げちゃったのかしらwww 

 それにしても、⾔った⾔わない? やったやらない? 的な話で10年間も地域の商店会を機能不全にしちゃうって、ザ・地元ピープルの意固地メンタリティは不可解…。

フィッシュバーン真也子
記事一覧
コラムニスト
養生茶カフェ店主。とある都心商店会会長。ちょこっと大家業。

出版社でインテリア誌やファッション誌の編集者として長らく勤務したのち、フリーランスのエディター、インテリアスタイリスト、デコレーターとして活動。現在はメディカルハーブのスペシャリスト、ハーバルプラクティショナーの資格を活かし、養生茶と手作りおやつのカフェ『だんで茶屋』を経営。その他、著述業、不動産賃貸業などを少々営む。

外国人との結婚と離婚、シングルマザーでの子育てなど、タフな経験を栄養にして生きる50代。いい『気』を求めて神社脇に移住。住まいや暮らしを自分流にカスタマイズしながら「空間から得る幸福感」を実践研究している。54歳から建築系大学に再入学、現在大学院にて空間によるコミュニケーションデザインを研究中。

著書に食と旅のエッセイ『笑顔になれる美味しいプロヴァンス』(スタンダードマガジン)、住まいのエッセイ『女ひとり・借金アリ・貯金ゼロからのトーキョー大家さんLIFE』(主婦の友社)

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


春の強運アイテム「フリージア」“極太長”を見かけたら即買い
 3月もあっという間に中盤。猫店長「さぶ」率いる我が花屋のある、ここ関東も暖かい日が連日続き、さぶ店長の日課である“近隣...
濡れた手のまま使えるハンドクリームが便利 2023.3.14(火)
 乾燥で肌がかさつきやすい季節、ハンドクリームで手の保湿ケアをしている人も多いでしょう。特に日常的に家事をしている人は水...
「国際女性デー」日経広告の炎上と今こそ女性に伝えたいこと
 3月8日は国際女性デー。女性の地位向上や差別の撤廃を目指し、ジェンダーの平等を求めて行動する日です。近年は女性活躍推進...
話題の「ファミチキ炊き込みご飯」競合チキンと比較、最もおいしいのは?
 おうち時間が増え、自炊に挑戦する人が増えてきた昨今。とはいえ、毎日献立を考えるのって結構大変ですよね。「サクッと簡単に...
2023-03-14 06:00 ライフスタイル
氷ついた大地が緩み始めた 春はすぐそこ 2023.3.13(月)
 冬の間は枯れ木のように見えた木が、小さなピンクのつぼみを付けた。  日の光で温められた地面からは、何かの気配を感...
これぞ漢!ワイルド“たまたま”の野性味あふれる表情をパチリ
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
「ネイル予約したから子ども預かって?」ずうずうしいお願いLINE3選
 人と親しくなるにつれて、自分の素が出たり相手に気を使わなくなったりしますよね。でも「親しき仲にも礼儀あり」は、意識的に...
学生の頃に戻りたい日もあるけれど… 2023.3.12(日)
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
平和主義者のようでいて虫をなぶり殺しに…!~猫マメ知識#2
 可愛くて、賢くて、気高くて、どこを見ても魅力的でしかない。そんな完璧などうぶつ・猫にも、残念な点がある。猫のここが残念...
意外とチョロい!? 40女が“獄激辛やきそば一味プラス”を食す
 先日セブンイレブンにこちらを買いに行ったところ、ある一角からものすごい視線を感じたんですよ。恐るおそる振り返ると、 ...
「ゆっくり帰っておいで」母の言葉に涙…頑張った受験生へのLINE3選
 3月といえば受験シーズン。血の滲む努力が実って合格した人もいれば、不合格で落ち込んでいる人もいるナイーブな受験生……。...
違うオスの子どもも一度に身ごもれるにゃん♡~猫マメ知識#1
 可愛くて、賢くて、気高くて、どこを見ても魅力的でしかない。そんな完璧などうぶつ・猫にも、残念な点がある。猫のここが残念...
桜にオスプレイは似合わない 2023.3.10(金)
 毎日いろんなことが起こっている。どこかで誰かが好き勝手に言っている。  だけど、これだけは言える。 桜にオスプレ...
人づきあいは“広く浅く派”が最強!うわべの関係って悪くない
 みなさんは、人づきあいは”広く浅く派”でしょうか、それとも”狭く深く派”でしょうか。私はどちらかといえば後者で、友達も...
南海トラフ地震と関東大震災 先に起きるリスクが高いのは?
 23年3月11日、東日本大震災から12年を迎える。連日、今後の発生リスクの高い大災害として「南海トラフ巨大地震」が取り...
パンツ脱ぐより恥ずかしい マスクを外す勇気が出るアプデ3つ
 マスク装着が任意となり、約3年ぶりにマスクなしの日常が戻ってきています。  しかしここに来て、マスクを外すのにためら...